きょうだい児とは、障がいのある兄弟姉妹をもつ子のことです。

自分が生まれた時、もしくは障がいのある弟や妹が生まれた時から、きょうだい児としての生活が始まります。

 

 

前回の記事は、こちらです。

 

 

 

きょうだい児は、引きこもりになりやすいです。

その理由としては、以下のことが挙げられます。

 

 

・障がいのある兄弟姉妹がいることで、いじめられることがある

・障がい者に対する偏見の言葉で傷ついてしまう

・自分の気持ちを言葉にできない

・頼りにできる人が身近にいないと感じる

・家族と一緒にいても、どこか寂しさを感じている

・障がいのある家族を理解してもらえなくて苦しい

・ストレスを抱えてしまい。心身ともに疲れてしまう

 

 

引きこもりのきっかけになるのは、小学校に入学してからが多いです。

それまでは、自分の家族だけの小さな社会で過ごしていましたが、学校に行くことによって、他人の生活を見聞きする機会が出てきます。

その中で、違和感を持つようになります。

 

 

・自分の家族は、他の人とは違う

・同じことを話しているけれど、何か距離を感じてしまう

・障がいの話をしても、通じないことがある

・バカにされるような言葉を言われる

 

 

同じように接しているはずなのに、少しずつ友達との間に、見えない壁ができるようになっていきます。

それが増えることによって、安心して過ごせる居場所を失ってしまいます。

 

”障がい”という言葉を直接使わなくても

 

・一人で歩くのが難しい

・いつも一緒にいることが多い

・手伝いをする時間がある

 

このようなことを伝えることによって

 

『自分の時間が取れなくてかわいそう』

『大変な思いをしているのね』

『障がい者って一緒にいると疲れるね』

 

 

そんな言葉を投げかけられてしまいます。

 

 

 

今まで自分が行ってきたことが、否定されているような感覚に陥ってしまい、次第に家族の話をすることがなくなっていきます。

それでも、一度行ったことは瞬く間に広がっていきます。

 

 

・あの子のお兄ちゃん障がいがあるんだって

・障がい者がいるって、意味わかんない

・頑張っていることをアピールしたいのかな

・すごい子って言ってほしいのかな

 

 

きょうだい児のことを見るのではなく、障がいのある兄弟姉妹を通して、見られるようになります。

それによって、”障がいがある〇〇のきょうだい”というレッテルを貼られます。

 

このレッテルが多ければ多いほど、そして、それによって周りの態度が変化することによって、きょうだい児は、どんどん自分を見失っていってしまい、安心して過ごせる場所を無くしてしまうのです。

 

 

 

障がいのある兄弟姉妹というフィルターを通してしか、見られることがなく、自分の居場所を失ってしまい、引きこもりになりがちなきょうだい児ですが、捉え方を変えることもできます。

 

 

<他の人よりも経験値が多い>

障がいのある人と過ごしていることが当たり前になっているため、周りの人が経験したことがないことを経験する機会が多くあります。

それによって、早い段階で社会の仕組みや成り立ち、人との関わり方を学ぶことができます。

経験値は、どんどん積み重なっていくため、自然と立ち振る舞いを理解して、対応する力がついていきます。

障がいに関する偏見をなくすために、どうしたらいいのか、深いところまで考えることもでき、その結果、新しい活動に結びついたり、新たな自分の役割を見つけたりすることができます。

 

 

 

<新たな居場所を作ることができる>

引きこもりになると、社会とのつながりがなくなったように感じる人もいますが、自分が安心できる居場所を見つけて、新しい活動の場所を作ったり、提供したりすることができるようになります。

 

・自分と同じような経験をしないでほしい

・辛い気持ちを共有できる場所があるといい

・今の状況を受け止めてあげられる場所があるといい

 

 

このような気持ちを持つことができるため、きょうだい児のみでなく、引きこもったり、居場所を失ってしまった人が集うことができる場所を作れます。

 

その居場所は、「ただそこにいるだけでいい」

何かを強制的にやるわけでもなく、人と必ず話をしないといけないわけでなく、ただそこにいる、それを重要視することができます。

 

 

 

引きこもりになったら終わり、と思われることが多いですが、引きこもりになってしまうことにも理由があります。

頭ごなしに怒ったり、否定したりするのではなく、なぜそのようなことをしているのか、それを周囲の人が理解してあげることによって、きょうだい児の見方や関わり方を知ることができます。

 

 

きょうだい児自身も、自分の言葉で話せるようになることで、閉じこもってしまった自分の殻を破ることができたり、引きこもらなくても大丈夫な環境を見つけたりすることができます。

 

 

すぐにできないこともあるかもしれませんが、きょうだい児だからできることがたくさんあります。

自分が居心地がいい場所を見つけて、毎日を過ごすことができたらいいなと感じています。

 

 

次回に続きます。

きょうだい児は「母親に依存されやすい」