讃岐の歴史名所探訪の旅(5)~宇多津~ | 凝り性 勝之進のこだわり日記

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次は宇多津(うたづ)です。

四国に土地勘のない方は、

宇多津がどこにあるのか

わからない方もいるでしょう。

正しくは、綾歌郡宇多津町といいますが
瀬戸大橋の四国側のたもとにある街です。

検索すると分かりますが、

宇多津町はとても小さく、実は、

香川県で一番小さい市町です。

にもかかわらず、というか、そのためなのか
宇多津町は、なんと、香川で一番、
人口密度が多い街になっています。

数字的には、約1キロ平方当たり2300人で、
2位の高松・約1100人の2倍ありますので
当面の間、1位は安泰です

もちろん、東京23区平均の約15000人と
比べると、かなり「疎」ではあります。

そんな宇多津ですが、なかなか歴史の古い町で、
いろんな魅力がありました。

◆まず、寺の多さです。

宇多津は、古くから塩田の街として

栄えてきたため、いわゆる「塩の道」が

周囲の街に向かって伸びています。

道が交差し、港があって、塩や海産物の
交易が盛んだった宇多津には、

人と富が集まり、その富で寺が作られて

いったのです。

寄進がないと、お寺は作れませんので、

寺が多いということは、宇多津が裕福な
街であったことを示しています。
 

本妙寺、浄泉寺、南隆寺、西光寺など、

多くの寺の中が立ち並ぶ中で、

特に大きい寺が「郷照寺」(ごうしょうじ)

です。

郷照寺の歴史は古く、725年に行基が
創建した道場寺が発祥とされており、
四国八十八霊場の第78番となっています。

香川の方には「厄除けうたづ太師」として
有名であり、新年には多くの初詣客で
賑わいます。

そして、郷照寺には、驚くべき場所が

あります。それが「万体観音堂」です。

本堂に向かって進んだ左側に、
地下に降りていく階段があり、
ゆっくり降りていくと、
 

夥しい(おびただしい)数の観音様が
目に飛び込んできます。

一体一体は小さいのですが、
天井から吊るされた燈明に照らされ、
金色に輝く観音様が、階段状に
約3万体、整然と並んでいます。

洞窟の観音堂内には、
1周できる道が作られており、
両脇に立錐の余地もなく観音様が
並んでいる光景を見て、

勝之進は鳥肌が立ちました。

一見の価値がありますので、
是非、お詣りに行かれてください。

◆宇多津で一泊した宿のことも

書いておきます。

宿の名前は「古街(こまち)の家」です。

明治初期の小物売りの商店を改装し、
一軒家の宿泊所にした宿で、
食事のついていない素泊まり専用の宿です。

まずは写真をご覧いただきましょう。

 

外観

 

土間にはダイニングテーブル


逆サイドからのアングル。

商店に使いやすそうな間取りです。

 

土間の奥にはキッチンがあり、

冷蔵庫、電子レンジ、食器類など

なんでも揃っています。

 

和室は2室。奥が座敷です。

 

純和風の造りの奥座敷。

 

左上の障子欄間の透かし木彫り。

飯野山と海岸線の造作が見事。

よくできています。

 

2階の屋根裏の寝室。

テレビの位置がちょっと悪いです。


この一軒家が、貸し切りで使えるわけで、
なかなかの贅沢さです。

実は、この宿は米国出身の
アレックス・カーさんという
古民家再生のプロが手掛けた作品です。

宇多津の街歩きにも最適ですし、
2人で15000円程度で泊まれるので、
大変お得な宿で、お勧めできます。

勝之進が泊まった感想としては
部屋が使い切れなくてもったいなかった、
ということと、

 

マンションに慣れた自分には
階段のある2階建て一軒家には
住めないな、というものでした。


檜でできた風呂にゆったり入りながら、
150年前に、この家に住んで

商売をしていた人と
現代のサラリーマンと、

どちらが幸せだろうと
ぼんやり考えてしまうのでした。。。

良い宿でした。


宇多津、なかなか魅力ありますよ。


   カーテンしないと往来から丸見なのが難点(笑)。。。勝之進