日本の時代は終わったーその3ー | 東京Crew倶楽部 ~客室乗務員(CA)の世界~

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フライトにまつわることからCAたちのプライベートまで♪ 元ベテランチーフパーサーが語っています

1950年代後半から60年代は

強いドルを持って

アメリカ人が世界中を闊歩していた

 

映画「ローマの休日」は

アメリカ人新聞記者が

ローマである国の王女と出会い恋をするストーリー

 

「慕情」も有名な映画

戦後香港の混乱で夫を亡くした

ベルギー人と中国人の血を引く女性医師と

アメリカ人特派員の恋の物語

 

前者はローマを、後者は香港を

ふんだんに映し出し

アメリカ人を旅情に誘った映画だった

 

当時のフランス映画もイタリア映画も

ステキな映画が多く

アメリカ人たちをヨーロッパに誘い出した

 

ヨーロッパはアメリカ人旅行者でいっぱい

そして爆買い

 

とにかくアメリカはお金持ちの国

 

当時、同じCAなのに

ドル換算(1ドル=360円)すると

パンアメリカン航空CAの給料は

私たちの2倍の給料

ところが

 

アメリカはベトナム戦争で敗退

それをきっかけに景気低迷

財政赤字と貿易赤字

 

そこに日本が輸出攻勢

繊維を輸出しすぎ

自動車を輸出しすぎ

鉄鋼を輸出しすぎ 等々

貿易摩擦でジャパンバッシング

 

ドルを安くしてアメリカ製品の輸出をもっと増やせ

そこでニューヨークのプラザホテルに

各国の首脳を集め直談判

 

そして1ドル=360円だったのが

あれよあれよという間に320円、280円、250円

最後は80円前後まで

 

ドル安でアメリカ人は

すっかり海外旅行を

しなくなくなった、できなくなった

 

かっては航空会社といえばパンナム

そのパンナムから

海外旅行のアメリカ人客が消えてしまった

国内線を持たないパンナムは

にっちもさっちもいかず破綻

 

お金持ちだったアメリカも

かっての栄光はなくなり

格差社会になってしまった

 

 

そして

アメリカに代わり日本の時代

 

パリの街角は

アメリカ人に代わり日本人だらけ

 

戦後生まれの団塊世代は

アメリカにあこがれ

アメリカがうらやましかった

 

戦争には負けたがいつかは・・・

 

世界中に日本製品を送り込み

経済戦争で勝ち抜き経済大国へ

 

ドル換算すると

日本人CAたちの給料も世界トップクラス

 

 

どの企業もボーナスが年間10ヶ月とか

 

人件費が高くなりすぎてコストもかさむ

そこに円高で日本製品は競争力低下

 

企業は人件費の安い国を求めて

コストが高い日本から脱出

 

そうこうしているうちに

中国も韓国など周辺国も技術力をアップ

安価でよい製品が出てきた

 

今、日本製品で世界で勝てるものは・・・

産業競争力が落ちてしまった日本

 

パリの街は日本人に代わり中国人だらけ

 

 

政府もマスコミも訪日外国人を増やそう

それで外貨を稼ごう

 

観光で外貨を稼くようになったら

そちらに労働力がとられてしまい

ものづくり日本が終わってしまう

 

それでなくても労働力人口が減っている

年間の新生児は80万人強しかしない

 

フランス、イタリア、スペインを見ると分かる

観光事業で労働力をとられた結果

観光以外で強いのはファッションくらいか

 

 

1ポンド860円前後から150円台へ

1ドル360円から80円台へ

 

そして今は逆の流れ

1ドル80円から110円へ、そして150円へ

 

今や日本政府の借金(国債残高)は

1026兆円 (2022年末時点)

 

世界を制覇してきた国は

どの国もいつかは普通の国に戻る

というお話でした  完

 

T・K ♂

 

以前のブログ

「寝坊で失敗(CAドジ話)」