For love or money...Desire | In The Groove

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a beautiful tomorrow yea

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U2
のナンバー“Desire”が、俺の頭の中をループする、「のため、それとものため、マネー!マネー!マネー! 欲望」。


新しい2012、一番最初の日、シャンパンの宴の席で、カラオケで、U2の“New Years Day”を唄ったことが、つい先日のことのように思い出される。政治的な匂いを時に感じさせる、キャッチーなメロディラインとセンチメンタリズムで、英国の人気ロックバンドだ。


オバマが再選を果たした翌日、世界は何事もなかったかのように、静かに1日が過ぎていったが、ニューヨークのセントラルパークはで覆われていた。2008915日のリーマン・ショック以降、2009から2012までの4年間は、正に激動の時代として、後世に語り続けられるはずだ。


83回アカデミー賞2011227日)では、『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実 』(日本公開/20115月)が長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した。2010末から2011にかけてアラブ地域で展開された「アラブの春」、そして201111月以降、アメリカで展開された「ウォール街を占拠せよ」の99%の反乱も、我々の記憶に新しいところだ。
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ウォール街占拠運動には、ノーベル賞経済学者ジョセフ・スティグリッツも参加したが、
20102月に日本で発行された同氏の著書『フリーフォール グローバル経済はどこまで落ちる』は、以前のブログでも取り上げたが、それは経済再生の処方箋であり、新しい資本主義秩序の提示だった。


前回のブログで、ニコール・キッドマンのノスタルジーに少しばかり触れた際、バートン・マルキール著『ウォール街のランダム・ウォーカー』の、第1章の始めに引用されたオスカー・ワイルドの言葉を紹介したが、同書最終章となる第14章の最後には、ラ・ロシュフコーの言葉が引用され、何度読んでも興味深いので、一部抜粋して紹介したい。


ある意味で株式投資は男女の道に似ている。結局のところ、株式投資はある種の特殊な才能と幸運という神秘的な力の助けを必要とする、一種のアートだからである。ラ・ロシュフコーはある時、次のように言っている。


人間は、常に自分のしてきたことを自慢したがるが、素晴らしい功績もほとんどの場合、優れた計画によるというよりは、単に幸運に恵まれたからに過ぎないのだ。


そう、この4年間は、劇場公開されたどのハリウッド映画よりも、色んな意味で、刺激的で、面白くて、人類にとっては決して忘れられないであろう、激動の年となったのは確かだ。 


1955に初刊が発行され、現在に至るまで版を重ねているジョン・K・ガルブレイス著『大暴落 1929』(2008929日発行/日経BP)のまえがきは、90年代からの回想ではじまる。ニコール・キッドマンが、雑誌『DuJour』のインタヴューの中で、トム・クルーズとの結婚について、“We were in a bubble, just the two of us.”と言ったが、その根底に流れる狂気を一言で言い表したのが、正に“Bubble(バブル)”に他ならないのだ。


以前のブログでも詳細に取り上げたが、最近改めて読み直したF・スコット・フィッツジェラルド著『グレート・ギャツビー』と、ジョーダン・ベルフォード著『ウォール街 狂乱日記』の2冊は、レオナルド・ディカプリオ主演で映画の撮影を終え、日本公開を来年に控えている。この2冊に共通する言語は、ニューヨークを舞台とした、“Bubble(バブル)”なのだ。


1980年代の狂騒を描いた、マイケル・ダグラス主演『ウォール街』をはじめ、クリスチャン・ベール主演『アメリカン・サイコ』もそうだが、フィッツジェラルドによる1920年代のアメリカの狂騒を、ギャッツビーを通して描いた『グレート・ギャツビー』にも、煌びやかな時代とは対照的に、滅びゆくものの美しさを描いているのだろう。


そう、ゴードン・ゲッコーをはじめ、パトリック・ベイトマンギャツビーという人間を通して、ハリウッドの頭脳が結集し創り上げた、いわゆる「アメリカの夢」を描いた作品ゆえ、誰もが興味を抱く所以なのだと思う。99の凡庸な人々を描くよりも、1の中のひとりの人物を描いた作品のほうが、或る意味で、魅力的な、興味深い作品に昇華することは否めないはずだ。


ところで、結婚しない超大物ハリウッドスターが、先述したレオナルド・ディカプリオであることは確かなのだが、常にアルマーニスーツを身に纏い、次から次へとスーパーモデルとの恋愛を繰り返す彼の姿は、どことなく、華麗なるギャツビーにも重なる。今の時代に、公私にわたり、彼のような洗練を極めたようなライフスタイルを送るのは、残念ながら不可能だ。もしも君が、トム・クルーズなら話は別だけれど。


来年、日本でも公開となるディカプリオ主演作『華麗なるギャツビー 』の予告編では、U21991のナンバー“Love Is Blindness”がカヴァーされ、ジャック・ホワイトが唄う同名曲が流れている。また、この曲は、ニコール・キッドマンの美しかった結婚生活のノスタルジーにも通じるであろう、或る意味での“バブル”を形容しているのかもしれない。


ところで、俺自身のブログに目を向けてみると、昨年は“Dont Think ”(20111231日付ブログ)で終わり、今年は“I discovered a star ”(201217日付ブログ)で始まった。ニコール・キッドマンのように、ノスタルジーや、センチメンタリズムに浸りたいのであれば、U2の音楽は最高なのだろう、きっと。


変化って悪くないもんだよ。

それを楽しまないと、さ。

―トム・クルーズ



Have a nice day!