2000.11.30 アテネ
朝早くに目がさめた。
部屋のベッドで寝ころんでごろごろしていると、窓からミナレットがちょうど見える。
まだ暗い中にぼんやりとたたずんでいる様子がきれいだとおもう。
今日は早朝6時半のバスで空港に向かう予定になっている。
少し前にいくとすでにバスが来ていた。
YHのフロントで預かってもらっていた貴重品を受け取り、いざ空港へ向かう。
空港への道は昨日ともちろん同じ、昨日は遅れてしまったけど今日は早すぎるくらいの時間に到着。
持て余す時間を空港内のお店でトルコリラを使い切るべく買い物し、いざゲートへ向かう。
おなかがすいたな、と思ったら機内食がでたので安心。
アテネまではちょうど1時間のフライト。
窓側の席で見下ろす風景がいい。
エーゲ海がすごくきれい。
久しぶりにこんなきれいな海をみる。
ギリシャといえばエーゲ海クルーズだな、と思いつつもギリシャに来たのは日本に向けてのエアーチケットがアテネ発だからという理由。
とにかく旅のゴール地点なのだ、クルーズが楽しめないのが残念。
さて、到着したのはいいが国際空港といえどもローカルな雰囲気の空港だった。
伊丹空港のほうが数段立派、インフォメーションもなく心細くなる。
聞けば空港は二つあるらしく大きい方の空港へひとまず移動する。
シャトルバスで15分くらい、とかなり離れている。
ついたターミナルはたくさんの人でにぎわっていてちょっとほっとする。
まずは案内所で宿探し。
一泊だけなので中心部に近い所をリクエスト。
たくさん両替しすぎたので最後の訪問国だし、何か買いたいっと購買欲がわいてきた。
宿までタクシーで行くというと案内所のスタッフが料金の相場を教えてくれた。
外に出たところですぐにタクシーがつかまる。
なかなかいいいドライバーで、走っている間もここらへんでマラソンが行われたとか日本のタクシーってどう?だとか結構会話が弾む。
無事ホテルに到着し、ひとまずは休憩。
シングルルームなので荷物を散らかしても安心。
さて、本日がこの旅最後となる。
あっという間だと思いつつせっかくだしのんびりとアテネ観光に、とアクロポリス目指す。
ホテルを出るといろいろ道が入り組んでいるけど、地図なしでもなんとか歩いていける。
というか入り組んだ道をうろちょろするのって楽しい。
丘は小高いのでそちらを目指すと石畳におみやげ物屋さんが並んでいる通りに出たり。
道なりに歩くとちょっと迷いながらも丘がわへ出る。
すると観光ロードが広がっており眼下にアテネの街や遺跡が広がる。
いい眺めだと思いつつ、まずは頂上を目指す。
ところどころ教会らしき建物に出くわす。
モスクっぽい屋根を煉瓦で造ってあり、上にちょこんとあるクロスが素敵。
さて、頂上に行くには途中から入場料を取られる。
太陽がまぶしいが、がんばって上まで歩く。
なだらかなのでそんなにきつくはない。
なによりも目の前にあるパルテノン神殿が美しい。
けど神殿を補強するためか工事中なのか、はしげたがめぐらされている部分があったりしてがっかり。
思っていたものとちょっと違う。
ちなみに中には博物館もあり入場する。
内容はいまいちだけど、とにかく眺望がいい。
アテネの街ってこんなに広いんだと思った、もっと小さな街かと思っていた。
しばらく周辺をうろちょろとしながらちょっと休憩。
それから下におりる。
途中円形の劇場が広がっておりところどころ足を止めながら街におりる。
途中のビュースポットでコンスタンティーノさんというギリシャ人と出会う。
えらく物知りでいろいろと教えていただく。
まあ、私から話しかけてお友達になったのだけど一緒に街歩きしようと向こうから誘ってくれたので一緒に観光。
まずは近くに大学があるというので行く。
それからアテネの由来や神話についてをいろいろと講義いただく。
私は今日一泊のみで明日には日本にむけて発つというとびっくりしていた。
どの街でもみんな言うことだけど、「この町はいいところだからもっとゆっくりすべしっ」というようなことを言う。
ただ、今日一日でアテネを満喫できるように、とマイカーを出してくれることになった。
まずは近くにある教会へ。
キリスト教会は内部にデコレーションをして外観は質素にするというのがギリシャ風だという。
確かに目にする建物はこれが?と思うほど、外観は普通の家のような造りばかり。
彼のセカンドカーだというホンダの車で神殿・アテネ大学・オリンピックスタジアム・もうひとつの丘と観光。
最後に岬まで行こうということになって車をとばしたけど、到着したときは日没後であたりはまっくら。
普段はライトアップされていて、いいところらしいんだけど残念だった。
ニューシティに家があるというのでおじゃましてギリシャ料理らしきチキン+ギリシャワインらしきウノというお酒をいただく。
聞くとドクターだというからやっぱりお金持ちなのだ。
彼自身旅が好きで、オフの時はたまにアテネの街をぶらぶらするのが趣味だという。
オリンピックの年にまたきたいなって思った。
というのもロドス島に実家があってクルーズもいいよ~とおすすめされたのが大きな理由。
ウッディアレン風のおしゃべりも聞いていて楽しい。
帰りはホテルまでちゃんと送ってくれていい人だった。
やはり、こちらから話しかけて仲良くなった人にあやしい人はいないと実感。
2000.11.29 イスタンブール
バスでの夜行はあまり眠れない。
隣の席のおばさんは親切な人だった。
けど隣に人がいるともちろん座席は一人分しかつかえないわけで、ずばりせまい。
ところで朝から問題発生。
うとうとしつつ目をさましたらなんとバスが遅れている。
バスターミナルについたのが9時45分、フライト時刻は10時5分。
どう考えても間に合わないだろうけどとりあえずタクシーに飛び乗る。
私の様子をさっしてか思いっきりスピードをとばしてくれるタクシーのおじさん、バスもこれくらいがんばってほしかったと思いつつ空港着。
もちろん飛行機に乗り遅れてしまった。
仕方ない、とりあえず次の便・・・と思ったら明日までないというではないか。
とりあえず明日の分のチケットに変更してもらい、またYHにお世話になることに。
YHのスタッフはこの町が気にいったの?と言う様子だった。
YHの近くにエアーチケットを手配してもらった旅行代理店があったので訳を話してみた。
するとびっくりしてなにやらいろいろ問い合わせてくれた。
なんでも昨日は途中雪がふっていたので高速を使えずにバスの到着が遅れてしまったということらしい。
それにしてもバスの添乗員のお姉さんはそんなこと一言もいってなかったな。
なんだかんだといいながらほっと落ち着いたのが12時すぎ。
イスタンブールは今日は雨、なんかお出かけ気分じゃないのでとりあえずここでずっと行きつけとなっていたケバブやさんに行く。
おじさんは「トモ!!」と私の名前を覚えてくれていたのがうれしい。
「この前でお別れだと思っていたのにどうしたの?」ということでまたまた訳をアレコレ話す。
とにかく定番メニューを食べながらちょっとひと休み。
こんな日はのんびり美術鑑賞がいい、と思いトルコ・イスラム美術館へ。
案の定人があまりいなくて落ち着けそう。
誰もいないところで見るカレンダーのようかコーランのような、そんな文字がアートに見えた。
絨毯もたくさん飾られていたけどお店なんかに飾られているもののほうがキレイで素敵に見えてしまった。
博物館好きの私としてはついでにモザイク博物館にもいってみたいな、と思い向かう。
通りを歩いていると例のごとくいろいろと声をかけられる。
ブルーモスクは只今おいのり中だから入れないけどきれいなところだから機会をみつけて行ってみたらどうだ?などなど、なんだかおせっかいな人達だ。
でもそんな人たちがうようよいるおかげでこの町で道に迷うことはない
。たどり着いた博物館はまず、どんとグランドパレスのモザイクが残っており、あと小さいのがところどころ壁にかけてあった。
猿が木から棒で何かとろうとしている絵が興味深かった。
いろいろときれいなモザイクが残っていてじっくりと鑑賞。
ここも人が少なくてマイペースで見てまわれる。
それから時間があったのでグランドバザールへいく。
ここをうろうろしながら旅ももう少しで終わることだし、最後に記念に何か買ってもいいかな、といろいろと物色。
しおりやブレスレットや置物などなどいろいろある。
けどこの4ヶ月、生活必需品以外に物を購入するということをほとんどしなかったためか、すっかり物欲がなくなっていて何を買っていいやら。
まあ、別に無理して何か買うこともないか、と思っていたらかわいいバッグを発見。
ポシェットタイプできれいなブルーでいろいろ模様が入っている布製。
思わず手にとって熱心に見ていたら店員がかたことの日本語でいろいろと話しかけてくる。
私が関西出身だというと、なんと阪神百貨店と取引しているといっていた。
本当かな~、でも手に取ったときから「これ、買おう!」と心に決めていたのでてきとうに相づちをうちながら値段交渉。
25ドルが15ドルになってうれしい。
バザールを出たところでちょっと疲れたので近くにあるプディングショップへ。
ここでチャイを飲む。
相変わらず濃いお茶だな。
ここのお店の店員もフレンドリーだ。
ただ、私はお茶を飲みたかっただけで他に何も頼まなかったんだけどその様子を見て「ラマダンだからか?」といわれてびっくり。
お茶だけ飲むって変なことなのかな、と思った。
一旦YHに戻ってちょっと一休み。
部屋には誰もいなくて寂しい。
で、おなかが減ったので夕食を食べに行く。
いつも同じ店はおもしろくないなー、と思いきって違う店にはいってみた。
けど、お客は私一人で寂しいおみせ、失敗。水+ライス+ケバブをさっと食べてすぐに出ることに。
店員も心なしか暗い感じの人だった。
で、通りを歩きながら昼間に行ったお店の前を通ると、なんとおじさんが私を見つけてでてきてくれた。
最後の夜ならまた寄って行け、とお茶をごちそうに。
アップルティーとトルココーヒーをいただく。
どちらもおいしい。
トルココーヒーはどろっとしていて少々粉っぽいけどコレはコレで私は結構好きになった。
ちなみに上づみだけを飲むらしい。
途中で停電したのでびっくりしたけど周りはそんなに騒ぐこともなく平然としていた、よくあることなのかしら。
今日は早めにYHに戻り、シャワーをあびて10時には就寝。
2000.11.28 カッパドギア
朝ご飯を食べにレストランへ行こうとすると隣からちょうどスティーブさんとネオさんが出てきてご一緒する。
朝から奥様のネオさまは元気はつらつ。
只今ここトルコはラマダン。
断食中で日中日が昇っている間だけ食事をとれるらしい(逆かも)けどスウェーデンだとか北欧の日が短い国だと大変だーなんていいあう。
とにかく元気にジョークをとばしていた。
とっても仲のいいカップルでこんな雰囲気でトルコをめぐるって楽しそうだなって思った。
さてツアーバスが9時半にやってくる予定。
大急ぎで身支度してバスへ乗り込む。
本日はトルコ人夫婦と台湾人女性とオーストラリア人、それに昨日のメンバー。
台湾人女性というのがかなりパワフルな人で今日も楽しくなりそう。
まずはビョメレ博物館へ行く。
教会が洞窟の中にたくさんあり、神学校だったらしい。
アップル教会では壁のフレスコ画がきれいだった。
絵がモダンなキュートなものに見えた。
ただ風がものすごくあり、寒い。
ここから見渡す風景がまさしく荒野で、でもさびれた気がしないところ。
ネオさんによるとスターウォーズのロケもここらへんで行われたとか。
オーストリア人は高いところが好きなようでしきりといろんな高い所に登っていた。
ガイドさんは英語、日本語、トルコ語で解説していて感心。
ここが台所で、こっちが寝るところで、ここがダイニングで、などなどいろいろと説明してくれるけど私から見ると全て洞穴。
小物とかが飾ってあるとイメージがわくのかもしれないけど、古代遺跡をみているようで想像しにくい。
ここで2時間くらい過ごす。
出たところにラクダがいたけど、写真だけでも1ドルとさかんに言っていた。
うじゃうじゃある土産物屋をひやかし、次はキノコ岩みたいなのがたくさんあるところへ行く。
ポリスまで岩の中にあるところ。
上に岩をぽんとおいたかんじで不思議、でも岩が浸食していって上部分のみが残り不思議な形になったという。
写真を数枚とり、一つ入ってみる。
上に登るのに、途中階段がなく怖かった。
がんばって登った割には上からの眺めは普通。
とりあえず登りましたという満足感だけが残った、いい運動。
それから本日のランチにむかう。
レストランはこぎれいなところで、ボリューム感のあるメニュー。
サラダ+スープ+デザート+水+ライス+ハンバーグで動けないくらい食べる。
ツアーメンバーはみんなノリがよく台湾人女性にいたってはうるさいほど。
ちょっと迷惑そうなオーストリア人の反応が見ていておかしかった。
おなかいっぱいになったところで次は丘にいく。
ここはおみやげ物屋さんなど何もないところで、ただきのこ岩がたくさん見渡せる風景が広がっているところ。
ピンク色の岩が連なっていてそれにきのこ岩があり、見ていてきれいなところ。
風が吹き荒れる中、どこからともなく犬が現れる。
誰も声をださなかったら車の音も聞こえないくらい自然な雰囲気な場所。
地球はここのようにまだまだ広く、いろんなところがあるんだと思った。
いいところに連れてきていただいたわ、と満足していたらお次は土産物やさん。
お皿のお店で、おじさんがポットを作るデモンストレーションを行っていた。
私はお茶がのみたかったので、ゆっくりとお茶をいただきおトイレへ。
出てきたところでお皿の解説が始まっていたのでじっくりと耳を傾ける。
スペインだとかのものとまた違ったもので、これはこれで素敵だと思う。
ヨーロッパは日本と違って、壁にお皿をよくかざると思った。
トルコのあおい模様がきれい。
それからお城があるというところへ行く。
ところが、なんと閉まっているではないか!
ガイドさんが鍵をもらいに行ったけど結局中に入っちゃダメらしく周辺をうろうろ。
入れない理由はなんなのか謎だけどガイドさん、事前にそこらへんは調べとかないのかな・・・。
ただ、ここらは現在も人がすんでおり、牛やラクダのにおいがする。
どこからともなく子供の声も聞こえてきてほのぼのムード。
さてツアー終了後、オフィスへ。
私は今夜夜行バスでイスタンブールへ戻る予定。
それまで時間があるのでオフィスでのんびりすごす。
ついでに夕食までいただく、アットホームな会社だな。
メニューはナンのようなパンとサラダとチキンにデザート。
このデザートがえらく甘い。
バスは8時なのでそれまで若いお兄さんガイドとしばしお話。
なんでもつい先日彼女と別れたという。
偉く落ち込んでいるところその彼女から電話があって、でもすぐに切ってしまって~。
どっどうなっているのだか・・・。
とってもお金持ちの令嬢らしく、ご両親が反対して破談となったという話だと思う。
挙げ句の果てに彼女の写真を破って灰皿のうえでもやし出すし、悩める若者はどこの国もおなじだな、なんて思う。
と、恋愛で頭を悩ましながらも私を夜行バス乗り場まで案内するというお仕事はきっちりとしてくれてよかった。