ワクワクする日常のはじまり。関ゆみ子「ゆめいっぱい」 | よねともが気ままに思うブログ

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本日は関ゆみ子「ゆめいっぱい」(1990年リリース) です。




まずはこの曲を歌っている関ゆみ子さんについて。関さんはカナダ出身のシンガー・ソングライターで、1987年にビーイングのオーディションに合格したことでプロ入りを果たします。


関ゆみ子さん。現在は有馬ゆみことして活動している。

とはいえ、1987年の合格から3年ほどはプロデビューを果たすことが出来ず、ボイストレーニングを行う日々が続いていました。そして1990年にこの「ゆめいっぱい」でプロデビューを果たします。この「ゆめいっぱい」ではスマッシュヒットしますが、その後の作品ではなかなかヒット作が生まれず、「関有美子」(櫻坂46に在籍したアイドルとは全く関係なし) →「瀬木佑未子」と名義を変えながら曲を発表したり、「瀬木佑未子」時代にはMi-KeやBAADなどのビーイングミュージシャンに曲提供を行うなどしていました。その後は「有馬ゆみこ」に改名してビーイングから離れた際に、舞台に出演したことがきっかけで、数多くの舞台に出演する女優業や、ナレーターなどの活動も始め、ラジオ番組でのパーソナリティーなど、多岐に渡って活動を続けています。歌手としては現在も続けており、2021年には「ゆめいっぱい」を新たなアレンジでセルフカバーをし、話題となりました。

そんな関さんによる「ゆめいっぱい」ですが、この曲は現在も放送しているフジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」の初代オープニングテーマとして書き下ろされました。



「ちびまる子ちゃん」。上は第一期のもので、漫画原作に近いタッチで描かれている。下が現在のパブリックイメージとなる第二期。

「ちびまる子ちゃん」は1990年1月にスタートしており、現在も日曜夕方に放送されている長寿アニメ番組の一つとして知られていますが、実は「ちびまる子ちゃん」は1度、放送を終了しており、その後に放送を再びスタートしています。「ちびまる子ちゃん」の原作者であるさくらももこさんがアニメスタート時の条件として、「どんなに作品でも、良い状態で続けられるのは3年、それ以上無理に続けても作品の質が落ちるだけ」という考えから1992年9月に1度、放送を終了しました。しかし、終了を惜しむ声が多かったこともあり、さくらさんの考えが変わって1995年1月に再び放送をスタートさせ、現在に至っています。

そのさくらさんはこのアニメ版においても深く関与しており、脚本を担当したり主題歌の作詞を手掛けていました。B.B.クィーンズの「おどるポンポコリン」はもはや有名ですが、以前投稿した渡辺満里奈さんが歌唱し、大瀧詠一さんが作曲を手掛けた「うれしい予感」、桑田佳祐さんが歌唱した「100万年の幸せ!!」もさくらさんによる作詞です。しかし、この「ゆめいっぱい」は主題歌で唯一、さくらさんによる作詞ではありません。作詞を手掛けたのはTUBEなどの歌詞を手掛けた亜蘭知子さんでした。

亜蘭さんが書いた歌詞は、ワクワク・ドキドキするような幼い少女の楽しい感情を思い切り出したものとなっています。

楽しいことならいっぱい
夢見ることなら めいっぱい

楽しいことは当然ながらワクワクしますが、色んな夢を見ることはもっとワクワクします。今日はどんな夢を見るのか、楽しくなりますね。

今すぐおしゃれに着替えて 友だち探しに行こうよ

わたしの自慢の服を着て、色んな場所に行って友だちを探しにいきます。これもまたワクワクしますね。

青空続く坂道 息せきかけてくあの娘(こ)はだあれ?

青空へと続く長い坂道。わたしが出会ったのは息も絶え絶えになりそうになりながら坂道をかけてく一人の女の子。わたしはどんな子なのか気になっているようです。

忘れてた宝物見つけたよ
切り取った時間の片隅

友だちという大切な宝物を見つけたわたし。この友だちと過ごす時間は、想い出という大切な時間としてわたしの中に残ります。

夕焼け 草原 風の匂い
笑顔の魔法を教えて

わたしの心に残る、大切な場所。そこでもっと楽しくなるような「おまじない」をわたしに教えて!と言っています。

元気になろうよ いっぱい
キラキラしようよ めいっぱい

一生に一度の人生。元気に遊ぶことも、おしゃれをめいっぱい楽しむことも大事です。

ハリキリ 翼を広げて
ペチャクチャおしゃべりしようよ

そして友だちと話す「なんてことない」おしゃべりも、わたしにとって楽しいひとときなのです。

作曲・編曲は織田哲郎さんによるものです。織田さんは「おどるポンポコリン」の作曲と同時にこの曲の作曲を依頼されたそうで、2曲を制作するのに「ちびまる子ちゃん」の単行本を全て購入して読んだそうで、読んだ際にイメージした「変なところ」「ナンセンスなギャグ」「毒がある」というイメージを「おどるポンポコリン」に込め、「ピュアな部分」「ノスタルジックな部分」をこの「ゆめいっぱい」に込めて作ったといいます。その為、とても明るいポップスでありながら、アコースティック・ギターを用いた何処か懐かしさを持ち合わせた、上質なポップスソングとなっています。シンセサイザーやサックス・ソロなどかなり明るいサウンドとなっており、「アレンジャー・織田哲郎」の職人ぶりを堪能できます。ちなみにですが、関さんと織田さんは「従兄弟」だそうで、オーディションで合格した資料を織田さんが見てビックリしたそうです。

ワクワクする物語、そして少女の日常を描いた作品のはじまり。それに相応しいオープニングテーマであることに間違いありません。



そしてこちらは2021年に新録したセルフカバー。アレンジャーは別の方ですが、あまりオリジナルと変化はそこまで無いので、オリジナル好きな方でも違和感なく聴けます。(ちょっとロック色が強い) 宜しければこちらもどうぞ。



過去の「ちびまる子ちゃん」主題歌はこちらから。