アリラン(1968) ★★★★★ | 韓国語教室 とるめんい川西

韓国語教室 とるめんい川西

2005年から兵庫県川西市で韓国語を教えています。

イメージ 1

イメージ 2

幻の名作、映画『アリラン』は1926年度、監督ナ・ウンギュ。無声映画。朝鮮戦争時に行方不明。

その後、何度もリメイクがされています。
上の画像は1957年度の映画『アリラン』、監督キム・ソドン。




2009年3月1日【3・1節】90周年の今日、
私が見たものは1968年度の映画『アリラン』です。(画像を探すことができませんでした。)

日本統治時代の朝鮮半島のある村で…。
主人公はヨンジン。
独立運動をしていたが憲兵の苛酷な取調べにより狂人となったらしい。
映画の最初から、気が触れた演技で登場します(この演技もすばらしい)。
鉄道を作るため、貧しい村人が総動員されているが、米の配給が少なく食べていくのも難しい。
 (日本の悪徳役人「なっかむらさん」たちの日本語韓国語まじりの台詞は少し笑える。)
そこへヨンジンの昔の運動仲間が里帰りし、村人の先頭に立って日本の悪徳役人と対決するが・・・。

ヨンジンの妹が可愛らしい。昔の韓国映画の女性のしゃべり方だ。
(日本の昔の映画もそうだが、韓国も今とはしゃべり方が違う。特に女性。ウフン~みたいな感嘆詞が多い^^)

日本人に媚を売る[親日派=民族を裏切った人]の朝鮮人も登場するが、
ある意味、生きていくためだったとも思える。
程度の差はあれ「よりよく生きたい」と願うのが人の常であり、
その時代の流れに乗って利益を受けようとするのは昔も今も同じだ。
信念を曲げずに打たれて死んでいく人が、人々の胸を打つが、
最近は年をとったせいか、悪人側の人生をも考えてしまう。
そりゃあ莫大な財産を築いた親日派は断罪されて当然と思うけれど
この映画に出てくるような片田舎の哀れな下っ端たちは…責められない。
「おまえのためにやっているんだ」と片思いの彼女に何度も告白していた青年も
幸せに豊かに食べていくには、そうするしかない状況と判断したんだろうし。



郵便配達員の演出がいい味だしてる。
以前チラッと見たことがあるような。峠の郵便配達員の場面・・・。
あの村の風景・当時の服装・家々・峠・青空・木の枝・・・
想像以上に映像や内容が素晴らしく、時間がすぐにたちました。





ぜひ機会があれば、1968年の映画『アリラン』をご覧下さい。



《参考サイト》
1926年の映画『アリラン』の広告 
http://blog.naver.com/hasangstory?Redirect=Log&logNo=150012210879

米国映画サイト、「失われた映画トップ10」に『アリラン(1926年)』を選定 
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=106&oid=081&aid=0000164516