ルーブル美術館展 愛を描く | けろみんのブログ

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2023.3.1

3月になったのでコートなしの軽装で六本木の国立新美術館「ルーブル美術館展 愛を描く」に行ってきました。

2023.3.1~6.12まで。



春に相応しいピンクのふんわりしたテーマカラーで、会場内はルーブル美術館を思わせる深い青の壁で構成されていました。




最初にフランソワ・ブーシェの「アモルの標的」こちらの作品は雅宴画(フランスの絵画で男性の目が大きくて女性が真っ白でほっぺた真っ赤、背景が透明感あるブルーがかったグリーンの感じでみんな能天気な顔してるものが多い)の名手ブーシェが、愛の神キューピットを描いたもの。ギリシア・ローマ神話では愛は奪うもの。相手の全てを所有するものという解釈で、男は力任せに強奪、女は色仕掛けか妖術を使い相手を手に入れようとします。そんなやり取りの間で恋の炎を燃やしたり、振られた男の恋の松明を捨てたりするのがキューピットで画の中で場を盛り上げます。


キリスト教における愛は与えるもので犠牲が大きければ大きいほど愛が深まるみたいな解釈です。「放蕩息子の帰還」のように無条件の愛が条件でもちろん最初の例は人々を救うため犠牲となって磔刑にされたキリストです。

解釈が神話と違い固くなって親子愛、家族の愛など教訓めいたものにな(がちです。しかし画題としては「マグダラのマリアの法悦」のようなエロティックさや、「聖アガタの殉教」みたいな壮絶さが求められたみたいです。

プロテスタント国のオランダでは、こうした神話や聖書に基づかない市井の人たちの愛を描いた作品が描かれます。宿屋で女を口説こうとしたり、恋人たちがカーディナルを前にお互いが楽譜を見つめています。気取らない親密な空気です。この市井の人々の恋愛を描いた作品たちは国を問わずほのぼのしてますが劇的な作品もあり、ジャン・オノレ・フラゴナールの「かんぬき」がその代表作です。斜めのドラマティックな動きが閉じ込められた素晴らしい作品です。

時代がくだると、思春期でまだ中性的な少年を愛するなど倒錯した関係も描かれていました。

最後のコーナーは撮影可能です。ジェラールの「アモルとプシュケ」がとんでもなく可愛いです。



愛という不思議な現象により、プシュケはこれからはじまる様々な試練の予感すらない無垢な顔をしてとても愛くるしいです。




他にもロマンチックな神話の愛物語が絵で表現されています。









全体的に見れば愛というテーマに基づいたよくまとまった展覧会です。しかし私がルーブル美術館に、1回だけ行くとしたら素通りしてしまう作品でした。重厚さを求めたり、印象派以降の作品に慣れてる方には向いてないかもしれませんね。


うーん……




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