2026年4月の日経「私の履歴書」は、
ANAの片野坂(かたのざか)真哉会長
(昭和54年入社)が執筆されており、
勝之進は、久しぶりに、全稿拝読致しました。
非常に多くの困難な場面に直面するも、
常に正面から立ち向かい、工夫をこらして
乗り越えてきた話が切々と綴られていた一方、
第18回では、「大失敗」とのタイトルで
不首尾に終わった施策も赤裸々に書かれて
いました。
訪れた危機は数えきれず、下記のような
大きな苦難もありました。
◆1997年 アジア通貨危機、
山一証券が破綻する等、景気が大幅に後退
◆1998年 日本GDPがマイナス成長、
深刻な景気悪化による売上減少で、
有利子負債が1兆円を越える。
◆2002年 アメリカ同時多発テロ
◆2003年 SAAS蔓延
◆2008年 リーマンショック
(この後2010年、JALは、負債総額
2兆3千億円で会社更生法を申請しましたが、
ANAは赤字に陥るも、会社更生法申請を回避し
自力再生を果しました)
◆2011年 東日本大震災
◆2019年 コロナ禍。2年間で2300人
の社員が、320もの異業種会社へ出向。
◆2020年 20年度決算で5100億円の
赤字を計上。
危機が発生するたびに、自ら陣頭に立って
課題を解決し、会社を守り、社員を守り、
成長を牽引されました。
同じ時期に、同じように大きな影響を
受けて来た勝之進は、筆者の、全身全霊で
「立ち向かう姿勢」に大いに感銘を受けました。
特に、最終稿は、自分の部下にも読み聞かせたい
素晴らしい文書でしたので、原文をあまり変えずに
転記させて頂きます。

「航空機をプッシュバックする若手社員は
安全を守るために欠かせない作業を確実に
行っている。
パイロットは運行の最終責任者として
任務を全うする。
客室乗務員は機内サービスだけでなく、
緊急時の保安要員としての資質を備えている。
整備士は機種ごとに国家資格を持ち、
極寒の屋外夜間作業をはじめ、
いかなる時も安全を守っている。
グランドハンドリングスタッフは、
炎天下も豪雨も厭わず、駐機場の
地上支援作業で定時運行を支えている。
コールセンターのコミュニケーターは
全員が「よりそいの達人」だ。
オペレーションディレクターは社長の
代わりに即時に判断する権限を託され、
1日約850便もの運行を、安全かつ
定時に導く司令塔だ。
この他にも、空港旅客サービス、貨物、
機内食、各事業を支えるDX・IT部門や
本社スタッフなど、紹介できない機能が
まだまだある。
コロナを乗り切れたのは、すべての
ANAグループ社員の底力のおかげだと
感謝している。」
「すべての社員の底力のおかげ」と、
ためらいなく言い切るところが、
胸に響きます。
多様な人が、多様な仕事を、
一つ一つ誠実に行うことが、企業の
存続・繁栄の基本中の基本であり、
経営はその環境整備に力を尽くし、
報い、感謝の気持ちを持たねば
なりません。
そのためには、まずは、
現場で何が起きていて、
社員がどう取り組んでいるのかを
知らねばなりません。
あらためて、現場感覚と感謝の心が
重要であることを再認識いたしました。
素晴らしい履歴書でした。。勝之進
PS。1984年当時は、全日空に国際線が
なかったことを考えると、隔世の感が
ありますね。