座位保持練習の前に、手の発達を… | 肢体不自由の子どもと共に生きるのブログ

肢体不自由の子どもと共に生きるのブログ

肢体不自由の子どもと共に50年余を過ごしてきました。肢体不自由な子どもに変わり、その不自由さを知っていると自負しています。
肢体不自由に対して、私の思いや意見を記して参りますが、質問と理解できない点については、どうぞお尋ねください。

 【身体の自由が無いから、せめて手遊びができるように…?】
 “腹臥位が満足にできない肢体不自由の乳幼児に、箱椅子に座らせ、前にテーブルを置き、子どもが倒れないように子どもの後ろから支えている。そしてテーブルの上で玩具を使い手の使用を…??”
 上記のような風景は、療育施設や肢体不自由の乳幼児を治療する所で、普通に見かけられるものです。しかしこの治療の様な事が、子どもの運動発達の妨げとなっている事を保護者もセラピストも知らないとは…?
 手(上肢)の発達は、首や体幹の発達よりも少し遅れてスタートします。
 乳児は背臥位でもって、自分の顔の前に手をかざし、手を動かして光の変化を楽しんでいます。光の変化を楽しんでいるだけでなく、自分の手がどの様に動くのか・どの程度動くのか、体験して記憶しているのです。
 腹臥位になるようになると、肘立て位や腕立て位をするようになり、手でもって体重負荷を体験し、その後の座位保持や四つ這いで手を使えるように準備します。
 この準備が抜けた指導によって、床に自分で座っていられる事や、四つ這い位と四つ這い移動が難しい姿勢や移動法となるのです。
 肢体不自由の乳幼児への運動機能の指導は、定型発達児が辿る発達順でもって指導したいです。身体が不自由であっても、特別な乳児ではありません。特別な乳児でないから特別な発達もできないのです。だから定型発達児の発達順に従い、指導を進めたいです。
 背臥位や腹臥位の生活の中では、玩具などを使っての手の指導は避けたいです。体重負荷に耐える手の発達の前に、手遊びなどの作業できる手の発達を進める事によって、支えに使う手の使用ができなくなるからです。
 準備期間はその子によって異なりますが、座位保持がシッカリトできるようになる事や、四つ這いができるようになる事を求めるならば、“腹臥位が満足にできない肢体不自由の乳幼児… … 玩具を使い手の使用を…??”等の指導は発達の阻害です。
 間違いの無い指導によって、肢体不自由の乳幼児の運動機能を発達させてあげたいです。

※ 下記のアドレスに連絡いただければ、電話での問い合わせも可能になります。電話やメールでの問い合わせには、一切費用はかかりません。
※ 悩みや困っている事をお寄せください。お寄せいただくには、メールでお願いいたします。
 アドレス→training@xpost.plala.or.jpにお願いします。trainingをls-ccに書き換えてお願いします。