このブログでは、日本でも有名なFour Roses Distilleryについて書いていきます。Distilleryとは蒸留所と言う意味です。

 

  Four Rosesの場所

Four Rosesはアメリカのケンタッキー州のLawrenceburgにあります。Louisville International Airportから車で1時間ほどの場所です。

 

 

Laurenceburgにある蒸留所は1910年に設立されたミッション・リバイバル様式の建物で、アメリカ合衆国国家歴史登録財となっています。

 

  Four Rosesの名前の由来

ある舞踏会で創設者のPaul Jones Jr.は一人の女性に一目惚れをし、すぐさまプロポーズしました。彼女は「プロポーズを受けるなら、次会うときに胸にバラのコサージュをつけてきます」と言いました。約束の舞踏会に日、彼女は4輪の薔薇の花を胸につけ現れたエピソードからFour Roess(4輪の薔薇)いう名前が付けられたと言われています。

 

そんな素敵なエピソードがあるからか、蒸留所内にはたくさんのバラが飾られていました。

 

  Four Rosesの歴史

  • 1884年 Paul Jones Jr.がLouisvilleに事務所を開設
  • 1888年 Four Rosesを商標登録
  • 1920年~33年 禁酒法時代は、例外的に法に抵触しない稀な蒸留所の1つとして薬用バーボンを販売
  • 1943年 Seagramが買収後、Old Prentice蒸留所に拠点を移し、Four Rosesと改めて生産を開始。Seagramはアメリカ国内ではブレンデッドウイスキーの販売に注力する為、Four Rosesのアメリカ国内でのバーボン販売を中止し、急速に成長していたヨーロッパとアジア市場の販売を強化
  • 1971年 日本でFour Rosesの販売開始
  • 2002年 キリンビールが商標と生産施設を買収し、ブレンデッドウイスキーの販売を中止し、バーボンのみに特化
  • 2018年 創業130周年を迎える

Seagramによって買収された後、ヨーロッパとアジア市場で販売を強化した事で、Four Rosesは本場アメリカ以外でも代表的なバーボンという立ち位置を築きあげました。Four Rosesは世界のバーボン売上において、Jim Beamに迫るトップクラスのウイスキーです。

 

  Tasting Tour

ゲートを通過するとすぐに各国の旗が掲揚されていました。日本の旗は、アメリカ国旗の横に飾られていました。

 

 

入るとすぐに受付があり、そこでチェックインをして、ツアーのチケットを受取ります。受付の奥には、大きなギフトショップがあります。センスの良い素敵なアイテムが多くて、どれも欲しくなりましたが、シャツだけ購入しました。

 

 

受付の左側にはバーがあり、ツアーに参加せず、バー利用だけでも可能です。

 

 

今回は、Sip'N Stroll Summer Tourに参加しました。1人あたり$22で、1時間25分のツアーでした。

 

Napaでのワインテイスティングが$100くらい、Sonomaでフードペアリングが付いて$75くらいが平均なので、それに比べるとすごく安いです。

 

ツアーの待ち合わせポイントの前には、歴代のアイテムが展示されていました。

 

 

まずはビジターセンターにある一室でRefreshing Summer Cocktailを飲みながら、ビデオを見て、ウォーキングツアーが開始します。Refreshing Summer Cocktailはリンゴベースのサッパリとしたカクテルで、すごく冷えていて、暑い日には最適でした。このカクテルを飲みながら、各エリアを歩いて回っていきます。

 

 

案内の看板にも、Four Rosesが描かれています。

 

 

 

Four Rosesデザインの可愛いベンチラブラブベンチに気を取られていて、後ろの樽に気が付きませんでしたが、この10個の樽にも意味がありました。

 

 

 

この噴水は、Limestoneで濾過される水を表現している噴水だそうです。

 

 

アメリカでは蒸留所設立の際に、Distilled Spirits Plant Noという番号が割り振られます。新興蒸留所は2万番台となっている中で、Four Rosesは8番の番号が割り振られています。

 

 

ステンレス製のFerementerが多い中、Four Rosesでは木製のFerementerが使われています。

 

 

こちらの壁にも、Four Rosesが描かれていました。ステンレス製のFerementerも使われているのですが、見学当日は空っぽでした。

 

ツアーには20名ほどが参加していて、皆が聞きやすくなるようにヘッドセットを使っていました。言語の選択はできず、英語のみです。

 

 

説明書きには、日本語もありました。

 

 

奥に見える先に尖がったものが付いているのがDoublerで、Beer Stillで蒸留後、Doublerで再度、蒸留する事で不純物を取り除き、クリーンな味の蒸留液を作ります。

 

 

 

ツアーの最後に、テイスティングがあります。後ろに映っている黒いFour Rosesのカップには、Refreshing Summer Cocktailが入っていて、このカップは持ち帰れます。

 

 

テイスティングルームに掛けられていたFour Rosesのレシピにある樽の数が、先ほど上で紹介したベンチの後ろに置かれていた樽の数と同じ10個になっています。

 

フォアローゼスの最大の特徴の1つが、2種類のMash Billを使い分けている事です。

  • E トウモロコシ75%、ライ麦20%、大麦5%
  • B トウモロコシ60%、ライ麦35%、大麦5%

ライ麦の比率が多くなると、スパイシーでフルボディなウイスキーになり、逆にライ麦の比率が少なくなると、ライトで柔らかい印象のウイスキーになります。多くのバーボン蒸留所は1種類のMash Billしか扱わないのですが、フォアローゼスでは2種類のMash Billを使い分けることで、味の多様性を生み出しているという事でした。

 

Four Rosesの最大の特徴のもう1つは、5種類の酵母を使い分けている事です。それぞれ、以下のような、特徴があります。

  • V 繊細なフルーツ
  • O リッチなフルーツ
  • F ハーブ系の香り
  • K: わずかなスパイス
  • Q 花の香り(フローラル)

2種類のMash Billと5種類の酵母の組み合わせで、10種類の発酵液を作っていて、これが10個の樽の意味になっていました。

  1. OESV
  2. OESO
  3. OESF
  4. OESK
  5. OESQ
  6. OBSV
  7. OBSO
  8. OBSF
  9. OBSK
  10. OBSQ

最初のOは、1943年にOld Prentice蒸留所に拠点を移し、Four Rosesと名を改めて生産を開始したのですが、そのOld Prentice蒸留所のOです。

 

3番目のSは、Straight WhiskeyのSです。

 

 

  まとめ

今回は、Four Rosesについて書いてみました。Louisvilleの空港から車で1時間と少し遠いですが、本当に素敵な場所で、日本でも馴染みのあるバーボンだと思うので、ケンタッキーを訪れるのであれば、オススメの蒸留所です。