Bunkamuraル・シネマで「生誕170周年 ゴーギャン タヒチ、楽園への旅」を観た! | とんとん・にっき

とんとん・にっき

来るもの拒まず去る者追わず、
日々、駄文を重ねております。


Bunkamuraル・シネマで、エドゥアルド・デルック監督の「生誕170年 ゴーギャン タヒチ、楽園への旅」を観てきました。

映画「ゴーギャン タヒチ、楽園への旅」は、まさにゴーギャンが移住したタヒチでの日々を追ったものです。数々のタヒチで描いたゴーギャンの傑作、若い妻であるテフラをモデルにした「数々のモチーフ」が出てきます。「イア・オラナ・マリア(マリア礼賛)」や「マナオ・トゥババウ(死霊は見守る、死霊が見ている)」が、臨場感を持って、その描かれた現場に立ち会えます。

フランスの画家、ポール・ゴーギャンの絵画「Nafea Faa Ipoipo(いつ結婚するの)」(1892年)が絵画史上最高額の3億ドル(355億円)で落札されました!

数年まえでしたか、上のような大きなニュースがありましたね。ゴーギャンがフランスからタヒチに移住した1892年に描かれたものです。

「月と六ペンス」(The Moon and Sixpence)は、1919年に出版されたサマセット・モームの小説。画家のポール・ゴーギャンをモデルに、絵を描くために安定した生活を捨て、死後に名声を得た人物の生涯を、友人の一人称という視点で書かれている。・・・題名の「月」は夢を、「六ペンス」は現実を意味するとされる。

以上は、ウィキペディアの引用です。「月と六ペンス」は、ゴーギャンのイメージを決定づけたとされていますが、恥ずかしながら僕は読んだことがありません。

同様に、ゴーギャンのイメージを決定づけたのは、映画「炎の人ゴッホ」でしょう。ゴッホに対して、傲慢な態度で接するゴーギャンというイメージが定着しました。
ヴィンセント・ミネリ監督の「炎の人ゴッホ」を観た!

「殺されたゴッホ」という本を、最近読みました。ゴーギャンのことは直接数多くは書かれていませんが、ゴッホが悩み、異常な行為を行った直接間接の原因が、ゴーギャンにあるように書かれています。
マリアンヌ・ジェグレの「殺されたゴッホ」を読んだ!

ゴーギャン、最高の傑作「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」(1897-98年、ボストン美術館)、竹橋の東京国立近代美術館で観ました、2007年7月でしたね。ほとんど晩年、1895年にタヒチへ行き、彼自身の想像力によって描かれたものです。
東京国立近代美術館で「ゴーギャン展」を観た!

そうそう、そのものずばり、「ゴッホとゴーギャン展」という展覧会が2016年10月から東京都美術館で開催されました。ゴッホとゴーギャンの、アルルでの共同生活に焦点をあてていました。この展覧会、多くの人の評を聞いたりすると、好評だったようです。
東京都美術館で「ゴッホとゴーギャン展」を観た!

あまり間口を広げすぎないで、ゴーギャンのタヒチでの生活に焦点を絞ったことが、この映画の成功につながっているように思えます。しかし、タヒチでの楽しい日々は長くは続きません。タヒチで貧困を極めたゴーギャンは、力仕事に出て身体を酷使します。現地の若くて美しい妻・テフラも、結局は現地の若者に奪われてしまいます。この辺りのストーリーは、どこかで見た通俗なメロドラマですが・・・。

ゴーギャンの体調が悪化し、西洋の影響が次第に強まるタヒチの生活にうんざりするようになります。1901年秋には、もう一度船に乗り込み、遠く離れたマルキーズ諸島に移住します。ヒヴァ・オア島のアトゥオナで、最後の傑作「未開の物語」(1902年:フォルクバンク美術館)が描かれます。病気が彼の体を蝕み、1903年5月20日、55歳を迎える1か月前、ゴーギャンはその生涯を閉じます。

以下、シネマトゥデまイによる

見どころ:異国情緒あふれる画風で知られる19世紀を代表する後期印象派の画家、ポール・ゴーギャンのタヒチ滞在時代を描く伝記ドラマ。妻子と別れタヒチへ渡った彼が、現地で恋に落ちた女性をモデルに創作する日々が描かれる。『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』などのヴァンサン・カッセル、『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』などのマリック・ジディらが出演。テレビシリーズや短編などを手掛けてきたエドワール・ドゥリュックが監督を務める。

あらすじ:趣味で絵を描いていた株式仲買人のゴーギャンは、1882年にパリで株価が大暴落したのを機に画家を本業にするが、生活は貧しくなり妻子と別れてしまう。その後タヒチへ渡ったゴーギャンはその土地に魅了され、現地で出会った美しい女性テフラと結婚し、彼女をモデルにしたさまざまな作品を生み出す。しかし資金が底をつき、生活は破綻し……。






朝日新聞:2018年1月6日