長岡市水道阻水辯と阻水辨 神戸の制水辨や広島の制水弇を添えて。 | 東京蓋散歩 ~マンホール巡り~

東京蓋散歩 ~マンホール巡り~

マンホールや消火栓などの蓋、特に地味蓋を中心に観察しながら歩きまわります。タイトルとは裏腹に都外出没頻度も高いです。

阻水弁(弇)というのは古い呼び方のようですが、長岡市では比較的最近のものと思われる蓋にも「阻水べん」と書かれていました。矢印といい右書きであるところといい神戸の仕切弁とよく似ています。

まずは神戸の仕切弁。

そして、長岡市内にたくさんあった阻水弁。ただし、弁を旧字で書いています。しかも「辯」。これはおかしいです。弁の旧字は意味によっていくつかありますが、バルブの意味では「瓣」。花弁の弁です。「辯」は弁護士の弁。意味が全く違うのです。

旧字を使った蓋では、「瓣」ではなく「辨」と書いたものは各地にあります。広く使われていて誤字とは言えないのかもしれませんが「辨」は本来、弁償や弁当の弁です。神戸の制水弁にもあります。自体が隷書になっていて、真ん中の「リ」が「y」のようになっています。制水の「制」のじもそうですね。また、「道」も独特な形です。


戻って、長岡市ですが、この書体の「道」の阻水べんのふたもありました。そして、「辨」。今回、見かけた枚数的にも、こちらの蓋の方が古いと思うのですが、書体を変えるときにどうして「辨」をそのままにするか、「弁」にするかにせずに「辯」としてしまったのか、だれも直さなかったのか、不思議です。

この矢印蓋、広島にもあるのですが、こちらは左書きでした。
「仕切弁」

「制水弇」