名店コラボのカップ麺って一つのジャンルを作ってると思います。チェーン店、地方の名店、有名な個人店など色々な立ち位置のお店のコラボ麺が出ていますね。特に地方の名店コラボの場合、その土地にはこんなラーメン屋があるのかーとワクワクしますね。その一方で、食べたくても食べる事ができない敷居の高い店がカップ麺になったらいいなぁと思う事もあります。
そんな中、日清から「並んでも食べられない完全予約制の名店」シリーズが出ました。その第一弾がRAMEN Break Beatsです。食べログをちょっと覗いてみましたが、1週間前にネット予約が必要で、皆さん頑張って予約合戦をやってるようなお店のようです。もちろんカップ麺を食べてその店が解ったようなつもりになってはいけません、別物ですから。でも、特に個性的な味のお店であれば味の傾向がつかめるだけでもありがたいと思います。
昔の名店コラボのはしりである、十勝新津製麺の再現シリーズは麺は全部同じだし、再現度も必ずしも高くない事もあり、食べてイマイチでお店に対する興味も失う、なんてことはありましたが、今は各メーカー頑張っているのでそんな事ももうあまりないだろうと思います。だからこの企画、第二弾が楽しみです。
こちらのお店、ラーメンの価格帯は1,500円弱~2,000円超位、料理の写真を見るとフランス料理かって位のお洒落で丁寧な盛り付け。こういうラーメン屋もワタクシは肯定的ですが、ただし町場のラーメン屋とはもう飲食店としてのカテゴリが違うと思います。個人店の寿司屋と回転寿司、テーブルクロスを使っているレストランとファミレス、そんな感じだと思います。
一方カップ麺の世界にはそんな区切りは存在しません。元のお店がどんなに高級店でも、カップ麺の世界ではラ王やマルちゃん正麺、カップヌードルなんかと同じ土俵での勝負になります。この点はどうなのかな、という気持ちもあります。大丈夫でしょうか。
原材料を眺めても特に変わった食材は使ってないんですよね。ただしこちらのお店、九州の食材を使う事がウリのようなので、カップ麺にも糸島産醤油や地鶏だしが使われていると書いてあります。ただ、糸島産醤油が0.4%、名古屋コーチンのエキスが0.1%、阿波尾鶏の調味料が0.1%とわずかなので、味への影響がどの程度あるか不明です(笑)。
さて、フタ上の特製醤油だれをはがしてフタを開けます。加水多めで黄色いノンフライの細麺ですね。かやく、粉スープは直接封入されています。お湯を入れて5分、醤油だれを入れて実食です。メチャ色が濃いです、ブラックフライデー商品かっって言いたくなる程。そしてスープの表面に背脂的なものが浮いています。
最初は甘さが前に来ます。先日いただいた広東麺ほどではありませんが、割と甘味が強い印象です。九州の醤油は甘いので、その辺の表現でしょうか。
その次に来るのが口のなかにふわっと広がる旨味成分、印象としては"めかぶ"だったんですけど(^^;。原材料を見てもそれが何なのかわかりませんが、とにかくめかぶのような風味が奥の方から出てくる感じです。そしてあとは豚、鶏、にんにくなどが濃い醤油味と一緒に広がってくる、そんな感じです。全体的に非常に複雑な醤油スープです。
そして加水多めのちょっと縮れた細麺、これがかなりよくできています。食べログの写真を見る限り、お店の麺はストレートなので全く寄せていないように思いますが、これはこれでスープにあった麺のチョイスだと思いました。
全体的にクオリティは高く、少なくともお店のイメージを落とす事にはならないと思います。ただ、お店の予備知識抜きに食べたとしたら、美味しいが特に印象に残るというほどでもないなぁ、というのが正直なところ。味が特徴的なお店であればやりやすいでしょうが、このお店のように奇をてらわないオーソドックスなラーメンを徹底的にクオリティを上げる事で勝負しているような高級店の場合、カップ麺化した上での差別化は難しそうですね。第二弾はどういう方向性で来るのか、楽しみにして待とうと思います。
RAMEN Break Beatsに行きたくなったかって?多分一生行く事はないと思います(笑)。そこまでのモチベーションが起きないという理由です。では並んでも食べられない完全予約制のカップ麺が出たら?あ、それなら頑張って予約するかも(笑)。