ヴィンセント・ミネリ監督の「炎の人ゴッホ」を観た! | とんとん・にっき

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 録画してあったヴィンセント・ミネリ監督の「炎の人ゴッホ」を(再び)観ました。


録画した番組は、以下の通り。

プレミアムシネマ「炎の人ゴッホ」字幕スーパー

11月4日(土)0:15PM(2H05M)NHKBSプレミアム


市販されているDVDの「内容紹介」は、以下のようにあります。


1956年アカデミー賞助演男優賞、NY批評家協会男優賞、ゴールデングローブ男優賞受賞作品!
美しい映像が印象に残るゴッホの生涯を描いた感動作! ブラッセルのベルギー伝道委員会が経営する学校を出たヴィンセント・ヴァン・ゴッホは、司祭としてボルナージュ地方の炭鉱町に、自ら志願してやって来る。そこで彼は、悲惨な労働者の生活を目撃。教会で説明することが、いかに空虚なものであるかを痛感し、ついに破門される。彼は画商として成功した弟のテオの保護を受け、絵を描くことをはじめる。30才を過ぎてパリに出てゴーギャンと出会い。共同生活をはじめるのだが・・・。ヴィンセント・ミネリが印象派のヴィンセント・ヴァン・ゴッホの悲運の生涯を美しい映像で描く。たっての願いで役を得たカーク・ダグラスの熱演が光る!


以下、「炎の人ゴッホ」より
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伝道師になるための資格試験に落ち、

炭鉱での伝道活動もうまくいかない。

妹や家族との葛藤、パリへ出て、弟テオと暮らし始める。

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パリで印象派と出会い、衝撃を受ける。

ピサロを訪ね、スーラと議論し、ゴーギャンと知り合う

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パリに来たのが間違いだったと、

生活を変えるために、アルルに引っ越す

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アルルのゴッホの部屋

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屋外で陽光を浴びて描く

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ゴーギャンをアルルに呼び寄せる

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ゴーギャンと一緒の生活

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ゴッホ、突然、耳を切り落とす

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弟テオがパリからかけつける

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弟テオに世話になりっぱなしを詫びる

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鴉の群れ飛ぶ麦畑

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ゴッホ、「失意のどん底だ」

「目の前は闇で、出口もない」

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苦悩のゴッホ、拳銃で自殺を

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自殺後、病院でテオに

「全部笑い飛ばして死ぬには迷惑をかけすぎたな」
「せめて画材代だけでも返せたらよかった・・・」

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「殺されたゴッホ」(小学館文庫:2017年9月)という本がある。購入はしたが、まだ読んでいない。その本の解説に圀府寺司(美術史家、大阪大学教授)は、次のように言う。


これまでで一番のヒット作になった伝記作品は、アーヴィン・ストーンの小説「炎の人ゴッホ」(1934年)とそれをヴィンセント・ミネリ監督が映画化した同名の映画(1956年)である。この映画は空前絶後の大ヒット作になり、その影響力は絶大だった。この映画でファン・ゴッホは「鴉の群れ飛ぶ麦畑」という絵を描いていて、その後麦畑で自殺したことになっている。実は、原作ではそうはなっていない。そして、その後数十年にわたってファン・ゴッホの伝記映画では麦畑の 自殺はほとんど揺らぐことのない「定型」として生き続ける。「鴉の群れ飛ぶ麦畑」が絶筆だという証拠もなく、「麦畑」で「自殺」したという事実を伝える確実な情報がなかったのに、である。では、なぜこの場面が史実にも原作にも基づかないのに根付いたのか・・・・。


映画「炎の人ゴッホ」の成功の理由はもちろんこれだけではない。ファン・ゴッホの絵のイメージをもとにした映画の「絵作り」、ファン・ゴッホの手紙の言葉をもとにした台詞が、この映画にある種の「真実らしさ」を与えた。今から見れば事実誤認はたくさんある。麦わら帽の庇に火の灯ったろうそくを立てて夜に絵を描くファン・ゴッホの姿はもっとも滑稽な事実誤認の例だが、この映画を人々が見なくなっていったのは数々の事実誤認のゆえではなく、この映画が描き出すファン・ゴッホ像、その「炎の人」の物語そのものに人々が共感しにくくなっていったからである。


以上のように書いた後、「殺されたゴッホ」では、ファン・ゴッホの死を自殺とはしていない。と、解説を進めています。「殺されたゴッホ」については、読み終わった後、このブログに書きます。


korosa 「殺されたゴッホ」

小学館文庫

著者:マリアンヌ・ジェグレ

2017年10月11日初版第1刷発行

発行所:株式会社小学館

ゴッホ最後の2年間と死の真相!
120年以上にわたって自殺したと信じられてきた、ポスト印象派の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホ。しかしその死は、じつは他殺によるものだった!
画家ゴーギャンとの共同生活の失敗、弟テオに対する罪悪感や社会からの疎外感……。2011年にアメリカで刊行され評判となったゴッホの伝記(ノンフィクション)に書かれた新説に基づき、ゴッホが残した手紙や日記類、彼をめぐるさまざまな人々の視点から、ゴッホの苦悩と情熱が、臨場感あふれる文体で語られる。
なぜ、誰にゴッホは殺されたのか? 殺されなければならなかったのか? ゴッホ最後の2年間と死の真相に迫る小説。
原書は2016年1月にフランスの権威あるガリマール社より刊行され、テレビ、ラジオなどでも取り上げられ評判となった。