心の風景 車中生活の人々 道の駅駐車場の片隅で | 南 の 島 か ら の 日 誌

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車中生活の人々 道の駅駐車場の片隅で 

 

先日 3か月前NHKで放送され録画していた番組を再生してみました 

2月15日(土)に放送されたNHKスペシャル「車中の人々〜駐車場の片隅で〜」

久しぶりに現在の日本社会の「貧困」の断面に切り込んだドキュメンタリーでした

 

NHKが日本全国の千を越える道の駅をすべて調査したところ

そのうちの29%で、車中生活者と思われる人々の車があったとのこと

全国300か所の道の駅駐車場で何らかの車中生活者を見たのは驚きです

全国では5年間で車中生活者の死亡が12件確認されたとも

 

社会問題に直面した暮らしを送る人たちの存在を知ると

「自己責任」だとか 「もっとなんとかなっただろ」とか

本人に知恵がないだけ」……と言う人もいると思いますが

 

分かれ道の 道を選び間違えると

「自分もこうなっていたかもしれない」 と思うと怖くなってきます

こういう現実があるということを知識として知っておくことは

何かの意味があると思うのです

 

多くの人に見てほしい番組でした

2020年2月15日(土) NHKスペシャル「車中の人々〜駐車場の片隅で〜」

午後9時00分~9時49分

NHKスタッフ取材班の記事を編集して記しておきます

 

 

 

 

(取材・文:NHKスペシャル“車中の人々 駐車場の片隅で”取材班/編集:Yahoo!ニュース 特集編集部)

 

私たちに身近な「道の駅」。        実は夜になると様相が一変する。

片隅に目立つのは目張りをした数々の車。

長期にわたり駐車場を転々とする「車中生活者」の車だ。

 

レジャー目的とは違い 「年金だけでは家賃が払えない」  「DVから逃れるため」 など、

それぞれに深刻な事情を抱えていた。

小さな車に家財道具を満載し、狭い車内で身体を丸めて眠りにつく。

 

公式な統計はなく、NHKが全国の道の駅などを独自に徹底調査。

すると、車中生活の末、体を壊し、命を落とす事例も出てきていることがわかった。

ある道の駅の従業員は 「もはや車中生活者の死を珍しいと思わなくなった」 と明かす。

 

一方で車中生活者=貧困と、ひとくくりにできない一面も浮かび上がってきた。

ふとしたきっかけで社会や家族から逃避し 「車という逃げ場」に駆け込み、安住する人々がいた。
社会から離れ 彷徨い続ける車中生活者。

その存在は社会の何を反映しているのか? 徹底した現場ルポで迫る。

 

 

 

長期に渡る車中での生活の果てに、亡くなった人がいるという事例をきっかけに、

全国の道の駅を取材

すると、さまざまな事情を抱え、否応なく車で暮らさざるを得なくなった“車中生活者”が、

数多くいることが明らかになった。

 

事情があって長期間、車で生活する人たちが相当数に上ることがわかってきた。

年齢層もバラバラで切実な声を拾っていた。

 

若い女性 

「事情があって(会社の寮を)出なきゃいけなくて家がない」。

20代の男性

 「友だちゼロで彼女もいない。人間関係は難しい」

60代男性

「布団で死にたいね。やっぱ最後は・・・」

 生きる場所が車しかない、と口々に語る人々。

60代女性

「リストラで家を失ったり仕事を失ったりして車があることでなんとか生活できる」

50代男性

「一日一日さまよっていた。次の日はどうなるか分からない、どこかでのたれ死ぬかもしれない」

30代男性

「どこにも行けないし、誰にも相談できなかった。

正直、自分の気持ちもよくわからない。生きたいのか、生きたくないのか」

 

「今夜も駐車場の片隅で、人知れず、生きる人たちがいる。」

 

 

経済的な困窮、住む家を失った、家庭の問題、人間関係の挫折…。

誰にも知られることなく、駐車場の片隅で生きる人々に密着取材。

ひとりひとりの人生から見えてきた 「現代社会」の姿とは―。

 

 

 

 

私たちの身近にある 「道の駅」。

日中は多くの人でにぎわう憩いの場だが、夜になると別の顔を見せる。

駐車場の片隅で目立つのは、ガラスに目隠しをした車。

その多くはレジャー目的だが、なかには長期にわたり、

道の駅の駐車場を転々とする 「車中生活者」がいる。

 

それぞれに異なる深刻な事情を抱えた彼らは、今日も狭い車内で眠りにつく。

社会から離れ、遠ざかるように暮らす車中生活者たち――。

彼らの姿は、社会に何を問いかけるのか。  半年にわたって取材した。

(取材・文:NHKスペシャル“車中の人々 駐車場の片隅で”取材班/編集:Yahoo!ニュース 特集編集部)

 

取材のきっかけは、昨年夏。群馬県で暮らしていたある女性の死だった。

「3世代 1年車上生活か」

女性は娘と孫の3人で、1年にわたって軽乗用車の中で暮らしていた。

軽乗用車をどこに止めていたのか。

家族の足取りを追っていくうち、居場所の一つとして浮上したのが、埼玉県内の道の駅だった。

取材を続けていくと あることに気づいた。

 

 

深夜の道の駐車場

 

全国29%の道の駅で

売店や食堂の営業が終了した深夜。

閑散とし始めた道の駅の駐車場に、長距離トラックやキャンピングカーなど何台かの車が止まっていた

ここまではいつもと同じ景色だが、しばらく眺めていると、明らかに様子の違う車がいることがわかる。

その見た目は似ている。後部座席に日用品が満載されている。

またフロントガラスは目隠しで覆われ、外から見えないようになっていることが多い。

 

数週間にわたって取材を続けていくと、こうした車は1台や2台ではないことがわかってきた。

この道の駅では、多い日で1日10台近い車が夜を明かしていた。道の駅の職員はこう話した。

「どんな生活をしているのか、なぜ車で暮らしているのかはわかりません。

ただ、道の駅で働く私たちにとっては、珍しい存在ではありません」

 

 

(提供:NHKスペシャル

 

 

しかし車中生活者の車は、駐車場の隅っこや店舗から少し離れた第2駐車場などに止まっていることが多い。

日中はショッピングモールや公園などで過ごし、夜になると車を止めに来るという。

 

 

彼らはなぜ、車中生活を選ぶのか。ここに至るまで、どんな生活を送ってきたのか。

それを知るための車中生活者への取材は容易ではなかった。

 

そんななかでも、話を聞かせてくれる車中生活者がいた。

 

群馬県の道の駅で66歳の男性と出会った。何度も通ううちに、男性は口を開いてくれた。

「ここで生活して、1年近くになるかな」

人目を忍んでいるのか、男性の軽乗用車は店舗からもっとも離れた場所に止められていた。

 

ドアを開け、車内を見せてくれた。

内部は整理整頓されていて、「寝室兼リビング」にあたる後部座席には座椅子があり、寝袋もあった。

男性は「足を伸ばして寝ることはできないね」と言った。

最後部の荷台部分には、カセットコンロや鍋、調味料などが置かれている。

米を炊くこともあれば、スーパーで買ってきたラーメンを煮炊きし、自炊をすることもあるという。

 

男性が車中生活者になったのは1年半ほど前。

長距離トラックの運転手を30年以上続けてきたが、失職をした。

貯金はなく、収入は1ヵ月あたり10万円ほどの年金。頼れる家族・親族はいない。

家賃も払えなくなり、車での生活が始まった。

 

この1年半で体重は30キロ近く減った。苦しい暮らしぶりのなか、

市役所で生活保護の相談をしたこともある。

しかし、返ってきた答えはこうだった。

「自家用車を持っていますよね、却下します」

 

車を手放せば、生活保護を受けられる可能性はある。

しかし、そう簡単に踏み切れない事情がある。

地方では、車がなければどこにも行けない。

家がないから寝る場所にも困ってしまうし、

仕事が見つかって復職するときにも職場に向かう手段として車は要る。

簡単に手放せないのだ。

 

男性は、車の奥にしまってある写真を見せてくれた。

「別府温泉です。妻と撮ったツーショット写真もありますよ」

子どものいなかった夫婦の趣味は旅行。休日はよく車で出かけた。

ところが7年前に妻は他界。この車には亡き妻との思い出もつまっている。

 

 

 

朝、トイレでドライヤーをかける

車中生活者のなかには女性もいる。舞台は北陸へと飛ぶ。

冬になれば、例年30センチ以上の積雪がある地域。田んぼに囲まれた道の駅で、40代女性は暮らしていた。

話しかけると、一瞬驚いた様子を見せたが、意外にも気さくに答えてくれた。

 

「この暮らしを始めてから3年が経ちます」

女性の住まいは軽乗用車。後輪が沈みこむほど、座席に荷物を積みこんでいるのが外から見てもわかる。

日中は近隣にある公園の駐車場で過ごし、夜になると道の駅に戻る。

その後、夜明け近くになると再び公園に向かう。そんな独特の生活サイクルを送っていた。

 

女性はこの件について多くは語らなかったものの、

車を止めている場所から思いが透けて見えるようだった。

道の駅で、女性が車を止めているのは夜間でも照明のよく当たる場所。

人目につきやすい、明るい、安全な場所で夜を明かしたい。

その一方では長い時間いることで目立ちたくない――そんな葛藤が伝わってきた。

 

そんな40代女性の一日は身だしなみを整えるところから始まる。

まだ暗い駐車場を歩いて、道の駅のトイレに向かう。

いつも決まって、道の駅の職員が出勤する前に行うルーティンだ。

 

身だしなみを整える40代女性(提供:NHKスペシャル)

 

 

季節は冬。身を切るような寒さのなか、冷たいトイレの手洗い場で顔を洗う。その後、髪を濡らす。

ドライヤーをコンセントに差し、髪を乾かし整える。女性はこれまでの人生をこう話すのだった。

「地元から出たことはほとんどありません」

 

20代のころ、結婚をした。その後離婚し、実家に戻ると父親との関係に苦しむようになったという。

「働け」「家に金を入れろ」

大きな声を出されるのが嫌だった。家にいたくない、家にいられないと思い、車に逃げこんだ。

女性の話によると、精神疾患を患っていて、働ける状態にはない。

車内を見せてもらうと、大量の荷物の大半は衣類。女性はこう言うのだった。

 

「身だしなみには気を使いたいんです」

さらにこう続けた。

「働こうにも働けないし、実家に帰ろうにも父親が怖いから帰れない。ここにいるしかないんです」

 

働けなくなったことから車中生活者となった高齢男性。

複雑な家族関係から車中生活に逃げこんだ女性。

全国で取材を続けるうちに、

車中生活者が抱える問題は千差万別だということが見えてくる。

 

誰の身に起きてもおかしくはない

ある男性は仕事を失ったことで車中生活を始めたが、

車検が切れてしまい、道の駅から車を出せなくなってしまった。

病気を抱えた男性は、入院費用を工面できないからと病院近くの道の駅で車中生活をしていた。

一方、全国各地を回る塗装工の男性は、生活のため道の駅を車で転々としていた。

 

失職、病気、人間関係のもつれなどが発端で、家族や社会、セーフティーネットから落ちてしまう。

その結果、車中生活を送らざるを得なくなってしまった人たち。

 

実は、ボタンのかけ違いで誰の身に起きてもおかしくないことであるようにも感じた。

 

 

(提供:NHKスペシャル)

 

2月。群馬県のある道の駅。今年は暖冬といわれたが、

この日に限れば気温は0度近くまで下がり、体の芯から冷え込むような日になった。

日が暮れて、店舗の営業が終了する頃になった。

この日も車中生活者とみられる車が何台も集まってきた。

各地を転々とする車中生活者も珍しくない。

 

昨年夏にいた車が姿を消していた一方で、新たな車も加わっていた。

車中生活とみられる車はどれもエンジンを切っていて、暖房をかけていない。

窓ガラスに目隠しをし、真冬の寒さをじっと耐え忍んでいるように見えた。

駐車場の隅を見た。

どの車からも遠い、離れた場所に1台の軽乗用車が止まっていることに気づいた。

サイドミラーは壊れ、タイヤはパンクしている。

これでは走行などできないだろう。

窓の隙間から車内をのぞくと、生活ゴミに交じって布団や衣類が見える。

長い時間、ここで過ごした形跡がある。

道の駅からは、長期間の駐車に対する注意を促す張り紙がしてあって、

張り紙はそのままになっている。

 

持ち主がどんな人生を過ごし、暮らしてきたのか。車が語ることはない。

 

 

行き場を失った人々は昔からいる

路上や公園での野宿の人たちがそうした人たちだ

 

ネットカフェという現代風の施設を使っているだけで

ホームレスであることに変わりなく

この車中生活者も それは形を変えたホームレスなのだ

 

こういう現実があるということを知っておくことは大事なことではないだろうか

 

この放送での彼らたちと私との

生活環境を考えると

家族の絆をすべて断ち 一人ぽっち 生活費は国民年金暮らし

むしろ彼らより 悪かったのでは

 

分かれ道の 道を選び間違えることなく 最善の道を歩き

路上や公園での野宿 ネットカフェ暮らし 車中生活者にはならなかった

 

いま 残り人生を 誰よりも謳歌している

 

私はつくづく思う   

 

幸運に恵まれた 三人との出逢いを感謝せずにはいられない

 

 

 

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