生命、迸る。まさに「ライブ」でした。
「Neo Ballad」は、ヴォーカル・若狭さちさんとドラム・上領亘(カミリョウ ワタル)さんの2人ユニット。日本各地の民謡を、現代感覚でロックそのもののようにアレンジし、演奏します。若狭さちさんは民謡出身ですがロックバンドのヴォーカルをしていたこともあるマルチなシンガー。上領さんはドラマーとして高名な方です。
今年4月に結成されたばかりのユニットですが、9月2日、5回目のライブにして、ワンマンを決行しました。普通なら「無謀」とも思えますが、会場の渋谷「Last Waltz」は見た目80人ほどの観客で超満員でした。
2人だけのユニットでもあり、上領さんの得意分野でもあることから、ライブでもほとんどの音は打ち込みになります。民謡に新しい命を吹き込もうと、若い人を中心に色々な試みがなされていますが、このやり方は一つ間違えると大失敗するリスクをはらんでいます。私自身、普段は打ち込みの電子音があまり好きではなく、どうしても生音に愛着を感じます。
しかし「Neo Ballad」は、このやり方で大きく成功しています。電子音もさほど気になりません。
さちさんのヴォーカルが、あまりにも生き生きとしているからです。
歌いながら、奔流のようなエネルギーを絶え間なく客席に送ってきます。
これまで色々なユニット・バンドで活動するさちさんを見てきましたが、今日のステージ、「水を得た魚のようだ」と思いました。
ちなみに、和装で歌い踊るさちさん、めっさ艶っぽくて、もうドキドキでした。(*^▽^*)(*^ー^*)(*^□^*)
そして、上領さんのビートが圧巻。曲は民謡なのに、ノリは完全にロックでした。超満員の会場で私も立ち見になってしまったのですが、逆にそれをいいことに、もうロックライブのつもりでノリノリで聴いていました。オールスタンディングだったらタオル振ってたかもです。(^0^)/^^ というより、他のお客さんがどうしてじ~~っとして聴いていられるのか、不思議でなりませんでした。「民謡」のお客さんが多いからでしょうか。
O.Aの「Kao-s」(カオス)の皆さんもカッコよかったです。ヴォーカル・ギター・津軽三味線の「和」ユニットですが、ヴォーカルの川渕かおりさんは演舞・剣舞もされるという、異色のユニットです。日本人の心の中にある陰影をそのままステージ上で表現するようなパフォーマンスを見せてくれました。
http://www.kaos-japan.com/
「Kao-s」津軽三味線の寂空(ジャック)さんは「Neo Ballad」のステージにも何曲か参加されていました。三味線の生音が加わると、「Neo Ballad」の演奏がさらに生き生きする感じです。
そして寂空さん、演奏中に3本の弦のうち2本までが切れるというハプニングに見舞われたにもかかわらず、残った1本の弦で突然「Happy Birthday」を弾き始め、翌日が誕生日だという上領さんに見事サプライズを仕掛けていました。\(^0^)/
上領さんはMCで、自分たちの世代は「和」の音楽に対して反発があるけれど、今の若い世代のミュージシャンは、洋楽の素養も持ちながら「和」の音楽を素直に受け入れている。自分たち「Neo Ballad」も含めて、こういう音楽シーンが広がっていけばいい、という趣旨のことを言われていました。
日本に古くから伝わる民謡。決して古臭い音楽ではなく、みずみずしい生命を持った音楽です。若い人でも、古来からの演奏法を極めようとする人もいれば、現代風に仕立て直す人もいます。どちらがいい、悪いということはなく、要はその生命を引き出しているかどうか、ということだと私は思っています。
「Neo Ballad」は「ロックな民謡」で、このシーンをリードしていくことでしょう。今後に注目です。
http://ameblo.jp/wakasasachi/
(若狭さちさんブログ)