「重要文化財の秘密」展 後期 | けろみんのブログ

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2023.5.9
国立近代美術館に「重要文化財の秘密」を見に行きました。2回目です。今日から5日間だけ菱田春草の「黒き猫」が展示されるのでこのタイミングを待ってました。
日時指定した方は日当たりの良い場所で時間が来るまで待たされるみたいなので、指定した時間より早く行かないことをお勧めします。
菱田春草 「黒き猫 」
久しぶりに会えた黒猫。相変わらず木の上でこちらを伺っています。全く気が抜けない相手です。前回見たのはコロナ禍真っ只中の永青文庫で、ほぼ独り占め状態でみていました。やっと規制が取れた今、こんなに人が家に籠っていたのか?と思うほどたくさんの方々が、美術館にきてます。みんなが黒猫を愛でられる時が来て本当に良かったです。焼き芋屋から借りてきた猫、というエピソードも面白いですよね。


横山大観の長ったらしい巻物は最前列でみる人が列を成していたので素通り。今村紫紅、富岡鉄斎と南画風のが続きました。鉄斎の71歳で描いたという「阿倍仲麻呂明州望月図・円通大師呉門隠栖図」中国にわたったが日本に帰りたくても帰れない人物画ですが山奥で強くみずみずしい青い山がいい感じでした。
竹内栖鳳「絵になる最初」動物画の多い竹内栖鳳にしては珍しい人物画で、当時高島屋で販売して大ヒットしたという黒地の絣の着物を脱ぐ瞬間です。


目の表情から明らかに恥じらっていることがわかります。


そこが、画家の心をくすぐったのでしょう。竹内栖鳳は女好きって感じですよね。よく見るとモデルさんの上の障子の上の模様と表装の模様が似ていて素敵です。
竹内栖鳳のあと村上華岳、


土田麦僊と京都画壇が続きます。村上華岳と麦僊は仲悪くなかったっけ、とどうでもいいことを考えました。麦僊の「湯女」は若々しく





続く松岡映丘「室君」の女はどこか盛りをすぎたように見えます。この作品は左からみると、客がいなくて侘しい女が佇む姿が、右から見るとそれでも背をのばしシャキッとした女性がクローズアップされておもしろい。永青文庫は前後期合わせてたくさんの作品を貸し出してくれたのだなぁと感謝するばかりです。(前期の豫譲もよかった)
小林古径「髪」
画面には2人の人物以外何も描かれておらずスッキリしています。上半身裸の女性が着衣のハイカラな女性に髪をとかしてもらっています。シンプルで透明感があり良い作品。
上村松園「母子」


軽く添えられた手がとても好きです。
山本芳翠「裸婦」
1880年、印象派が立ち上がって6年ほどの作品。見事にアカデミックで神話から題材を取っている。
黒田清輝「湖畔」



元はとても爽やかな水色ベースで描かれていたと思いますがかなり暗くなってて残念。描かれたのは1897年、印象派に倣い黒を使わずに表現してる。
岸田劉生「麗子微笑」柔らかく笑う麗子ちゃん。岸田劉生お気に入りのケープの毛糸の柔らかさが出てる気がする。


重要文化財の絵画、日本人が描いていることもあり、日本画の方を集中して見て洋画は疎かになってしまいました。
今週末で終了です。

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