制帽はとるの? | 東京Crew倶楽部 ~客室乗務員(CA)の世界~

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フライトにまつわることからCAたちのプライベートまで♪ 元ベテランチーフパーサーが語っています

2000年代のはじめ

新幹線パーサーが誕生したころ

JR担当者から非公式な問合せ

 

新幹線の車掌(男性)は

客車のドアーを開けて入ると

車内の旅客におじぎで挨拶

そのときは制帽を脱いでいる

 

女性パーサーが乗務するようになった

女性も男性車掌のように

挨拶のとき制帽を脱がせるべきでしょうか

JR東海パッセンジャーズHPより

こちらの答えは

「その必要はありません」

 

 

CAたちも90年代初めまで

制帽を着用していた

 

男性の帽子と女性の帽子では

その成り立ちが少し違う

 

その昔、ヨーロッパでは

男性は戦いに明け暮れていた

頭を守るものが必要だった

 

そこで騎士道の時代には

甲冑が発達

戦争の時代になると

兵隊たちは戦闘時にはヘルメット

それ以外のときは制帽着用

 

防寒の目的もある

 

そしてスポーツの時代

乗馬、テニス、ポロなどでは

それぞれに向いた帽子が発達

 

今でも、欧米紳士は

特に女性に会釈するとき

帽子を持ち上げるしぐさ

英語では”Doffing one's hat"という

 

 

これは騎士道時代のなごり

甲冑姿で真剣勝負

勝負の前に

お互い甲冑の顔を部分を持ち上げて

相手に顔を見せる

甲冑の代わりに帽子で頭を守る時代

帽子を持ち上げるしぐさになった

 

軍隊でも似たような帽子の扱い

 

日本とヨーロッパの違いは

日本ではそこにお辞儀が入る点だ

 

男性車掌さんたちはそれに準拠しているのだろう

 

 

女性の帽子は別の発達をしてきている

 

今でこそ女性は社会のあらゆる場所で活躍

軍隊や警察さらには交通機関でも活躍

そこでは身の安全確保は最優先

やはり頭を守る必要がある

 

ところが女性の帽子は

女性らしさを保つために発達してきた歴史

ある意味ファッションの一部だった

 

つばが広い帽子、つばがない帽子

飾りがついた帽子

流行が繰り返えされてきた

 

昼間の外出には帽子がMust

無帽の婦人より上品と言われた

そして

”市中で手袋なしの婦人はレィディではない”

とも言われていた

「国際儀礼とエチケット」より

 

日本でも、昼間、両陛下が外出するとき

皇后さまの頭にはかならず帽子

人々の前で礼をされるとき

帽子には手を触れていない

 

その昔、CAたちは

お客様の搭乗時

制帽着用でお出迎え

もちろんターミナル内を歩くときも

 

出発となり、飛行機のドアが閉った段階で

制帽を脱いでいた

狭い機内では

帽子は作業の邪魔になるからだ

 

新幹線パーサーは

車掌業務のときは制帽着用

車内販売のときは制帽なし

と分けているようだ

 

T・K   ♂

 

1年前のブログ

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