いつものようにまた夜が明ける。
 毎日ほとんど同じことを繰り返しながら、ただ時だけが虚しく過ぎ去ってゆく。



 いつの間にか梅雨が明け、本格的な夏が始まろうとしている。

 そしてこの海にもようやく生命反応が表面化してきた。

 この日はなんと80センチのブリ。



 ライトタックルだったので手こずったが、よく走ってくれて楽しめた。

 久しぶりに身体中が震えるほど興奮した。



 初夏定番のシオとツバス。



 ツバス・・・



 シオ、ツバス・・・



 初夏の早朝の爽やかなひとときのジギングに小さいシオやツバスが時々釣れて、遊んでくれる。

 海に、太陽に、月に、豊かな自然に感謝。



 

 また、この日は近所の岸壁でふかせ釣り。

 倉庫に眠っていた古いNFTの0.6号のチヌ竿にリールはオリムピックのCOLT70で繊細な引きを楽しむ。まだまだ使える。



 暑いので午前中2時間程度の釣りだったが充分楽しめた。



 別の日、同じ湾内の岸壁でのゴカイを付けてのちょい投げ釣り。



 一番大きいのは25センチあった。



 釣れたツバス、シオ、グレ、キスの料理は

 塩焼きや




 シオやツバスはフライに




 また、グレなどは刺身に・・・。

 どれもとても美味しかった。




 相変わらず、かんたろうとトンはとても仲良しだ。



 こんなに暑いのに一緒に昼寝。



 思わず微笑んでしまう。



 毎日同じことの繰り返しのように見えて、少しずつ何かが変わってきている。

 このふたりを眺めていると、ふと忘れてしまっている何か大切なものを思い出すような気がする。

 いつまでも、ずっとそばにいて欲しい。



 早いものでトンが来てもうすぐ10ヶ月。かんたろうは2年と4ヶ月。

 そして私は、仕事を辞め、家族を失ってもうすぐ3年なる。



 私の中で何かが少しずつ、静かに変わっていく気がする。

 微かに夢と期待が膨らんでいくような・・・。



 おやすみかんたろう。いい夢見ろよ。

 あっ! これはトンだ。おやすみトン。


 今のところ今年の梅雨は晴れ間が多い。
 この日の夜明けには有明の月が、群青色の空に淋しそうにぽつりと浮かび上がっていた。



 すでに夏の到来を思わせるような真っ赤な太陽が辺り一面を見事な黄金色に染め上げてゆく。

 そして知らぬ間に、悲しみの月は儚く消えてしまっていた。

 輝く曙光を全身に浴び、昇りゆく太陽に向かって思いっきりジグを投げる爽快感がたまらない。



 思わず我を失い時を忘れる、まさしく至福のひととき。しかし、まだまだこの海岸には生命感が希薄で、ダツと手のひらサイズのシオくらいしか当たってこない。 




 久しぶりに沖磯に石鯛釣りに行く。この日も梅雨の晴れ間でまだ湿度も高くなく、穏やかな清々しい朝だった。



 ひとり、磯で竿を出せる悦び。幸せなひとときがゆっくりと流れて行く。

 この日は生き餌が手に入らず、全て冷凍物の餌だった。



 冷凍の赤貝、エビ、イカにはサンノジ(ニザダイ)が猛烈にアタックしてくる。



 冷凍バフンでどうにか小さなイシガキダイ1匹釣れた。



 ルアーを投げると小さなシオ(カンパチ幼魚)の軍団が足元まで追ってくる。ルアーが大きいので見切られたり、ミスバイトが多くなかなか掛からないが、どうにか2匹釣り上げた。


 

 餌も無くなったし疲れたので12時で終了。

 帰ってすぐシオとイシガキを捌く。





 イシガキは二日ほど寝かせる。

 シオは三枚に卸した後、中骨を丁寧に抜いてムニエルに。

 小さくても味が濃く、美味だった。



 別の日、冷凍庫にオキアミのブロックがあったので溶かして近くの岸壁へ。



 オキアミを撒きながら、渓流竿で軽いガン玉一個つけての脈釣り。

 竿が満月のように曲がり、しなってなかなか上がって来ない・・・繊細なやりとりがとても面白い。大きなシオには何度か切られたが、小魚がいっぱい釣れて、午後のひとときを満喫した。




 早速家に帰って、全ての魚を丁寧に捌いていく。



 カサゴは刺身に。

 新鮮な大きめのカサゴの身は透明感があり伊勢海老にも似たねっとりとした甘みが口の中でとろけて、絶品。熱燗で流し込む。



 コッパグレ、キュウセン、オオモンハタ、アイゴ、ヘダイなどは卸したあと小骨を抜いて一晩寝かせる。

 そして油で揚げて南蛮漬けに。

 シオはまたしてもムニエルで。




 真夜中のトン。大人しくゲージに入って寝ている。

 もうすぐ一歳、可愛らしい真っ黒の瞳に癒される。



 相変わらずかんたろうはマイペース。



 そして相変わらずの仲良し。トンはかんたろうに甘えっぱなしだ。

 ふたりを見ながら、私は朝焼けに儚く消えていった有明の月を想う。

 梅雨の晴れ間にほのぼのとした時間がゆっくりと流れてゆく。

 幸せか、淋しくないか、かんたろう、トン?

 ここに来て、よかったか。

 



 毎日がほとんど同じことの繰り返しで、ただ時だけが静かに、そして無意味に過ぎてゆく。

 気がつくとゴールデンウィークも過ぎ、五月も終わりが近づいている。



  ふと1ヶ月以上ブログを更新していないことに気づく。あまりの時の流れの速さにたじたじとなり、強烈な焦燥感に襲われ、果てしない虚しさを覚える。



 ただ、こうやって毎日のように夜明けの海に向かってジグを投げ続けていると時を忘れ、何とも不思議な忘我の境地に陥ることがある。



 魚が釣れなくても、圧倒的な自然を目の当たりにすると、何も考えない、恍惚とした愉悦感に襲われる。

 海を見ている自由の時間。昔から憧れ、求めていたものはそれだけだった気がする。

「老後は毎日ただ静かに海を眺めているような幸せな老人になりたい」とテレビで誰かが言っていたのを思い出した。




 この日久々に朝から晴れ渡ったので、気分を変えて近くの岸壁にサビキ釣りに出かけた。



 エサはマルキューの「あとは釣るだけ」。これだと手も汚れず、匂いもない。



 まだまだ、魚の活性は低く、他の釣り人はいない。

 小さなムツ。



 定番のイソベラ。



 小アジだけ持って帰る。



 高温でカリッと唐揚げにする。

 ビールのつまみに最高。

 サビキ釣りは手軽なのでまた行こう。




 毎朝のルーチン。

 台所に入れてくれと、ドアから覗くかんたろうとトン。



 目が怖い。




 かんたろうに甘えるトン。



 ドヤ顔でこちらを見てくる。



 暑くなったのか、トンは最近畳の上に寝そべることが多くなった。



 仲の良さに思わず笑みがこぼれる。



 虚しい毎日の繰り返しの中で、本当に癒されるひとときだ。

 ありがとう。

 おやすみ、かんたろう、トン。

 長生きしろよ。