1~3月のGDP改定は小幅上方修正、民間在庫が拡大 | 元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

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「国家の盛衰を決めるのは、政治経済体制が収奪的か包括的かの差にある」(アシモグルら)

掲題の今朝のブルーンバーグ記事。
意外に小幅上方修正となった。
 
もっとも、個人消費は少し下方修正されている。
また、設備投資にしても、
法人統計を見る限り
かなりの前期比で縮小を記録しており、
しかもそれはインフレ調整前の
名目値での数値だったため、
意外と言わざるを得ない。
 
いずれにても、企業設備投資は
実質ベースで2024年1~3月期に
前期比-0.4%でマイナス成長した事実に変りはない。
 
しかも、個人消費、企業設備投資、民間住宅投資という
民需が総崩れとなってしまっている事実は重い。
しかし、まぜか日本のメデイアはブルーンバーグ記事を含め沈黙。
 
逆に、2024年1~3月期GDPは政府消費と公共投資という
政府部門だけの成長に止まったという、
いわば官尊民卑とも形容し得る
日本経済の異常な体質を、遺憾ながら、
我が国のメデイアは押しなべて、
正確に描写していない。
 
なお、2024年1~3月期のGDPデフレーターは
付加価値ベースで前期比+4.0%の
インフレとなったことが記録されている
(一次速報値は同+4.1%)。
 
 
 
2024年1-3月期四半期別GDP速報(2次速報値)資料1 (cao.go.jp)
 
 
氏兼敬子

訂正済み 

  1-3月期の実質国内総生産(GDP)改定値は、速報値から上方修正され、マイナス幅が縮小した。民間在庫の拡大が押し上げ要因となった。

 

  内閣府が10日発表した実質GDP改定値は前期比年率で1.8%減(市場予想2.0%減)と、速報値の2.0%減から上方修正された。前期比では0.5%減(同0.5%減)と速報値と同じだった。マイナス成長は2四半期ぶり。民間在庫の寄与度は0.3ポイントと速報値の0.2ポイントから拡大した。

 

  3日発表の法人企業統計を反映し、設備投資は前期比0.4%減と速報値(0.8%減)から引き上げられたが、寄与度は変わらず。個人消費は速報値の0.7%減と同じだった。

 

  日本経済はけん引役不在で力強さを欠く状況だ。1-3月のGDPを押し下げたダイハツ工業などによる自動車減産の影響は解消へ向かい、4-6月はプラス成長を回復するとみられている。ただ、6月に入り見つかったトヨタ自動車などでの不正行為は、経済全体の新たな逆風となりかねない。実質消費支出は4月に14カ月ぶりに前年比プラスに転じたが、定額減税などの効果を含め、持続性を見極める必要がある。

 

  ブルームバーグの集計では、4-6月期に前期比年率2.5%のプラス成長が予想されている。ただ、足元の円安進行で物価高が再燃すれば、個人消費の下押し圧力となる可能性がある。

 

(5段落目の社内向けの文言と4段落目との重複部分を削除します)