2024年6月マンスリー:G7で孤立する日銀と骨抜きの政府「骨太の方針」 | 元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

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2024年6月26日(水)

 

 

FRBの金融政策は合格点だが、アキレス腱が傷み出す恐れも消えない

 

6月7日(金)に発表された月例の米経済統計として、通常、最も注目される米雇用統計では、5月に失業率こそ前月比0.1%ポイント上昇(悪化)し4.0%を記録したとはいえ、非農業部門雇用者数が27万2千人増加し、また平均時給が前月比+0.4%(前年同月比+4.1%)も上昇するなど、市場予想をかなり上回る強い結果となりました。

 

こうして、インフレ加速が懸念されていた米5月CPIでしたが、6月12日(水)の公表日にいざ蓋を開けてみれば、総合CPIとコアCPIがそれぞれ前月比+0.0%、同+0.2%の上昇に止まり、前年同月比ではそれぞれ+3.3%、+3.4%と市場予想をかなり下回って、米経済のインフレ減速を明らかに示唆する弱い結果を示しました。

 

こうしてまちまちの5月の米重要経済指標を背景に、必ずしも容易ではない日本時間6月13日(木)早朝におけるFOMCでしたが、金融引締めを直ちには緩めない姿勢を示したパウエルFRBの手綱裁きは、少なくとも合格点に達していると好評価すべきでしょう。

 

 ちなみに、6月FOMC直後に筆者が、テイラー・イエレン流のCPIと失業率という月例データを使用して、需給ギャップという4半期データを用いるよりも、よりタイムリーな方法を用いることで、現在あるべき米政策金利を改めて試算して見たところ、(5月米失業率4.0%と5月総合CPI前年比+3.3%を使用した)あるべき[1]米政策金利は正に5.50%となり、6月FOMCでの米政策金利の現状維持はテイラー・イエレン流のルール・ベースで見ても正当化できることになります。

なお、ワシントンDCにあるブルッキングス研究所のロビン・ブルックス研究員の指摘によれば、米CPIの季節調整には、コロナ禍以降に、年初に厳しい数値となり、その後穏やかな数値が続くという歪みが2年連続で生まれてきているように見受けられます。このため、昨年2023年10月CPIデータがそうだったように、直近の今年5月CPIデータという単月データだけで、趨勢的な動きを判断するにはあまりにも時期尚早というものでしょう。

 

いずれにしても、パウエル議長自らが、5月米CPIデータ等は「一つの数値にすぎない」と明言した点は、米金融当局の信頼を高めて心強いと言えるのではないでしょうか。 

 

もっとも、筆者がかねてから批判してきていた、パウエルFRBのアキレス腱(2+2=2.5 !?) は、未解決な課題として未だに残っていると言わざるをえません。

 

なぜなら、FOMCでの経済見通し要旨(SEP=Summary of Economic Projections)における、長期での実質GDP成長見通しは6月FOMCでも1.8%であり、長期インフレ見通しはもちろん2%で変わらずですから、これらを足し合わせると長期の米名目GDP成長率は3.8%が期待されていることになります。

 

しかし、6月FOMCでも長期名目政策金利はこれまでの2.6%から2.8%へと僅かに引き上げられたとはいえ、同金利は長期名目経済成長率の3.8%よりも1%ポイントも低いことになり、小さくない矛盾が存在していると見ざるを得ません。

 

なお、元米財務長官のサマーズ氏も、筆者の主張と同じように、最近の名目中立金利と同じと見られる米長期名目政策金利は4%の近傍にあると見られ、FRBの中立金利水準は低すぎるなどとブルーンバーグ・ウォール・ストリート・ウィークのインタビューで公言しています。

 

要するに、現行の米政策金利の5.5%はFOMCの主要経済要旨SEPで見る限り、確かに正当化できますが、FRBの金融政策には中立金利が低すぎるというアキレス腱があり、今後それが傷みだす可能性がないわけではないことに留意が必要でしょう。

 

 

問題先送りで責任転嫁と逃げの姿勢に終始する日銀

 

さて、我が国の日銀の金融政策は、FRB同様に信頼に足り得るのでしょうか。

 

変動為替相場制の下では、本来、同制度が持つ「隔離効果」によって、我が国の金融と財政政策を駆使さえすれば、外的なショックの下であっても、GDP世界第3位や第4位に既に落ちぶれてしまったとはいえ、大国の日本経済が物価安定と持続的な成長を達成できないはずはありません。

 

例えば、2022年春にFRBとともに金融政策の正常化に動きだしてさえいれば、現在の大幅円安と日本経済のインフレ加速を上手く制御できた可能性が高いことは、既に過去のマンスリーでも指摘済みのところです。(下図ご参照)。

しかし、当時とは異なり既にCPI上昇率が2%を大きく上回ってしまった高インフレ下にあっては、マイナス金利を解除しただけで事実上のゼロ近傍での政策金利を継続し、極めて緩和的な金融政策を続けたままでは、6月や7月の日銀会合で国債買取り規模を微調整したところで、最近の通貨大幅安とインフレ加速をどれほど阻止しうるのでしょうか。

 

日銀の国債購入減額に異を唱える論者は多くはありますまい。問題は植田日銀の物価や通貨の安定に反する、問題先送りの姿勢にあるのではないでしょうか。

 

また、市場との対話をことさらに強調し、対話継続によって時間稼ぎをして、むしろ民間金融機関に責任転嫁を謀ろうとするかのような逃げの姿勢は問題ではないでしょうか。実際、そのような意見や質問も6月日銀会合後の総裁記者会見では散見されました。

 

いずれにしても、物価や通貨にとっての真の問題は、国債購入減額を含めた日銀の金融政策正常化の全体像とその姿勢及びそのペースにあります。

 

第一に、政府・日銀が注目し国民に対して過去10年間を超えて公言し約束してきていたはずの2%インフレ目標ですが、彼らが注目してきたはずのコアCPIの前年比は既に過去2年間を超えて2%をかなり上回ったままです。

 

第二に、今年3月に既に日銀が実施したマイナス金利解除後も政策金利は名目で事実上ゼロ金利に据え置かれ続けてきています。

 

第三に マイナス金利解除と同時に実施されたイールドカーブ・コントロール政策撤廃とは名ばかりに過ぎません。実際には3月以降も毎月6兆円もの日銀による国債買取(QE)が続けられてきており、10年物国債利回りは事実上1%近傍に釘付けされてきたままです。

 

第四に したがって、日本の長短金利はインフレ調整後で見ると押しなべて実質マイナス圏に大きく沈み込んだままできているのです。

 

第5に、日本のインフレ期待は、米国のそれと異なり、2%近傍に釘付けされてきていません。特に、家計は今後1年後に5%を超えるインフレを予想していることが、日銀自らの直近の動向調査で判明してきています。

 

最後に、このように先進諸国G7では極めて特異な、高インフレ下でも国内の長短金利を実質マイナス圏に深く沈み込ませるような極端な日銀の金融緩和政策継続そのものが、日本経済のインフレを助長し、資産バブルを増幅させてきているのは自明です。

 

いずれにしても、植田日銀はいまだに、「基調的なインフレは2%に未達である」等とする「日銀文学」を6月14日の日銀会合後の総裁記者会見でも披露していましたが、そのような強弁や欺瞞はもはや許されません。

 

特に、過去2年間を超えて2%をかなり超えるインフレ税が、10%消費税率にのしかかってきています対してのしかかってきています。

 

高インフレが放置されたままでは、家計の実質可処分所得が、高消費税率と高インフレ率とのダブル・パンチで落ち込み、消費を中心に経済の長期停滞も不可避となり、実際、2024年1~3月期には実質GDPが前期比でマイナス成長に陥ってしまいました。そのマイナス成長の最大の要因は4四半期連続で前期比で落ち込んだ実質個人消費の縮小にあります。

 

 

日本のインフレは減速せず

 

特に、インフレは、直近でも、CPIの川上にあるとされるPPI でみると、その加速が顕著と見ざるを得ません。

 

例えば、PPIすなわち国内生産者物価指数は、3~5月間に前月比でそれぞれ+0.3%、+0.5%、+0.7%と加速し、前年比ではそれぞれ+0.9%、+1.1%、+2.4%を記録して、米国の5月PPIの前年比+2.2%を、我が国のPPI+2.4%が凌駕してきています。なお、PPIは日銀自体が集計・公表しており、日銀がそれを知らないはずもありません。

 

こうして、6月21日(金)に公表されたばかりの日本の5月CPIは、季節調整済み前月比では総合、コア、コアコアCPIが5月に、それぞれ、+0.5%(単純年率+6.0%)、+0.5%、+0.1%と特にコアコアベース以外では、かなりのインフレ加速を示しました。

 

なお、前年同月比では、政府・日銀が最も注目する生鮮食品を除くコアCPIが5月に前年同月比で+2.5%を記録し、4月の同+2.2%をかなり上回りました。しかも、実際には、5月まで続いてきた電気・ガス料金の生産者を通じた政府補助金-0.5%を足し戻すと、真のコアCPIは5月に前年同月比+3.0%の物価上昇を記録したことになることは言うまでもありません。

 

こうして、日本経済を取り巻くインフレ加速と通貨大幅安(購買力平価と見られる一ドル約108円に比較して既に約50円超も円安)の現状を直視して、通貨安によって貿易財価格優位で非貿易財価格が劣後する資源配分の歪みを可及的速やかに正すためにも、日銀の金融政策の正常化を急ぐことこそが、わが国の物価と通貨の安定という中央銀行の使命として求められているのではないでしょうか。

 

なお、テイラー・ルールに基づいて、在るべき日銀の金融政策水準を、潜在成長率ゼロ、インフレ率+2.8%、失業率2.6%を前提として試算すれば、現在のあるべき政策金利は、現行の政策金利+0.1%に対して、+3.8%として求められます。

 

透明で低インフレ目標の独立した中央銀行であれば、長期的なインフレ期待が固定され、物価と通貨の安定が達成される

 

ところで、「欧米では、ECBとカナダ銀行が最近金利を引き下げたことで、今度はFRBが金利を「より長期間高く維持する」姿勢に注目が集まっているようですが、金融政策の全体像を見失ってはならず、非常に異なる経済に対して、類似した金利政策がどのように適用されてきたかを見れば見るほど、結果の類似性に驚かされるはずです。」とアダム・ポーゼン氏が最近のFT紙で述べたことは、極めて重要であると考えます。

 

同氏によれば、我々は最近の中央銀行の政策の類似性にもっと注意を払うべきであるとしています。

 

なお、ポーゼン氏は、米エコノミストの中でも屈指の日本経済通の一人として知られ、イングランド銀行(英中銀)の元理事ですが、現在はワシントンDCにあるピーターソン国際経済研究所の所長を務めています。

 

 同氏は、「ロシアのウクライナ侵攻に続く新型コロナショック以来、ユーロ圏、米国、そして実際のところ、カナダ、英国、ブラジル、メキシコ、その他ほとんどの大規模な金融地域は、インフレと金利に関してほぼ同じ道をたどってきた」とし、「トランジトリーチームは、これらは世界的なショックであり、したがってこの類似性は当然のことだったと主張するかもしれない。しかし、それは完全に誤解を招くものでしょう。確かに、ショックは世界規模でしたが、ほとんどの国がたどってきた共通の道筋は、他のいくつかの重要な経済要因が重要ではなかったことを意味しています。これは印象的で重要なことです。」と強調しています。

 

 実際、すでに、1998 年の著書『インフレ目標』で、ベン・バーナンキ、トーマス・ラウバッハ、フレデリック・ミシュキンとアダム・ポーゼンは、「ある経済が透明性のある低インフレ目標を掲げる独立した中央銀行を設立すれば、長期的なインフレ期待が固定されるだろうとし、これは、金融政策が短期的にはショックに柔軟に対応できる一方で、政策が一貫していればインフレは目標に戻ることを意味している」と結論付けていました。

 

それが、過去 4 年間で、事実であることが判明し、これはG7各国の経済構造や金融政策が各システムにどのように作用するかの違いにもかかわらず、事実なのだとポーゼン氏は繰り返し強調しています。

 

また、バーナンキとオリビエ・ブランチャードが米国向けに開発したモデルをG7各国の経済に適用した最近の一連の中央銀行研究論文がPIIEから発表されていますが、同様の結果がもたらされました。[2]

 

そこでは、G7各国の労働市場の違いは統計的に有意であることが判明しましたが、それは二次的なものでした。インフレの持続性に関するこのような小さな違いを過度に解釈すると、政策の微調整が逆効果になるだけです、とも述べています。

 

つまり、 日本経済も他のG7諸国とともに、おなじモデルでほぼ同じように日本のインフレを分析することが可能であることを、バーナンキとブランシャードは検証しているのです。

 

こうして、目の前のインフレという火を見て、それでもデフレからの完全脱却を目指す等と強弁して、一方で大胆な金融緩和政策を続けて、他方で、物価と賃金のインフレ・スパイラル等の悪循環を懸念するのではなく、それらの間の好循環を願望するだけの日本政府と日銀はG7の例外であってよいのでしょうか?

 

ポーゼン氏の言葉を借りれば、「透明性のある低インフレ目標を掲げる独立した中央銀行が設立」されていない日本経済では、頑なで恣意的な政策しか期待できず、長期的なインフレ期待が固定されず、我が国はいずれそのツケを支払うことになるとみざるをえません。

 

なお、ワシントンDCにあるブルックキングス研究所の研究員ロビン・ブルックス氏は、現在の円ドルレートが160円を再突破しそうな日本経済を取り巻く経済環境を見て、「債務をコントロールできなければ、債務危機を回避するために中央銀行を使って利回りに上限を設けなければならず、円の大幅な切り下げを引き起こす。ユーロ圏が周辺国経済高水準な債務を引き下げる方法を見つけなければ、ユーロも同じ道をたどるだろう。」等と、日本からの教訓を引き出すのに忙しそうであることは、示唆的ではありますが、我が国にとっては誠に皮肉であると言わざる得ません。

 

骨抜きの政府「骨太の方針

 

日本経済は直近の2024年1~3月期GDP統計がいみじくも示したように、GDPデフレーターという付加価値ベースの物価でみて前年同期比4.0%ものインフレを経験し、同時に前期比実質マイナス成長に陥ったように、インフレと景気後退というスタグフレーション色が濃厚です。

 

特に、実質個人消費が4四半期連続で前期比マイナスとなり、長期消費停滞が鮮明となってきています。

 

そのような消費長期停滞の主要因は、物価の趨勢的な下落というデフレではなく、逆に、物価の趨勢的な上昇というインフレ高進によってもたらされてきているのは自明です。

 

つまり、10%という高消費税率に加えて、約4%の物価高によって、家計の実質可処分所得が大きく削減されて、長期消費停滞を中心に経済全体が景気後退に陥りかねない誠に厳しい現実に我が国は直面しています。

 

また、実際、直近の4月毎月勤労統計調査で見ても、25カ月連続での実質賃金の前年同月比での減少が続いています。物価と賃金と悪循環が懸念されても、岸田政権や植田日銀が強弁し願望するような物価と賃金の間の好循環は期待できないとみるのが(欧米)経済学の常識です。

 

岸田政権の「骨太の方針」は、目の前で燃え盛るインフレの火を消そうとするどころか、デフレから完全に脱却することを目指す等といつまでも詭弁を弄しているかに見えます。

 

結局、岸田政権は、デフレではなくインフレに転じた今でも、①大胆な金融緩和という、低金利・円安主導による主として輸出大企業等への優遇策の継続が第一の矢として存在し、次に、②機動的な財政政策と称する無駄で非効率と思われる一時的な歳出拡大や補助金バラマキ等の第二の矢が続き、最後に③成長戦略と称するお友達優遇とも言い得る恣意的な産業政策や不透明で不公正な利権政治から構成される3本の矢のアベノミクスの三番煎じを、自民党の政治とカネの不祥事や2%を明らかに超えているインフレの中で、これまでと同じように繰り返そうとしているに過ぎません。

 

ところで、日経、読売、産経はいずれも各社説において、政府見解を持ち上げるかのように、物価の趨勢的な下落を意味するに過ぎないデフレを、景気不振と故意に混同させることで、読者を混乱させようとしているとすれば、極めて遺憾であると言わざるを得ません。

 

いずれにしても、物価安定と持続的な経済成長を達成するためには、金融政策であっても、財政政策であっても、一時的な弥縫策では対処できません。

 

もはや一時的ではないことが明白な執拗なインフレには、まずもって日銀の金融政策でしっかりと持続的に制御しない限り、インフレと消費長期停滞というスタグフレーション的なトレード・オフ(二律背反)をいつまでたっても解きほぐすことはできません。

 

今後を展望すると、こうして当面、さらなるインフレ高進や通貨の一段安あるいは金利気宇上昇の懸念などによる消費の落ち込みを中心として、長期経済停滞が一段と深刻化し慢性化することが必至となりかねません。

 

逆に、株式、不動産、為替レート等の資産バブルは、当面、一段と増幅していくことが懸念されます。

 

要するに、一方で、インフレを超える政策金利の引き上げを回避して、実質ベースで政策金利をマイナス圏に深く沈めて、大胆な金融緩和政策を続けたままで、一時的な財政バラマキを繰り返そうとするアベノミクス3番煎じのキシダノミクスを掲げる岸田首相は、秋の総裁選での政権維持を目指そうとはしていても、国民経済のために物価と通貨安定を基礎として持続的な経済成長を真剣に狙っているようには、誠に遺憾ながら見えません。

 

主要先進国G7の常識に大きく矛盾するように、一方で、いまだにインフレを直視せず、デフレ脱却を目指す等と現実から逃避し、他方で、物価と賃金のインフレ・スパイラル等の悪循環を恐れず、むしろそれらの好循環を願望するに過ぎない岸田政権の2024年の「骨太の方針」は、誠に遺憾ながら、「骨抜きの方針」と見ざるを得ず、早晩、戦後最大の日本の政治・経済・金融危機勃発の可能性はいよいよ現実味を帯びてきていると見ざるを得ません。

 

 

中丸友一郎

元世界銀行エコノミスト

 


[1]「米政策金利は5.13%となり、確かに2か月前の3月米失業率3.7%と同月CPI+3.5%を使用した3月時点でのあるべき米政策金利は+5.50%であったため、なるほど1~2回の利下げが5月時点でも可能でなくもないことが理解できる。」と、筆者はFOMC直後のブログで述べましたが、今回のマンスリーの数値が正しく、お詫びして訂正いたします。

 

[2] なお、ポーゼンPIIE代表がFT記事で紹介したバーナンキとオリビエ・ブランチャードが米国向けに開発したモデルを自国の経済に適用した最近の一連の中央銀行研究論文は次の通りです。Working Paper 24-11: An analysis of pandemic-era inflation in 11 economies (piie.com)