機内アナウンスは情報 | 東京Crew倶楽部 ~客室乗務員(CA)の世界~

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フライトにまつわることからCAたちのプライベートまで♪ 元ベテランチーフパーサーが語っています

機内アナウンスには

ルーティーンとイレギュラーの2つがある

 

搭乗御礼やシートベルト着用依頼は

ルーティーンのアナウンスになる

 

乗務していると

いろいろなイレギュラーに出会う

 

旅客搭乗が終わっていざ出発となったら

 

操縦室から出発前チェックで

計器の作動がおかしいとか

無線関係で調子悪い部分が見つかったとか

水平尾翼の作動がおかしいとか

管制塔から出発スタンバイを指示されたとか

 

地上係員から旅客が一人見つかっていないとか

こんな内容も入ってくる

 

すぐに最後の旅客が見つかってくれればよいが

見つからないと大変

セキュリティ上の問題が生じる

 

見つからない旅客が手荷物を

チェックインしていたら

その旅客の手荷物を

貨物室から降ろさなければならない

 

預かった荷物をひとつひとつ調べる(当時)

出発は当然遅れる

遅延状況を機内アナウンスしなければならない

 

着陸しようと思ったら

離陸機が滑走路上になにかを落としたとか

視界や風の強さが規定以上になったとか

急遽着陸を中止することもある

場合によっては他の空港へダイバート

 

そんなときの機内アナウンスは

先任客室乗務員(JAL)や主客室乗務員(ANA)が

行なうことになる

 

「えぇ~」とか「なんだよ~」とか

旅客の反応が聞こえてくる

 

もうひとつ

 

一部国内線で省略しているケースも見られるが

機内アナウンスは

英語でもやらなければならない

イレギュラーアナウンスは定型的な文例などない

その場で状況に合わせて英作文するしかない

 

英文アナウンス文を考えていると

日本語アナウンスも英語アナウンスも

遅れ気味になる

すでに旅客は情報不足でイライラ

 

そして

謝りながらの機内アナウンスで

さらにイライラしてしまう

 

若手のチーフパーサーは

イレギュラーの経験は多くない

 

旅客が知りたがっていることとは

ズレたアナウンスになってしまうことがある

 

 

機内アナウンスは「情報」の伝達

 

「情報」とは「情を報せること」
 

多くの旅客は

遅延で予定が狂ってしまい困っている

 

会議に送れてしまう

迎えに来ている人を待たせてしまう

 

観光客なら出発遅延が起きれば

滞在先での観光の時間が減ってしまう

 

とにかく

できるだけ正確な状況を知らせる

できるだけ多くの情報を伝える

 

新たな情報が入ってきていなければ

その旨を報せることも必要

 

それが困っている旅客へ

自分たち(CA)の思いを伝えることになる

 

こんなのもある

 

たとえば到着遅れで

交通機関がなくなってしまうかもしれない

到着予定時刻のアナウンスとともに

間に合いそうであれば

公共交通機関の終電時刻を案内してみる

終電に間に合わなそうなら
地上係員に委ねるしかないが・・・

 

いろいろな方法で情を報せる

 

T・K ♂

 

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「今度はレーダーが・・・」