Tokyo City Night | 東京ホルモンズの中身のある話

東京ホルモンズの中身のある話

どっちかっていうと魚だね

東京ホルモンズ-horumons.01


五月雨の夜、もうすぐ人生の折り返し地点を迎える戦士達がアジトに集まった。
日中は各業界で手腕を振うツワモノ達の、他言無用の集まりである。

外は雨音と都会の雑踏が入り混じる耳触りの悪い音。
それに反して、彼らのアジトには「ゴキュリ ゴキュリ」と
何かを喉に流し込む、心拍音と同じリズムの心地よい音。


だがその音は、時間を追うごとに、ダークな音色に聞こえてくるから不思議だ。

その音が何十回も繰り返され、夜がミッドナイトと呼ばれる時間帯に
差しかかった頃、私は仲間の表情が一変したのを見逃さなかった。


花の都大東京において、決して見せてはいけない長い瞬き。
今、彼の時計は、一秒と一分がイコールとなってしまった。
身を守る術をまだ知らぬ、赤子の様な表情にシフトしたのだ。
オトコは、敷居をまたげば、七人の敵がいる。このままではヤツが危ない。



我々は仲間意識の強い集団である。
仲間の不幸は肩を寄せ、皆で同じ量の涙を流す。
そう、仲間の安全が最優先なのである。


仲間の一人が言い放った。
「助けよう。」


このままでは、額に楊枝を刺す輩が現れるのも時間の問題だ。
いや、油性ペンで、彼をキン肉マンに変身させてしまう悪者も
やってくるであろう。


私は彼を失いたくなかった。

「オレがやる。」
私は己の命と引き換えに、彼を危機から救う決断をした。


東京ホルモンズ-kid


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彼の足もとを守る分割式ソックスが、力強く地面を踏み締めた。
これで彼は、お花畑からコンクリートジャングルに生還出来る。

一同安堵した。


限りなく黒に近い茶色のカウンター。
座面が円形で昆虫のように細い四本足のスツール。
半世紀も時が止まったような盛り場で、ダウンタウンハイボールと
先が鋭利な細い棒状のものに、行儀よく均等に串刺しになったフードを
また共に堪能する事が出来る。


深夜が早朝に移り変わる頃、彼は無事、二度目の産声を上げた。


いつしか五月雨はやみ、五月晴れの予感がする心地よい朝が訪れた。



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団体名…東京ホルモンズ
TEL…非公開
住所…非公開

営業時間…16:00~深夜3:00(体調に応じて)
定休日…無休(前日の酒量に応じて臨時休業あり)

ホームページ http://ameblo.jp/tokyo-horumon/

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