牛乳は骨粗しょう症の予防にならない |  「カラダ」と「ココロ」をととのえ若返り! とまりしゅんいちろう のブログ

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今日のブログは、

カラダを元気に」の分野から

現役のお医者さんであり、

作家でもある

久坂部羊さんの「カラダはすごい!

モーツアルトとレクター博士の医学講座」らの引用です。


 

ひとつお断りしておきます。

以下の内容は、あくまでも

久坂部先生の「持論」です。

異論がある、ということも

充分ご理解のうえ、お読みください。

 

 

 

 

 

 

老化が進むと、骨の

カルシウム分が減って、

「骨粗しょう症」になります。

骨質が薄くなり、骨がスカスカ

になるのです。

 

骨粗しょう症は男性より女性の

ほうがなりやすいですが、それは

女性の骨量がもともと少ない

上に、閉経でホルモンバランス

が変化するからです。女性

ホルモンのエストロゲンには、

骨芽細胞の機能を活発化

させる働きがあり、閉経後に

急にエストロゲンが減少すると、

それまで維持していた骨量が

保てなくなるのです。

 

ほかに骨粗しょう症の原因

には、以下のようなものが

あります。

 

  • カルシウムの摂取不足

  • ビタミンD不足(カルシウム

の吸収には、ビタミンDが必要)

  • 日光浴不足(ビタミンD

活性化には紫外線が必要)

  • 運動不足(身体を動かすこと

によって骨の形成が刺激される)

  • 喫煙(ニコチンが骨芽細胞の

働きを抑制する。胃腸を弱め、

カルシウムの吸収も減る)

 

牛乳にはカルシウムが多く

含まれるので、骨粗しょう症

の予防になると考えている

人も多いでしょう。しかし、

それはまちがいです。

 

アメリカで行われた

大規模調査では、高齢者の

場合、牛乳を多く飲む人の

ほうが、男女とも股関節の

骨折が多いという結果が

出ています。

 

そのためアメリカでは、

1998年から、牛乳で

骨粗しょう症の予防をという

コマーシャルが行われなく

なりました。

 

日本でも、2003年から、

牛乳の宣伝から骨粗しょう症

の予防が消えたようですが、

そのことはあまり知られて

いません。牛乳にはもちろん

よい面もありますが、

誤った効用がそのままに

放置されているのは問題

でしょう。

 

では、なぜ牛乳を多くとると

骨折しやすくなるのでしょう。

 

その理由は、牛乳を飲んで

血液のカルシウム濃度が

急激に上がると、逆に排泄

が進みすぎ、それを補うために

骨のカルシウムが溶けて、

血液に流れ込むからです。

 

カルシウムは心臓や脳、

筋肉の活動に重要な働き

をするため、身体が常に

一定の濃度に保とうとして、

過剰反応が起きてしまうのです。

 

カルシウムをとりすぎると、

腎臓結石などができやすい

という俗説もありますが、

これも逆で、結石は

カルシウム不足の人のほうが

できやすいことがわかって

います。

 

慢性にカルシウム不足が

続くと、副甲状腺ホルモンが

分泌され続け、骨から血液に

過剰にカルシウムが供給されて

濃度が上がるためです。

 

これを「カルシウム・

パラドックス」といい、最近、

注目されています。

 

同様の理由で、カルシウムを

サプリメントなどでとることも

勧められません。カルシウムが

足りないと、子どもは切れやすく

なるとか、高齢者は骨粗しょう症

になるとかよくいわれますが、

カルシウムのとりすぎは

高カルシウム血症となり、

血管、脳、膵臓などに

カルシウム沈着が起こって、

動脈硬化、認知症、糖尿病

の原因になります。

 

望ましいカルシウムの摂取は、

野菜や小魚から、継続して

適量をとることです。

 

すなわち、バランスのとれた

ふつうの食事がいちばん

ということ。

 

少しでも健康にとか、

アンチエイジングとかいう

欲を出すと、武器を売る

「死の商人」ならぬ、

「健康商人」につけこまれて、

かえって健康を損ない

かねません。

 

 

 

 

久坂部 羊「カラダはすごい!モーツアルトとレクター博士の医学講座」参照