『なぜ私は韓国に勝てたか』★★★★★ | 韓国語教室 とるめんい川西

韓国語教室 とるめんい川西

2005年から兵庫県川西市で韓国語を教えています。

面白かったです。

なんか読んでる途中で80年代
 ー民主化される前の韓国を書いた本を昔はよく読んでたんですがー
その頃の内容がフラッシュバックしました。

すごく貴重な体験資料だと思います。
検察が起訴をするまでのいきさつとか、水面下の攻防が面白かったですね~。
日本の総理はその日何をやってたか「首相動静」として新聞に載ってますが、
韓国の大統領はそういうのはないんですね。
あと男女関係の否定が大統領府にとっては結構重要なポイントだったんだな…。
検察や裁判官の動き、最後の外交部からのお達しの謎とか、
加藤氏の解説(推測)でなるほどと理解ができました。

『私はなぜ韓国に勝てたか』
 -朴槿恵政権との500日戦争ー 産経新聞ソウル支局長 加藤達也
 1400円 産経新聞出版

産経新聞の加藤氏は私とは考え方が違う部分もあると思うけれど、基本的にいい人ですよね。
韓国に対して愛情を持っているし、この本はお勧めです。
親近感がわきました。もしお会いする機会があればサイン欲しいです^^。

★5つだとしたら、★4,8 です!

0,2の部分は、韓国社会の側面を解説するために、他の問題(従軍慰安婦問題やナッツ・リターン問題や、戦争責任の裁判)の解説が入るのですが、それは私としてはなかったほうがすっきり読めたと思います。
それから著者のせいではないと思いますが、タイトルと帯が過剰に戦闘的で嫌です。




あと私が再三このブログで書いてる「証券街の情報誌(チラシ)」の件ですが、
これは最初の頃は朝日新聞でも
 ー証券街の情報誌を引用しーってそのまま書いてたんですが、いつのまにか「証券街の情報誌」ってカッコつきになり、おとといの新聞を見ていたら、「何人かの韓国記者に聞くと」という注釈ながら、
-だれもうのみにしない「証券街の関係筋」の話を引用したためーというふうに書かれていたのにも表れているように、この言葉の翻訳、行き違いが発端の一つになっていると改めて思いました。まあこれは
この本に書いてるわけではなく、私の独断的見方なんですけどね。

●わかりやすく図示すると次のように言葉が変わっていくのです。

【朝鮮日報コラム】증권가 정보지によると…韓国人が韓国語で読むぶんには、はやりの隠語と認識できる

                ↓

【加藤記者コラム】証券街の関係筋によると …日本人がこの日本語で読むと、正当なもののように読める

                ↓

逆輸入【ニュース・プロ】 증권가 관계자에 의하면(証券街の関係者によると)…元の韓国語になってない
                韓国人が読んで、さもあるような感じ
                       逆輸入の文章は、もはや隠語と認識されない!!


さらに外信を引用して政府批判をしていたこの≪ニュース・プロ≫は、加藤記者のコラムを紹介する前に、痛烈な政権批判の文章「悪意の論評」を書き添えていたそうなんです。タイトルも変えて。
これが問題を「複雑化」させた。

韓国人は加藤記者の書いた日本語記事ではなく、ニュースプロの翻訳記事+解説記事+付け足しタイトル(男女関係をより匂わせるもの)を読むことになった。

上記の事情により(かどうかわからないけど)
朝鮮日報記者は不問、加藤記者は捕まり、ニュース・プロの翻訳者は捜索されたが雲隠れしました。


でも最後に「無罪」になって本当に良かったと思います。
内実は関係者も戸惑ってたり、励ましてくれる市民がいたことがわかり安心しました。



参考:私の以前の記事「証券街のチラシ」
http://blogs.yahoo.co.jp/tolmengi/64305497.html