90年代の韓国人旅行客 | 韓国語教室 とるめんい川西

韓国語教室 とるめんい川西

2005年から兵庫県川西市で韓国語を教えています。

韓国人にとって今は日本旅行が大人気で、日本で食べた料理をSNSにアップして
その美味しさを絶賛している記事を簡単に見つけることができる昨今ですが
90年代は「薄い」「味がない」というのが日本料理の一般的な感想だったんですよ。
概して不評でした。なので携帯用コチュジャンを持ち歩いたりしてました。
今の日本料理ブームには隔世の感がありますね。

舌が受け入れるまでに少し時間がかかるということですかねー。
たしかに私の両親も、外では和食以外の料理は食べませんでしたし、
コーラは薬みたいと言って嫌ってましたし、ハンバーガーに及んでは
お金くれても食べたくないと言ってました。
その子供世代(私の世代)でそんな人は珍しいですもんね。
子供の頃からあるのとないので、受け入れ許容度が違う。
韓国料理しかなかった世代には、和食は「薄い」「甘い」「味がない」でした。

私の実体験なんですが、炊き込みご飯にコチュジャンを混ぜて食べるところを見ましたし、
また、90年代に韓国人をボランティア通訳で案内した時、こんなことがありました。
「うどん」を注文したんですが、出てきた途端、機嫌悪くなられました。

ーこれだけ?たくわんのようなものはないの?

ーあ、たくわんですか?ええっと、たくわん150円ですが注文しましょうか?

ー別料金なの?もういいわ!

何か頼んだら数品おかずがならぶ韓国と比べて話にならないといったようすでした。
私たちは韓国からのお客様をもてなしたいと思っていたので、システムの違いに申し訳なかったです。
最初から〇〇定食をお勧めするんだった(そしたらおかずもつくから)、
うどんなら、うどんしか出て来ませんと説明すべきだったと後悔しました。

夜は労働運動系の交流会で居酒屋に行ったんですが、
色々なメニューがあってテーブルに所狭しと並べられた多彩な料理。
韓国では見たことない光景だったと思うのですが、そこでも苦情が出ました。

ーこれは宮廷料理ではないの?私は庶民の料理が食べたかった。

綺麗に盛られた料理を見てそう思われたようです。
日本の庶民の料理・・・? とは何だろう。
その時ちょっとよくわかりませんでした。
これは宮廷料理ではありません・・・というのが精いっぱいで。
否定しても、上流階級の料理だと言い切ってらっしゃいました。
最初は綺麗だなあと思ったけど、だんだん違和感を覚えたと。

何のお店にお連れすれば良かったのかなと今も思います。
普通の居酒屋だったので、十分に庶民の店だったと思うんですが。

韓国でいえば全員でつつく鍋なんかをイメージされていたのかな。
なので、一品ずつ出てくるのが嫌だったのかな。
韓国では日本料理は(昔は接待とかで利用する)高級イメージだったので、
高級な食べ物と誤解されたのかもしれません。

そんな文化面からもっとご説明すべきだったのに、語学力も不足してて役不足で申し訳なかったです。
あの方はどうされてるかな。今は日本料理を受け入れて下さっているでしょうか。

(追記)
検索したところ、日本は宮廷料理がないんですってね。
どおりで耳慣れませんでした。

 

 

 

(追加 2025)

日本のうどん屋で、たくわん2きれ(ぽっち)があんまりだと、韓国の方が言及されてます↓(韓国語の映像)

あの時のあの方も、こんな感じだったなーと思い出しました…