『先生とわたし』(2007年)四方田犬彦 | 韓国語教室 とるめんい川西

韓国語教室 とるめんい川西

2005年から兵庫県川西市で韓国語を教えています。


70年代のアカデミックな別世界(東大駒場キャンパス)での内輪話。
由良君美(ゆら きみよし)先生という、四方田先生の恩師をめぐって書かれてた内容です。
頭の良い人たちはこんな話を日常にしているんですね。全部読んだわけではないけど…。
知りたかった部分だけ読みました。
私が図書館でこの本を選んだのは、四方田さんの書いた本だから。

四方田犬彦さんといえば、NHK教育テレビで、日韓ワールドカップ(2002年)の時期に、
その名もズバリ

『大好きな韓国』

という番組をシリーズでされてたんです。

まだ韓流もなく、嫌韓もなかった頃です。

韓国文化や習俗をわかりやすく解説してくれる30分番組でした。
韓国映画についても知識の豊富な方でした。
ビデオに撮ったのをまだ置いてます。語り口も明快で面白かったです。
79年~80年に(大学卒業後)日本語講師としてソウルに滞在されてたそうです。
あの頃の韓国って・・・すごいですよ。西洋の文物ばかり研究されてた方がなぜ。
カルチャーショックを経て、恩師と話が合わなくなるのもわかる気がします。

すっかり頭の中が韓国での体験でいっぱいになり、興奮を隠しきれないでいた者と、
 現在の韓国について直接には何一つ知るところのない者との間の温度差・・・」

その後、個人的な問題から不安定になっていた先生と、断絶してしまう事件が起こります。


それにしても英文学とか、フランス文学とか、
違う世界から方向転換して韓国関係に入ってくるエライ人が時々いらっしゃるんですけど、
そういう方って、別の分野が専門だったにも拘わらず、
韓国のことをやり始めると、あっという間にその権威になってしまうんですよね。


これは四方田先生が2003年に受けたインタビュー記事。
http://www.mammo.tv/interview/archives/no127.html

四方田先生の韓国への視点は愛情が感じられるので好きです。

追記)
四方田先生が1979年に韓国に行かれる時、
紹介状を書いてもらいましたが、その受け入れ先の先生は「羅英均先生」だったそうです。
以前こちらの記事で紹介したことがあります。英文学つながりなんでしょうね。
https://blogs.yahoo.co.jp/tolmengi/64743989.html

追記2)
その後、「羅英均先生」を検索したら、80代のお身体で
東京にある大学に数年前に講演に来られたという記事を発見しました。
정정하시네요.

それから数年前に日本で翻訳書も出ているのですが、その訳者が以前
私が川崎で住んでいた時に知り合ってたHさん(日本人)でした。
Hさん、あれから15年、すっかりご無沙汰してすみません。
着実に実績をあげてらっしゃっていて、さすが!です。