こんにちは。
ハイ・パイン・サンキュー!です。
いつもとなりのかがわさんをお読みくださり、ありがとうございます。
10月最初の週末は、とても暑く(34度!)、その後爽やかでした。
台風の後には、時折そういうことがあって、最後にもう一度エアコンを使いました。
さて、今回は「イイダコ」という蛸の煮付けです。
イイダコについては、イイダコの煮付けとイイダコの天ぷらの記事を書いているし、もう何回も繰り返さないで良いんじゃいないか、という気もしています。
しかし、昨年、一昨年とあまり見かけなかったイイダコが、今年の秋口になると店頭に並び始めました。
もしかしたらこれを書くチャンスはあんまりなのではないか、という気持ちでもう一回「イイダコの煮付け」を書いてみることにします。
もし瀬戸内海でとれるイイダコのことや、イイダコの下処理のこと、イイダコを甘辛く煮つけた香川の郷土料理なんかに、もしご興味がおありでしたら、どうぞお読みください。
イイダコを見かけない
いや、それほどまでに見かけない、ということはないのですよ。
時折「庵治港直送」とか「引田港直送」なんかの文字が書いてあるお魚のコーナーに行けば、ちょこんとイイダコを見かけることがあります。
イイダコ
イイダコは体長5~20cm程度の小型のタコ。
産卵期前になるとメスの胴部(頭に見えるところ)に長円形の卵が一杯に詰まり、それが米粒のように見えることから「イイ(飯)ダコ」と呼ばれています。
イイダコは水深20m位までの砂地に生息し、内湾的な環境を好むため、特に備讃瀬戸海域はイイダコの特産地となっています。
香川県では秋から初春にかけてイイダコ漁が行われるほか、レジャーとしてのイイダコ釣りも人気です。
イイ持ちのメスは独特の味わいがあり、まさに冬の香川を代表する味覚といえます。
またイイ持ちでなくとも身肉に旨みがあるため、さまざまな郷土料理に使われています。
かがわさんであれば、イイダコはとてもポピュラーな蛸で、いつでもそこにあるようなイメージです。
思い返してみれば、2月の節分の時、「さぬき丸ごと恵方巻」のマリンにも、しっかりと入っていました。
さぬきまるごと恵方巻 (左から二番目がマリン、イイダコの足が見える)
しかしながら、以前のようにパックに入ったイイダコが、スーパーの店頭にずらりと並ぶ、という光景を見かけなくなった気がします。
もしかして、イイダコってあんまりとれなくなったとか?と思い、いくつかの資料を覗いてみます。
香川県の農政水産部 水産課が出しているチラシがありました。
イイダコ釣りを楽しまれる皆様へ(チラシ)(pdf形式 544 KB)
イイダコって釣りをする方にも人気があるようで、そうした方向けに作られた資料のようです。
イイダコ釣りをする上での注意事項が記されたチラシですが、その中に資源保護の必要性に触れた内容がありました。
(香川県農政水産部 水産課のHPより一部抜粋して引用)
うむむ…、「イイダコ減少中!」本当に驚くほど減っていたようです。
10年位前までは、200トン近くも獲れていた年もあったようですが、そんなことはなかったかのような減り方です。
僕が前の記事を書いた頃は、本当に一時的に回復していた時期だったようです。
もちろん生き物なので、瀬戸内海から、どこかに移動したり、何か他の魚のエサになっていたりすることもあるのでしょうけれど、かがわのイイダコは、現在とても貴重な魚介の一つとなったようです。
しかしながら、Mのつくスーパーで、この日は「ぽんっ」と、普段からあるかのようにイイダコが売られていました。
7匹で400円をちょっと越すくらいの値段でした。
確かに以前購入した時(2013年9匹312円)に比べると、やや値段が上がっているようです。
この時期にはまだ卵は入っていないものの、かがわさんは「タコがとても好き」なようで、僕のとなりの方も1パック、2パックと次々に売れていきました。
やっぱり他の方々も「イイダコが入るのは、珍しい」という感じでした。
イイダコの下処理
ええと、僕はもしかしたらこの辺りのことを書きたくて、もう一度記事にしたのかもしれませんが、イイダコの煮付けには下処理が要ります。
僕のブログの中では、あまりこういうことを書くことはないのですが、この下にはタコの目や口ばしの画像が出てきます。
少しアップにしてしまっているので、もしかして苦手な方もいるかもしれません。
イイダコの目
もともと「すみぬき」はスーパーの方でされていましたが、目と口ばしだけは除かなければいけません。
イイダコの口ばし
大きなタコであれば、目は二つ、くちばしは一つを取り除けばよいのだけれど、イイダコは小さいし、数がたくさんあります。
今回は7匹なので、目は14回、くちばしは7回取り除きます。
まあ、慣れてくればなんでもないのですが、最初はこんな小さなのを取り除けるかな、という気持ちになります。
包丁で刳り抜く感じですが、やっていると、とても生臭い…。
「簡単レシピ」のはずですが、ここは慣れないと、とても手間がかかるところです。
何とか取り除きました。
僕が参考にしているレシピ「達人の簡単レシピ」では、先に目と口ばしを取り除いてから塩もみするのですが、これは順番が逆でもよいな、と思うところです。
次回は先に塩で揉んでから、目と口ばしを除こうと思います。
続いて、湯通ししていきます。
沸騰した湯にと冷水を用意し、「足が丸まる程度に熱」を加えます。
もう、すぐに丸まってしまいます。
慌てて、そのまま冷水へ。
表面の汚れを軽く洗います。
こうして、湯通しをした画像を見ると、ああイイダコだなあ、と思います。
僕は記事にするから、レシピに従って写真を撮るので、下処理、湯通しをきちんとするけれど、これはやはりとても面倒だから、いきなり煮付けても、ご家庭で食べる分には、全く問題ないと思います。
イイダコを煮付ける
続いて、煮付けていきます。
調味料(だし、みりん、酒、しょうゆ、砂糖)を入れた鍋にイイダコを入れて、強火にかけます。
アルミホイルで蓋をして3~4分煮立てます。
「色がついたら」とあるので、少し中を覗いて、弱火にし、さらに4、5分煮ます。
結構この最後も大事な気がするのですが、火を止めて冷ましながら味をなじませます。
もちろん熱々のうちに食べたい気もするのですが、しっかり味が「しみていく」のは、この後のようです。
かがわさんは「しゅんでいく」という言い方をする方がいて、うどん屋さんの「おでん」なんかを見て、
「こっちは味がしゅんどる、こっちはしゅんでない」
という言い方を耳にしたことがあります。
語感として「滲みていく」ということだと思うのですが、普通に会話の中で出てくると、少し驚きます。
イイダコの場合、ここで味が「しゅんでいく」ところ。
できました、完成!
では、いただきます。
箸でつまむと、ぷりぷりとした感じが指先に伝わってきます。
まだこの時期には「飯(イイ)」は入っていないけれど、噛むと弾力があって、イイダコのうま味が口の中に広がります。
もちろんビールでも、酒の肴でもよいですが、夕飯のおかずにちょこっとあっても嬉しいところです。
奥さんの反応は「まあまあ、普通のイイダコ」、子どもは「かたい、噛みきれない…」とのこと。
そうだね、これは大人の食べ物だね。
特にかがわさんや瀬戸内海にこだわらなければ、イイダコは食べられるかもしれませんが、近所の海で量が減っているというのは、これから少し意識しておきたいと思います。
確かに「飯」は美味しいから、食べてみたいという、かがわさんの気持ちもとてもよくわかるのだけれど、折角の郷土料理なので、食べ過ぎたり、獲り過ぎたりでいなくなった、ということがないよう、大事に次の世代に伝えていきたいですね。
それではレシピです。
イイダコの煮付け
調理時間15分 246kcal /1人分
材料2人分 イイダコ4匹(380g)
- だし200cc
- みりん40cc
- 酒20cc
- 砂糖20g
作り方
- イイダコを下処理する。胴の中に左手の親指を入れスミ袋と内臓をひねり出し、右手親指と人差し指でつまみとる。(イイダコはすみ抜きされたものを使用)目と口を切り取る。(←先に塩もみした方がやりやすいです。とても生臭いので注意です)
- まな板の上で塩もみし、ぬめりを流水で洗い流す。
- 湯を沸かし、湯通しする。ましが丸まったら冷水に晒し、表面の汚れを洗う。
- 鍋に湯通ししたイイダコ、だし、みりん、しょうゆ、砂糖を入れ、強火にかける。アルミホイル(落し蓋?)で蓋をして3、4分煮立てる。
- 色がついたら弱火に落とし、さらに4~5分煮る。火を止めたら、冷ましながら味をなじませる。(冷ますのがポイントです)
(達人の簡単レシピより)
最後は4コマレシピです。
もしイイダコを見かけたら、瀬戸内の恵みに感謝しながら、作ってみてください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうごいざいます。