2012年は、どういう年になるのか。
世界的に見ても、今年は間違いなく「政治」の年だろう。台湾総統選(1月)、ロシア大統領選(3月)、フランス大統領選(5月)、インド大統領選(7月)、アメリカ大統領選(11月)など、日本との関係が深い国の未来が左右される選挙が続く。ユーロの憂鬱、そして中国バブルの行く末も気になるところか。
日本経済のバブルが崩壊した1991年翌年からの20年後となる今年、失われた時代(20年)に生きてきた幼い子供達が「社会人」となり、当時20代だった若者達は日本社会の「牽引役」になっている。20年という年月は、長いようで、とても短いような気もするから、不思議だ。
元旦の「日経新聞」朝刊の社説には、次のように書かれていた。
だれでも自分の生きている時代は、歴史の変わり目で、転換期だと思うものらしい。それが事実かどうかは、あとでふり返ってみて、はじめてわかる。えてしてそうでないケースの方が多い。
しかし、2012年を迎えたこの時代は、まちがいなく転換期だと後世の史家も評するだろう。世界のいたるところで政治が、経済が、うまくまわらない。民主主義、資本主義の危機といわれるのが決してオーバーではないからだ。
そして、過去の「Esquire」日本版のなかで、私的に記憶に残っている言葉がある。
「今を生きろ」とたいていの人は言うけれど、瞬く間に過ぎ去る「今」を生きるのは、割合難しいことで、人はどちらかというと「過去」に生きている。思い出にしがみつき、人間とは歴史の産物だ、なんて思って。同時に、人は知りもしない時間、つまりは「未来」にも必死でしがみつくものだ。
アルマーニが来日を果たした2005年。六本木ヒルズ53Fに位置する森美術館では、アルマーニの大回顧展が開催された。
たとえ時代が変わっても、
衣装を纏えば、人はいつでもしばし、自らの殻を抜け出す悦びを味わえる。
過ぎ去った時代のディテールを、現代に蘇らせるファッションの一品を身に着けることには、ロマンもある。
ファッションの世界では、異なる時代への憧れを形にしたドレスは、ふたつの時代を同時に表現しつつ、類似点と相違点、あるいはその間の緊張感そのものを浮き彫りにする。
アルマーニの服に見られる過去の歴史との関わりは、失われた世界(その優雅さは、現代から顧みれば不自由にも見えるだろう)と、今の時代(自由を拡大する代償に、不毛と直面する)の現実を結ぶ架け橋となる。見事な新世界への酷しい現実に打ち勝とうとして、アルマーニは過去から快活なディテールを拝借する。
現代人は過去に魅力を感じても、ときに好き嫌いの入り交じる気分が足枷になるとアルマーニは見抜いているようだ。
―キャロライン・レイルズ・ミルバンク
当時、若者だった彼が、ハリウッド映画の現在(いま)を牽引している。
既婚者の「トム・クルーズ」と「ジョン・トラヴォルタ」
世界的に見ても、今年は間違いなく「政治」の年だろう。台湾総統選(1月)、ロシア大統領選(3月)、フランス大統領選(5月)、インド大統領選(7月)、アメリカ大統領選(11月)など、日本との関係が深い国の未来が左右される選挙が続く。ユーロの憂鬱、そして中国バブルの行く末も気になるところか。
日本が再出発するために、またグローバル社会で生き抜くためには、「アメリカ以外の世界も家とし、世界に友を求めること」は自然な流れなのだろう。
日本経済のバブルが崩壊した1991年翌年からの20年後となる今年、失われた時代(20年)に生きてきた幼い子供達が「社会人」となり、当時20代だった若者達は日本社会の「牽引役」になっている。20年という年月は、長いようで、とても短いような気もするから、不思議だ。
元旦の「日経新聞」朝刊の社説には、次のように書かれていた。
だれでも自分の生きている時代は、歴史の変わり目で、転換期だと思うものらしい。それが事実かどうかは、あとでふり返ってみて、はじめてわかる。えてしてそうでないケースの方が多い。
しかし、2012年を迎えたこの時代は、まちがいなく転換期だと後世の史家も評するだろう。世界のいたるところで政治が、経済が、うまくまわらない。民主主義、資本主義の危機といわれるのが決してオーバーではないからだ。
そして、過去の「Esquire」日本版のなかで、私的に記憶に残っている言葉がある。
「今を生きろ」とたいていの人は言うけれど、瞬く間に過ぎ去る「今」を生きるのは、割合難しいことで、人はどちらかというと「過去」に生きている。思い出にしがみつき、人間とは歴史の産物だ、なんて思って。同時に、人は知りもしない時間、つまりは「未来」にも必死でしがみつくものだ。
―プラープダー・ユン
アルマーニが来日を果たした2005年。六本木ヒルズ53Fに位置する森美術館では、アルマーニの大回顧展が開催された。
たとえ時代が変わっても、
衣装を纏えば、人はいつでもしばし、自らの殻を抜け出す悦びを味わえる。
過ぎ去った時代のディテールを、現代に蘇らせるファッションの一品を身に着けることには、ロマンもある。
ファッションの世界では、異なる時代への憧れを形にしたドレスは、ふたつの時代を同時に表現しつつ、類似点と相違点、あるいはその間の緊張感そのものを浮き彫りにする。
アルマーニの服に見られる過去の歴史との関わりは、失われた世界(その優雅さは、現代から顧みれば不自由にも見えるだろう)と、今の時代(自由を拡大する代償に、不毛と直面する)の現実を結ぶ架け橋となる。見事な新世界への酷しい現実に打ち勝とうとして、アルマーニは過去から快活なディテールを拝借する。
現代人は過去に魅力を感じても、ときに好き嫌いの入り交じる気分が足枷になるとアルマーニは見抜いているようだ。
―キャロライン・レイルズ・ミルバンク
前置きが長くなってしまったが、1986年に世界的に大ヒットした映画『トップガン』に出演した、当時24歳だったトム・クルーズは、現在49歳だ。
当時、若者だった彼が、ハリウッド映画の現在(いま)を牽引している。
俺が彼の名前を知ることになったのは、10代の頃で、1983年の映画『アウトサイダー』が初めてだ。もうかれこれ、彼の映画を29年もの長い間、観続けることになろうとは、当時考えもしなかっただろう。ひとつだけ言える確かなことは、俺が思い浮かべるハリウッドスターとは、誰が何と言おうと「トム・クルーズ」その人なのだ。
そう、トム・クルーズ。
付け加えておくと、ジョン・トラヴォルタ、ジョージ・クルーニー、レオナルド・ディカプリオも好きな俳優だ。そして、英国であれば、ジュード・ロウとクリスチャン・ベール。一方で、私的に興味のない俳優が、ブラッド・ピットとジョニー・デップのふたりだ。彼らの出演作はほとんど観ていないが、それに特別な理由などない。
付け加えておくと、ジョン・トラヴォルタ、ジョージ・クルーニー、レオナルド・ディカプリオも好きな俳優だ。そして、英国であれば、ジュード・ロウとクリスチャン・ベール。一方で、私的に興味のない俳優が、ブラッド・ピットとジョニー・デップのふたりだ。彼らの出演作はほとんど観ていないが、それに特別な理由などない。
既婚者の「トム・クルーズ」と「ジョン・トラヴォルタ」
独身者の「ジョージ・クルーニー」と「レオナルド・ディカプリオ」。
ライフスタイルにおいて、上記の洗練された4人と、俺の共通点をただひとつ発見した、ファッションだ。永年、「ジョルジオ・アルマーニ」の服を選択している。ディカプリオに関しては、トム・クルーズ以上に、アルマーニの服を愛しており、シグネチャーラインに限らず、セカンドラインのエンポリオ・アルマーニも身に纏っている。それゆえ、アルマーニを纏った彼を、海外サイトで何気に発見したりすると嬉しいものだ。ああ、あれはあのラインだな、と。
先述したようなハリウッドスターが、例えば、ドルチェ&ガッバーナ、ディール・オム、バーバリー・プローサム、トム・ブラウンなどなど、アルマーニ以外のモード系スーツを身に纏っている姿など、思い浮かばないはずだ。
そんなアルマーニマン<トム・クルーズ>の最新作『ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル』が、日本でも大ヒットしている。過去のブログで何度も取り上げたが、劇中に登場するドバイの超高層タワー「ブルジュ・ハリファ」内にオープンしたのが、他でもないジョルジオ・アルマーニの世界初となるホテル『アルマーニ・ホテル・ドバイ』であり、アルマーニのレジデンス(住居)なのだ。トム・クルーズによるドバイでの会見も、アルマーニホテルで行われたが、今振り返ると、遠い昔のようにも感じられる。
今回、見方を変えれば、最新作『ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル』は、トム・クルーズによる『アルマーニ・ホテル』の世界的なプロモーションだ、と捉える感は否めないだろう。最新のBMWに乗り、アルマーニスーツを身に纏い、最新のアップル製品の数々を使いこなし、プラハ、ムンバイ、ロシア、ドバイ、ヴァンクーバーを颯爽と駆け巡る。
先述したようなハリウッドスターが、例えば、ドルチェ&ガッバーナ、ディール・オム、バーバリー・プローサム、トム・ブラウンなどなど、アルマーニ以外のモード系スーツを身に纏っている姿など、思い浮かばないはずだ。
そんなアルマーニマン<トム・クルーズ>の最新作『ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル』が、日本でも大ヒットしている。過去のブログで何度も取り上げたが、劇中に登場するドバイの超高層タワー「ブルジュ・ハリファ」内にオープンしたのが、他でもないジョルジオ・アルマーニの世界初となるホテル『アルマーニ・ホテル・ドバイ』であり、アルマーニのレジデンス(住居)なのだ。トム・クルーズによるドバイでの会見も、アルマーニホテルで行われたが、今振り返ると、遠い昔のようにも感じられる。
今回、見方を変えれば、最新作『ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル』は、トム・クルーズによる『アルマーニ・ホテル』の世界的なプロモーションだ、と捉える感は否めないだろう。最新のBMWに乗り、アルマーニスーツを身に纏い、最新のアップル製品の数々を使いこなし、プラハ、ムンバイ、ロシア、ドバイ、ヴァンクーバーを颯爽と駆け巡る。
そう誰もが、アルマーニマン<トム・クルーズ>の無敵に素敵なハリウッドスマイルを目にするはずだ。
80年代当時、俺は遅かれ早かれ、未来の「映画」界と「ファッション」界を牽引するであろう、それぞれのスターを見つけていたのか。映画評に関しては、気が向けば、次回のブログで綴ってみたい。
ブログを綴っている今、時計の針は1月6日(金)の26時を指している。この静まり返った真冬の深夜に、デヴィッド・ボウイのアルバム“Reality”をBGMに、ブログを綴っている。これは、80年代には誰も想像が出来なかったであろう、進化したゼロ年代流の暇つぶしなのだろうか(笑)。
NO PLAN.
NO BACKUP.
NO CHOICE.
それを楽しまないと、さ。
―トム・クルーズ
―トム・クルーズ
Have a nice weekend!