한턱내다 ハントン ネダ(奢る、ごちそうする)
この言葉の語源について、不思議に思っていました。
どうして

한 ひとつの 
턱 顎を 
내다 出す   なのか?

いまいち感じがわかりません。

検索すると同じように語源を巡って考察している文章がいくつかありました。
それらによると、

1、昔々、寺で栗がたくさんなって、栗のむいた殻が顎に達するまでたくさん食べた。
  한턱먹다(いっぱい食べる→食べさせてもらう) → 한턱내다 (おごる、ごちそうする)となった説

2、턱 は「顎」ではなく、「もてなし」
  語源は 혜택[恵沢]の 택[沢=澤]  あるいは  덕[徳]の音変化したもの。
  한 は「大きな」
  なので、良いことがあった時に大きな徳をもってもてなす。良いことを分かち合う意味。

3、턱 は 턱없이(とほうもなく…だ) < 터무니없이(とんでもなく…だ)
  よって 한턱내다 「とほうもないほど盛大に支払うこと=ごちそうする」


私は2番が一番ピンときますね。
턱 は 덕[徳] の変化した形と思えば、覚えやすいと思います。



★ちなみに、「私がおごります。」という表現は
제가 살게요. のように、 사다(買う)という動詞を使っても表現できます。
한턱내다 より、こっちのほうが一般的によく使います。
한턱내다 は、本人に良いことがあった時に、高価なものをご馳走するイメージなので、
チャジャン麺を奢るくらいでは言わない^^?
한텩내다 は私も昔、教科書で習いましたが、実際はあまり聞かなかった記憶があります。


★★また、最近は親しい友達同士で오늘은 내가 쏜다!(今日は俺がおごるよ)と言ったりしますが、
この表現はここ10年くらいに急速に広まった新語で一種の若者言葉です。
気軽に한턱쏠게! とも言うようです。

쏘다 は(鉄砲を)撃ったり、(弓矢を)射るという意味です。
「バーン!とご馳走するよ!」みたいな、威勢の良いイメージかな~と思ってましたが、
もともとは広告のキャッチコピーから始まった表現だそうです。
http://h21.hani.co.kr/arti/reader/together/29058.html
(出処)

またはお勘定の時に、私が…僕が…と言いながらカバンから財布を出そうとする姿が
拳銃を抜き出して撃とうとする姿に似ているからという説もあります。
なるほど。おもしろいですね。