本 『介護はつらいよ』 | 韓国語教室 とるめんい川西

韓国語教室 とるめんい川西

2005年から兵庫県川西市で韓国語を教えています。

2006年からUターン介護された方の手記。


男性による本格的な介護本が、『母さん、ごめん。(2017年刊)』より前にあったんだなと
まず思いました。

著者は平凡パンチなどを編集してきた業界人。
いつか田舎の両親に介護が必要になったら、長男の自分がすると決めてらっしゃったそうです。
定年退職して数年、その時がやってきたので、田舎にUターンして介護生活が始まります。
まず認知症のお母さんの介護。排泄介護までされるのですが淡々とした筆致です。
地元だから夜は昔の仲間と飲んで遊ぶなど息抜きをしているとはいえ、
弟に不満を述べることなく、一手に引き受け介護に専念されている姿は、
いくら「覚悟していた」からとはいえ、若干の世代の差を感じました。

前述の『母さん、ごめん。』は同居していた母親が認知症になって
やむを得ず介護生活に突入するのですが、その葛藤が書かれていて共感することが多かったです。
著者と年が近いからかな。
独身だからか。

んーこの差は何なんだろう。
世代の差?覚悟してたかどうかの違い?
それが装丁、タイトルにも表れていますね。
この方の性格?
なんか日記みたいな部分もあり(AVの話とか、不倫の子の話とか)
そういうの読むために借りたのではないので、突然出てくるおじさんのAV話に
それはない方がいいかなと思いました。
フィルターがかかってしまうのかもしれません。

この方が大変な介護生活をされたのはわかるのですが
『母さん、ごめん。』のほうがスッキリしていて、心の葛藤を描く介護本としては成功していると思います。