【書評】横浜駅SF 主人公偉そうだが何もしないでカッコつけてるだけ
どもー。相変わらず周回遅れの書評&映画評でございます。
横浜在住なもので、本屋に行くとこの本が平積みになってて、ずっと気にはなっていたのだが、今回ついに購入&読了。
柞刈湯葉作 カドカワBOOKS KADOKAWAによる第一回Web小説コンテスト(SF部門)第一回にての大賞受賞作とのこと。
自己増殖するAIというようなモチーフは目新しいものではないが、日本国内に縦横無尽に走るJR路線と駅の存在を有機的な何かになぞらえてAIの自己増殖と結び付けていくアイディアは面白い。
面白いんだけど残念ながら主人公が嫌い。どことなく偉そうな物言いをして、それでいて自分を変えたいと思いつつも他人の用意した土俵で動くだけで、最後まで特に成長したとか何か達成したということを感じさせない。この醒めたところが今風なのかなぁ…
登場人物では唯一、電気屋の二条ケイハ(これまたジャージ&メガネの機械オタクの女の子という、ヲタク臭い設定ではあるのだが)に好感が持てた。この人だけには明確な目的や信条の存在が感じさせられたので。続編もあるようだが買うかどうか。
1/24 ポリススピナー(1)難儀なキット
コイツです。
一言で言って難儀です。
ブレードランナーと言えばSF映画の金字塔。そのブレードランナーに出てきたポリススピナーと言えばこれまた、言わずと知れた名車でありますが、立体化されたものと言えば、懐かしのゼネプロのソフビや高価なガレージキット。最近ではDVDにおまけでついてきたメディコムトイ製というところでしょうか。
そんなポリススピナーが、インジェクションキットで入手出来るというのは、間違いなくありがたいことなんですが。
なんでしょう、この大味っぷりは。
まあオリジナルの方も、特撮用のミニチュアと実物大モデルでは細部が違っていたりするので、あまり細かいところを突っ込むのは野暮というものなのでしょうが、それにしても難儀すぎる。特に運転席。モニターがあるべきところが単なるつるっぺたの平面だったり、運転席中央の上部にぶら下がっているはずのメーター類がごっそり省略されていたり、シート(椅子)のディテールがまるっきり違っていたり。
一言で言って、愛が感じられないんですよ。愛が。
映画の公開から30年以上も経ってのキット発売というからには、当然ながら根強いファンの支持を期待し、その購買を期待しての販売であったはずなのに、これじゃあ「出してやったんだからありがたく思え。お前らマニアはなんだって金出すだろ??」の姿勢丸出しぢゃあないですか。
こんなキットなので、買ったはいいがガッカリ感満載で、イマイチ作る気になれない人が多くいるであろうことは想像に難くなく、ネットを見ても完成品が少ないです。
それだけに、数少ない完成品は、それこそ腕に覚えのある方たちの力作が並び、素晴らしいものになっているわけですが。
難儀じゃ…
なんか熱くなってしまいましたが、私も拙いながら制作することにしました。そういえばちゃんとした製作記事ってアップしたことがないので、しばらくお付き合いの程よろしくお願いいたします。