怪談サークル とうもろこしの会 -275ページ目

11/21


なんとか青森につく。
ここはもう一面の銀世界だ。まだ11月だというのに。


$怪談サークル とうもろこしの会



岩木山神社→スペース21(廃墟)→赤倉霊場→川倉賽の河原地蔵尊→[昼食:十三湖特産のしじみを喰う」→今泉賽の河原地蔵尊→高山稲荷神社

というルートを通る。
しかし途中のスペース21という廃墟が、いくら探しても無い。りんご畑の間を縫って探しまくる。かなり大きいスキー施設の廃墟らしいので、遠くからでも見えないはずがない。
「これはもう取り壊されたってことですね」
という結論にたどり着くが、コイデさんがとり憑かれたように探すのを止めない。だんだん僕もチックも怖くなってくる。ただまあ、ここはまだ車での探索だったので特に問題はなかった。
この後の赤倉霊場でも、コイデさんは一人で憑かれたように雪山の道なき道を走り回っていた。赤倉霊場というのはただ山の中に幾つも小さな掘立小屋(修行用の)があるだけなので、雪山を探し回ったところで見つけるのはタダの小さくてボロい小屋だけである。そこまで必死になる意味が分からない。本当にとり憑かれてるっぽいと判断した僕たちは、途中で附いていくのを止めて「もう見捨てよう」と、黙って麓まで引き返してしまった。
幸い無事に戻ってきたので3人で昼食。十三湖はしじみが特産ということなので、しじみラーメンやしじみの味噌煮などを食べる。大きさも味も、まったく東京のスーパーで買うのとの違いが分からなかった。それでも皆大人だったので「やっぱり本場は美味いね」「さすがだね」と食べていたが、お互い嘘をついていることはお互いが分かっていた。

川倉賽の河原と高山稲荷はスゴかった。

宿もスゴかった。宿というよりは研修施設なのだが、台所がもう大きなレストランの厨房である。本当に何でも揃っていて、食材さえあれば中華もフランス料理もそば打ちも何でも出来る。今回は自炊宿に泊まるというテーマだったので、まさにうってつけであった。キムチ鍋と、よく分からない名前の魚をいくつか刺身にして食べる。アジっぽいけどアジより美味い刺身があったが、ものすごく覚えにくい名前だったので、もう何だったのかが分からない。

夜に五所川原駅でタカノさんと合流する。

11/20


夜の10時に赤羽に集合して、青森県は津軽半島を目指す。
一晩で680kmを走る、弾丸ツアーというやつだ。
本来なら4人で代わる代わる運転するはずだったのだが
タカノさんは後から新幹線で追いかけることになり、
チックは一年半も運転してないから怖いと言い出したため
結局、ほとんどの道のりは僕とコイデさんの二人でこなすこととなった。
それでもさすがに深夜ということもありキツいので
東北に入ったあたり、高速も空いてきたのでチックに交代してもらう。
少し雪と風が強いが、まあ大丈夫だろう。
多少間があいたからって、運転なんてものはすぐに慣れを取り戻すものだ。
嫌がるチックを無理にハンドルを握らせ、サービスエリアから雪風舞う高速に乗り出す。
走行していると、やけにカクンカクンと車体が揺れている。
2,3km走ったところで異変に気付く僕とコイデさん。
車線の変更もおぼつかないし、サイドミラーを見ることもしない。
そして雪の高速なのに急ブレーキを踏むという恐怖運転。
いくら一年半のブランクがあるといっても、これは。
いったい、いつ運転免許をとったのか尋ねてみた。
「一年半前です」
前のめりに固まってハンドルを握りしめながら、チックが答える。
「はい、運転はこれが3回目です」
怒声とも悲鳴ともつかない叫び声が車内に響いた。
外はすでに吹雪といえるほどに強くなっている。
フロントガラスに叩きつける雪の間を縫って、少し先の道路が完全に凍りついているのが見えた。


第32回 「仏陀再誕とかその他の話題」

更新しました。

ゲスト:今仁副会長

大ヒット映画『仏陀再誕』について語っております。けっこう細かくストーリーを語っているのでネタバレバリバリです。将来的に入会してDVDを見ようと思ってる方はご注意!