永遠の都 ローマ展 | けろみんのブログ

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日記・観た映画のこと・観た展覧会の感想

2023.9.26

東京都美術館

永遠の都 ローマ展 

2023.9.16~12.10



福岡に巡回します!福岡ではカラヴァッジョが展示される予定!!!(図録に載っていたけど展示がないのでスタッフさんに聞いてみた)ネットで調べてもあまり出てこないのはなぜ!?まだ交渉中なのかしら……


550年の歴史のある市民のための美術館 カピトリーノ美術館。



最初はローマ建国の神話で、王位争いの際に川に流された双子ロムルスとレムスを狼が乳をやり育てる姿です。複製ですが教科書に載っていた像が見れて良かったです。負傷した牝犬、などローマ建国に関する神話をモチーフにした彫刻です。何故か動物の乳を飲む赤子が描かれたものがとても多いです。

イリアスの石版には細かな浮彫で、戦う人々がびっしりとあらわされています。こんな細かなものを作るのかと思えば、大仏のように大きなコンスタンティヌス帝の足、手、顔など巨大なものまであります。1番いいと思ったのは豹とイノシシの群像で、螺旋を描くように動物たちが絡まりあい、緊迫した雰囲気です。動物の彫像はいいですね、ヨーロッパに豹いたのかな……



本展覧会の目玉!

門外不出、東京会場限定の

カピトリーノのヴィーナス!

柔らかな肌のまろやかさが美しい、それと隣にかかったタオルのようなもののドレープも見事です。

この女の子は背中が丸まっていておしりが垂れてるので私の好みじゃなかったです。その他、様々な肖像はどこから見てもその人の性格まで分かりそうな写実性があり、素晴らしいです。全然彫刻の知識がない私でも楽しめました。1彫り1彫りに無駄な表現はない、研ぎ澄まされた技があります。特に素敵なのはマイナスを表す浮き彫りの断片で、構図もポーズも大胆でとっても素敵、きっと後世の芸術家に沢山のインスピレーションを与えたことでしょう。



カピトリーノ美術館はローマ法王から市民へ寄贈された彫刻がきっかけに成立した世界で最も古い美術館の1つです。

ミケランジェロが設計を任され、今の形の原型が作られます。

ヴァチカンで宗教改革が行われた際、異教的・偶像崇拝に当たるような作品は撤去しカピトリーノに収蔵しました。どこか異国風のモザイク画が2点ありますが、そうした事情で収蔵され残ったモザイク画は数点だそうです。勿体ない。

カピトリーノ美術館は美術教育にも力を入れていて絵画館の階下にヌードアカデミーを設ました。誰でも無料で男性ヌードモデルをデッサンできる、素晴らしいシステムです。美術水準を高く保てる秘訣はこういったところにあるのですね。絵画コーナーでは、グィド・レーニ、ティントレットの息子等の宗教画が並びます。彫刻の知識も全くない私でもそこそこ楽しめたので、これから絵画以外の芸術品も好きになれるといいな、と思いました。

美術館広場にはトラヤヌス帝記念柱というものがたっていてビッシリと螺旋状にレリーフで埋まっています。写真可能な作品2点はその柱から石膏で複製をとったものでした。




あと、支倉焼というお土産が仙台にあるんですけど、伊達政宗の命でスペインに行った支倉常長(洗礼名はファセクラ)は、ヴァチカン訪問の際この美術館に行ったとか。私が仙台にいたのは数年だったのですが、何故か支倉焼のことは覚えていました。


ナマニクさんコーナー!