きょうだい児とは、障がいのある兄弟姉妹をもつ子のことです。

自分が生まれた時、もしくは障がいのある弟や妹が生まれた時から、きょうだい児としての生活が始まります。

 

 

前回の記事は、こちらです。

 

 

 

きょうだい児は、弱い自分を受け入れることに怖さを感じます。

その理由は以下のことが挙げられます。

 

 

・障がいのある兄弟姉妹を守らないといけない

・しっかりしていないといけない

・強い自分であらねばならない

・弱いところを見せて、家族を心配させちゃいけない

・ちゃんとできるのが当たり前だ

・できない自分はダメな人と思う

 

 

 

本当の自分は、

 

 

・甘えん坊

・泣き虫

・自分勝手

・自由奔放

・面倒くさがり

・プライドは高い

・小心者

 

 

自分自身が、自分のことを一番わかっています。

それでも、家族や周りの人から求められることが大きいので、本当の自分と周りに見せている自分が異なってしまい、ギャップを生み出します。

このギャップが大きければ大きいほど、弱い自分を受け入れることが怖くなります。

 

 

”本当は、こんなことしたくないんだけれど・・・”

”できれば、断りたいんだけど・・・”

 

 

という、本心を隠す必要があり

 

 

「わかりました。」

「期限までに完成させます。」

「これまでよりも良くしていきます。」

 

 

と必要以上に、自分にプレッシャーをかけてしまいます。

できる自分を演じる必要があり、難しい・大変だと思うことに対しても、強がってしまいます。

 

そして、人に頼ることも苦手だし、さまざまなことを一度にこなすことが得意ではないため、一人で苦しい気持ちを抱えてしまいます。

それが過度になってしまうと、心身ともに疲れてしまい、体調を崩してしまいます。

 

数日で回復する程度であれば、まだなんとかなりますが、”強くあらねば・・・!”と意固地になることで、限界が来ていることを無視して、無理しすぎてしまいます。

気がついた時には、学校に行けなくなったり、仕事を長期間休んだり、想定していない出来事が次々に起こってしまいます。

 

 

それによって、さらに自分自身を追い込んでしまうのです。

 

”学校に行けなくなった。ダメな自分”

 

”出社できなくなった。迷惑かけてダメな自分”

 

”頑張れなかった。どうしてこうなったんだ。もっとできただろ”

 

”こんな自分、もうどうなってもいいんじゃないか”

 

 

 

負の思考回路になってしまい、正常な判断ができなくなってしまうおそれもあります。

 

本当の自分を見せてしまったことに対する、恥ずかしさや申し訳なさ、自分に対する怒りなどいろいろな感情が渦巻いていきます。

 

 

 

周囲から求められていることと、自分自身の気持ちが違うことで、人知れず苦しさを抱えやすいきょうだい児ですが、不登校・休職など、きっかけにより、自分を見つめ直すことができるようになります。

 

 

<不登校から気が付くこと>

学校に行けなくなったことで、初めはモヤモヤした気持ちで過ごしたり、何をしていいのかわからなくなったりすることがあります。

しかし、学校に行かないことで、自分自身の調子が良くなってくることを実感できます。

過度なプレッシャーや頑張りすぎていた自分に気がつくことができるのです。

「学校に行かなければいけない」という気持ちから解放されることで、自分が好きなように1日を使うことができ、今までできなかったことに時間を費やすことができます。

 

『学校には行きなさい』という家族や先生の言葉が突き刺さって、しんどいと感じることもありますが、どんなことをしている自分がいいのかを理解することができます。

そして、ふとしたきっかけで、学校にまた行けるようになるのです。

 

”そんなに頑張らなくてもどうにかなるじゃん”

”ちょっとくらい失敗しても、死なないじゃん”

 

こんなふうに思えるようになります。

 

 

 

<休職して気がつくこと>

社会人になって、バリバリ仕事をこなしていたのに、急に仕事を休むことに、初めは申し訳なさを感じてしまいます。

体調は良くないし、自分の感情がわからなくなってしまいます。

家族の言葉も頭に入ってこない、誰の言葉も信用できない。休んでいるのに、仕事のことを考えてしまう。

 

時間が経つにつれて、会社に行かなくても生活することができること、仕事で気を張って過ごさなくてもいいこと、穏やかな気持ちで1日過ごせることを実感していきます。

 

あれだけ、仕事のことを考えていたのに、自分自身に目を向けて、これからの生活についてを考えることができます。

必要に応じて、カウンセリングなどを受けることもありますが、それを行っていくことで、さらに”自分とは何か”を考えることができるようになります。

 

「どんな自分でも、自分だ。ダメな自分も自分を作っているピースの1つ」

このように思えるようになります。

 

 

 

 

ありのままの自分を受け入れることは、弱い自分自身を認めてあげて全てを受け入れることになるため、しんどいと感じてしまうことがあります。

それでも、弱い自分を受け入れることができたら、素直に相手に助けを求められるようになるし、相手を思いやる気持ちを持つこともできるようになります。

 

強がって、頑張っている人を見つけることができ、その人に寄り添ってあげることもできるようになります。

自分の体験をそのまま伝えられるって、すごいことです。

嫌な反応をされることもあるかも知れないですが、そんな自分も受け入れられるようになるので、ますます人生が楽しくなっていきます。

 

 

 

弱い自分を受け入れる、素直な気持ちで過ごす、簡単なようで難しいことですが、これができるようになったら、素敵な景色が目の前に広がっています。

少しずつ、壁を乗り越えていけるようにしていきたいですね。

 

 

 

次回に続きます。

きょうだい児は「引きこもりになりやすい」