師走も終盤を迎えた今朝の夜明け前、澄み切った冷気の中、鮮やかな橙色の曙光を浴び、穏やかに横たわる池のような静かな海。
 釣り人も日々減って行き、今朝は全体で
2人だけ、今は何も釣れない時期なのだろうか。




 この時期、毎年のことだが沖磯は腕を競い合う殺気だったグレ釣り師で溢れかえり、どの磯も我先にという高揚した釣り師の異様な興奮の飽和状態に包まれている。
 自然に溶け込み、自然と遊び、自然の中で弁当を食べるという、些細な楽しみだけを求めている今の私のようなささやかな石鯛釣り師はとても近づけない雰囲気だ。

 しかし私も15年前までは、この時期、血眼になって、他人とグレの数や大きさを競い、自慢したいがために沖磯に毎週通い続けていたのだが。




 
 退屈なのでAmazonで釣りの小物を仕入れた。
 まずは拾ってきたエギを掃除した後、羽根を付け替える。


 ちょっと汚く仕上がってしまったが、まぁいいか。早く試してみたい。




 久しぶりに帝国ホテルのチョコレートが食べたくなったのでネット注文。




 とっておきの時間に少しずつ頂こう。






 箱入りの、かんたろう。よく似合っている。



 退屈そうなので遊んであげる。

 獲物を狙う、鋭い眼。



 
 気づくと、こっちが遊ばれている。
 疲れると、またストーブの前で倒れる。






 気持ちいい〜。



 変な顔を撮るな、と怒る。





 出会った頃の、公園でのかんたろう。帰ろうとしても、ストーカーのようにずっとついて来た。



 昨冬の黄昏ゆく公園で、氷雨そぼ降る中、哀しく無心で爪を研ぐ、痩せたかんたろう。 



 今年は暖かいだろう。

 おやすみ、かんたろう。
 明日はクリスマスイブだ。




 相変わらず私は意味のない日々を、猫と一緒に海辺の小さな町で、ひっそりと過ごしている。 

 
 今週、天気予報どおり、ついに強烈な寒波がやってきた。
 この日の早朝は-2°C。海面から湯気が立ち上り、まるで温泉のようだった。水温は多分22°Cくらいある。遠くの島々が雲の上に浮き上がったように見える。
 
 
 
 キーンと張りつめた冷たく澄んだ空気の中、それでも結構人はいた。
 しかし魚の気配はなく、寒さに震えながら、登りゆく太陽の曙光を浴び、穏やかな海面に対峙しながらどの釣り人も静かに佇んだままだった。
 
 
 

 帰って、先週の岸壁でのちょい投げの時に引っかかり回収した餌木、ライトジグを綺麗に洗って磨く。まだまだ使えそう。
 
 
 


 寒い中、近くの漁師町を散歩がてらに歩く。余りに釣れないので、途中で見つけた石像に手を合わせ拝む。
 
 

 もう少し歩いて、御利益のありそうなお寺にも立ち寄り、お賽銭を入れ再び、手を合わせ祈る。
 
 

 
 いつものスーパに珍しく北海道産のウニがあったので、悩んで売り場を何周もしながら思い切って買った。
 久々のウニ。口の中で甘くとろける。
 
 
 

 翌日、同じスーパーでまたまた珍しいバショウカジキの刺身があった。これは安かったので即購入。
 本マグロより酸味が少なくあっさりと甘い。
 
 
 

 次の日は定番のかつおの刺身。地元産だが脂がのっていて濃厚な味わい。ニンニク生姜醤油で、半分はそれにマヨネーズをかけて頂く。
 全く違う食感と味わい。ご飯にもお酒にも合う。
 
 

 魚ばかりなので、たまには中華、八宝菜。
 以前釣った冷凍アオリイカをたくさん使って、CookDoで味付け。
 

 
 別の日、切落とし牛が安かったので、昆布と鰹節で丁寧に出汁を取って、牛丼も作ってみた。
 卵黄と混ぜて、熱々のご飯の上に。余りの美味さに思わず掻き込む。
 


 贅沢し過ぎたので次の日はフィッシュソーセージの炒め物。レタスとマヨネーズで。
 
 
 自家製ぬか漬けとちりめんじゃこも添えて。お茶漬けで締める。
 
 
 

 
 寒波到来の厳しい寒さの中、遠赤外線ストーブの前から離れようとしない、かんたろう。
 さすがに寒いのか、今週はずっと一緒の蒲団で寝ている。
 
 

 
 
 去年の同じ頃、年の暮れにひとり淋しく公園で佇むかんたろう。
 


 公園で過ごす厳冬は、想像を絶する生死がかかるほどの寒さと厳しさだっただろう。

 よくぞ生きていてくれた。

 

 今思い出すのは、 
 じっと見つめて訴えるその瞳に魅せられ、日々悶々と心を揺らし、一緒に暮らす夢のため、空き家を探し、準備していた慌ただしかった去年の年末の出来事。
 そして、家族と仕事を失ったことに端を発する、私の寂寥とした中空の心をいくらかでも埋め戻してくれたその瞳の輝き。

 
 
 今は、クッションに同化して、こんなに気持ちよさそうに丸くなって寝ている。
 その姿を眺めていると、本当に連れてきてよかったという、しみじみとした充足感に包まれる。

image
 
 
 おやすみ、かんたろう。
 今夜も酷く底冷えがする。
 寒いから蒲団の中へ入ってきて一緒に寝よう。
 

 

 今も私は、海辺の小さな町でひっそりと、猫と一緒にどうにか生きている。

 相変わらず、12月に入っても、夜明け前のショアジギングは当たりすらない 
 繰り返される日常。

 しかし、勤め人だった頃の、常に世間に調子を合わせて、疲れ果てていただけの36年間の日常に比べ、1年近く過ごしたここでの日常生活の何と人間的なことか。生きているという実感を、自然とともに常に感じ続けることができるという喜び。


 
 
 夜明けの静かな海を眺めていると、突然「海を感じるとき」というそんな小説を昔、10代の後半、まだ未知なる未来に希望を夢見た頃に読んだことを想い出した。そしてその頃の様々な情景がふと浮かんだ。
 淡くて、苦い青春の一コマだ。
 思い出に耽りながら、気づくと老いてゆく儚い自分の人生をしみじみと実感していた。

 日はまた昇る。
 
 



 10日、水曜日。
 勤め人だった2年前まではボーナスの支給日だったなぁ、と溜息をつきながら、穏やかで暖かい日だったので青イソメを500円分買って、近くの岸壁へ向かう。
 いつもの480円で買ったグラスロッドと古いスピニングリールでちょい投げ。
 潮回りがよかったのか、よく釣れた。
 
 

 小一時間の釣りで25センチのキス3匹、18センチ級のキス10匹と小ヘダイ。

 この安物のグラスロッドは腰が弱く魚に抵抗を与えにくいのか、食い込みがよい。反発力も弱く、投げても飛距離は出ないが、慣れると使いやすい。当たりが出ても合わさず、ゆっくり引っ張ってやれば乗るのだ。
 
 

 18センチ級のキス10匹は開いて、大きいキスは3枚に卸して、塩する。
 
 
 
 
 大きいキスとヘダイは湯霜にした後、軽く昆布締めした後、酢で締める。
 

  

 一晩寝かして、キス10匹と、ジャガイモを天ぷらに。ついでに竹輪があったのでチーズを挟んで磯辺揚げに。
 夏場と違ってキス特有の臭みが取れて、甘い脂が乗っている。 
 塩だけでいただく。
 衣をつけ油で揚げているのに、一口頬張るとキスから滲み出る甘い脂と、塩が、揚げた油との相乗効果で口内に染み渡り、舌を通してその甘い感覚が脳みそまで響き渡る。
 
 


 スーパーで寿司を買ってきて、海老、貝、ハマチをはずしてキスと、ヘダイを乗せる。
 キスもヘダイも、昆布と酢締めがとても相性がいい。昆布の甘みと酢の酸味、魚の脂が三位一体となって、舌を振るわせ、口の中に香味が溢れる。
 幸せなひととき。
 
 

 
 残りは、刺身に。
 とても食べきれないので、天ぷらの残りは翌日へ。
 
 
 
 

 近くのスーパーでは、相変わらず地元産のかつおが安いので買ってきて刺身にする。少し身が堅くなってきたがまだまだ美味い。
 痛風の発作を恐れながら、戻りかつお特有の濃厚なもっちりとした感触をゆっくり噛みしめ、味わう。
 
 

 
 
 
 新聞を読んでいると必ず邪魔をしにくる、かんたろう。
 クシャクシャにした紙面の上に乗り、何食わぬ顔をしてとぼけている。いつものことだが憎めない。思わず顔がほころび、ひとり微笑んでしまう。
 

 
 遊んで欲しいのか。目が誘っている。
 
 

 ところが、遠赤外線ストーブの前では、気持ち良すぎて全身の力が抜けてしまい、だらしなく意識を失ってしまう、かんたろう。
 
 

 そして暑くなり過ぎると、少し離れてクッションの上で体を冷やす。
 
 



 来週は寒波到来だそうだ。寒くなるよ。
 夜、今は枕元のストーブの前で寝ているけど、来週は蒲団の中で、一緒に寝よう。

 日はまた昇る。

 おやすみ、かんたろう。