基準点・水準点の蓋 その1 水準原点・一等水準点 | 東京蓋散歩 ~マンホール巡り~

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マンホールや消火栓などの蓋、特に地味蓋を中心に観察しながら歩きまわります。タイトルとは裏腹に都外出没頻度も高いです。

各地で基準点あるいはそれに類した名前のついた蓋を見かけます。一度まとめてみようと思い、せっかくなのでその原点を訪ねることにしました。専門的な解説は他の優れた記事を検索していただくとして、見たものを中心に。。。と言ってもこれまた同種の記事はネットにはたくさんあるようですが。。。

この神殿のような建物は国会議事堂近くの憲政記念館の構内にある水準原点を格納している建物です。



正面上部には菊の紋に挟まれて「大日本帝国」の文字。


難しい書体で水準原点。 水はいいとして準は下の十字がなくて淮のように見えます。
原は構えの中が三つも。厵(ゲン)という字にも似ているけれどちょっと違う。點は点の旧字だということは以前教えていただいた。(追記:原はこの字のようだとアドバイスいただきました。→グリフウィキ


菊の御紋の立派な扉を開くとこんな感じ。この日は測量の日(6月4日)にも近かったせいか、学生を対象にした専門家の方による説明が行われており、その片付け作業の合間に撮影させていただけた。ラッキー。中央の縦長の白い部分が水晶の目盛り板らしい。


後ろに回ったところ。「明治二十四年 辛卯五月建設 陸地測量部」と刻んである石が、その水晶板がはめてある石。これが八角形の台座に固定され、その台座が固定さているコンクリートの円柱は煉瓦取り囲まれて地中深く(10m程度?)埋めてあるらしい。こちら側も普段は閉まっています。


さて、この原点、当時の荒川の河口付近の霊岸島(現 東京都中央区新川)の平均潮位との標高差からこの高さを24.500mと定め、この原点との比較で各地の土地の高さを測量していくことに使われたものだとか。24.500m 明治24年5月にちなんでその高さに原点の高さを合わせたのかな?

地盤沈下なり隆起なりあるいは平均海面の上昇等ということは絶えず起きると思いますが、原点である以上、そう頻繁に変えるものではないでしょう。ただし、関東大震災と東日本大震災後にはそれぞれ24.4140m、24.3900mに改正されたとのことです。関東大震災の86mm沈下も大きいですが、震源から離れているにもかかわらず24mmも沈んだんですね。


この水準原点標庫のすぐ近くにある蓋。「一等水準点 丙 国土地理院」


蓋の中身はこんな感じ。マンホールというには浅すぎますね。緑色のポッチの部分が水準点。これも授業の一環で開けられていたもので普段は閉まっています。


丙があるということは当然、甲乙もあります。


戌? 実はこの蓋の存在を知るまで、甲乙丙丁の続きを知りませんでした。戌はその5番目。
(追記:戌じゃなくて戊だ! ご指摘ありがとうございます!)


で、4番目の丁はというと、これだけ何故か地上に出ています。水準原点標庫の裏側でかなり下がったところにあるためにそれ以上地下に埋めたくなかったからなのでしょうか?
No丁 という和洋折衷がほほえましいですが地理調というのは国土地理院の前身の地理調査所のことだそうです。


で、この5つの一等水準点ですが、その役割になるとここから先がよくわからないのです。おそらく、水準原点との差で一等水準点の高さを測っておき、普段はその一等基準点(多分 甲)との差で各地の水準点の高さを決めていくのではないかと思うのですがどうでしょう?
ちなみに甲が水準原点の正面にあります。

予想以上に長くなってきました。この敷地内だけでも関連の点・蓋があるのですが続きは後日...

参照HP:国土地理院

 

その1 水準原点・一等水準点

その2 日本緯経度基準点

その3 水準基標

その4 水準点

その5 三角点

その6 公共基準点

その7 海外の蓋や点

 

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