アレクサンダー・テクニーク for Trumpet           ~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~ -6ページ目

アレクサンダー・テクニーク for Trumpet           ~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~

勉強中であるアレクサンダー・テクニークについてと、それをトランペット演奏に活かすアイディア等を書いています。

アレクサンダー・テクニーク教師養成コース在籍。千葉県在住。
ツイッターもやっています。@toku_tp

初心者ならいざ知らず、大抵の人は自分のミスに気付いています。

それをいちいち指摘してもたいして意味も無いし、むしろその人を萎縮させてるだけです。

「サックスだけでもう一度!ダメ、もう一度!」

フォルテッシモ指定のとこをわざとメゾフォルテで吹いてる人いると思います?音外したくて吹いてる人がいると思います?

集中してない?やる気、気合が足りない?

5分も10分もある曲の、たった10小節程度をひたすら繰り返させられたら疲れますし、集中力も続かないでしょう。つぎはぎだらけの練習で上手く行くのでしょう か?

もし繰り返し練習させられているのが金管楽器だとしたら・・・?
基礎もまだ身についていない子からしたら地獄ですし、経験者でさえ辛い物があります。



「完成度が大事なので一年通してこの曲をやります!」
・・・飽きるし楽しくないでしょう。


「先生も疲れてるんだから弱音吐かない!」
どうして先生になりたいと思ったのでしょうか?



不自然なまでに腕を広げての手拍子、一糸乱れずな振付け、掛け声。

そういうものって心から音楽を楽しめてたら自然と出る物なのでは?それが生徒達のアイディアでやると決めた事なら良いんですが・・・

吹奏楽体験した事ないので、それが楽しいのかもしれませんが。



演奏も上手くて振付もバッチリ!でも先生スパルタ毎日辛い・・・今日もピッチが・・・あのフレーズが・・・と最後にため息吐く子達より、難しい曲だしミスもするけどやり切った笑顔が見れる、そんな演奏、バンドが好きです。



「練習でやってたように、いつも通りやろう!」演奏会前の舞台裏でよく聞く言葉です。


緊張を和らげるため、リラックスして望みましょう!という意味で使う方が多いと思いますが…いつも緊張してしまうという方、この言葉を聞いてどう思いますか?

「そうだね、いつも通りやろう!」と気持ちを切り替えられて演奏に望める人、素晴らしいですね、そのままでいきましょう!


さて、「分かってるけど出来ないんだよねー」と思った方。
思い返してみてください、いつも通りって何ですか?

楽器を手に取り、口に当てて、吹く。

でも上手く行かない。
なぜでしょう?


2つ注意する事があるのかな?と思います。


1つ目

質問ですが、今日のあなたはその「いつも通り」の自分ですか?一週間前の、3日前の、昨日のあなたと全く同じ人ですか?

本番前だけでなく普段の練習でもそうです。少し熱がある、嫌な事があった、寝違えた・・・何らかの変化が現れてるのではないでしょうか?ましてや本番直前、いつも通りのあなたでしょうか?

それなのに、あなたは普段とは違う自分に変なお願いをしてしまいその結果出来ない・・・脳は混乱してしまい、ますますパニック状態に陥ってしまいます。


さてどうしましょう?実際に演奏するのは一週間前の自分ですか?

今日の自分ですよね。
昔の自分がどれだけ調子が良くても今日ステージにきて代わりに吹いてはくれません。


であれば、今日の自分が出来る事をやってみましょう!

ここでアレクサンダーテクニークを使います。「頭を動けるようにしてあげて、身体全部が付いてきて、演奏する。」

こう思うだけで協調作用(身体の使い方と思ってください)が働き、あなたが練習して身につけてきた事が自然としやすくなります。いわゆる「いつも通り」をやって上手く行くのは、協調作用が働いている時ではないでしょうか。

合奏の部屋で皆と練習する時、パート練習でお友達と楽しく練習出来ている時、個人練習ならミスも気にせずのびのびと吹けている時。恐らく協調作用が働いていると思います。




2つ目

演奏家に限らず多くの人は「上手く演奏したい、ミスをしてはいけない、コンクールで良い賞を取りたい」と思う自分A「楽しく演奏したい、夢中になって音楽にのめり込みたい、皆と一体感を感じたい」と思う自分Bがいます。


大抵の人はこの自分Aがしゃしゃり出て来て「いつも通りの自分」を求めて止まないのです。

そしていつも通りの自分の中でも無意識に「演奏が上手く言っている時の自分」を選び、そしてその自分しか認めていないのです。

図星でしょうか?私は自分で書いていてギクリとしました。


思い出してみてください。練習中に音を外した事は?タテがずれた事は?
それだって「いつも通りの自分」ではないでしょうか?

練習で最初の音が上手く吹けなくても、ウォーミングアップをして基礎合奏をやっていけば自然に吹けちゃう事ありますよね。本番ではなぜかその一音目がダメだと全て上手くいかないような気になってしまいます。気にせず1、2曲吹いていたら楽しく演奏出来る事だってあるはずなのに。不思議ですね。


1、体調や機嫌、季節なり周りのメンバーによっても大分変わります。それでもいわゆる「いつも通りの自分」が気負わず演奏出来ているのは、その日その日で協調作用を働かせているからなのでは?

2、「いつも通りの自分」には思い通り吹ける自分もいればミスをする自分もいます。自分Aがあーだこーだ言いますが、ひとまずアレクサンダー・テクニークを使って協調作用を働かせて、自分Bに、今日の自分に任せてみましょう。




本当に体の使い方だけで!?と疑いますか?

だって、あなたは楽器の吹き方を普段一生懸命に練習してきているのですから。緊張や不調がそれを妨げているだけなのです。

「緊張しなければ/病み上がりでなければ最高の演奏が出来たのに・・・」
思った事ありますか?自分で分かってるんですよね。


身体は吹き方を知っています、練習は裏切りらないとはこういう事なのだと思います。「いつも通り」も良いですが今の自分をもっと信頼してあげてみてはどうでしょうか。





書いてて長くなり、変な所あるかもしれませんが・・・。
ツッコミ歓迎です。
TLを見てると

「どうすれば解決するの?」

と色々な悩み事を抱えてる人が多く目に付きます。



でもそれは本当に解決しなくてはいけない答えを出さなくてはいけない問題ですか?

今すぐ?絶対に??


1、「頭を動けるようにしてあげて」

2、「身体ぜ~~んぶがついてきて」


と思ってから

3、「この悩みは本当に解決しなくてはいけない??」

と考えてみてください。



何かに気付けましたか?それはあなたの「助け」になりそうでしょうか?



「上手くいかない!!分からない!!!」
と思うのも良いと思います。

そしたら、もう一度。



分からないからやりたくない?

では何かしたい事出てきましたか?
YES ならとても良い事ですね、こんなブログ閉じてやりたい事をやりましょう!





・・・ありがとうございます(笑)


今度は1と2を思う事を何回か繰り返してみてください。
2回でも良いし10回繰り返しても良いです。

注意して欲しいのは「問題を解決したいから頭を動けて~~~」と思わない事、でしょうか。

結果をすぐに求めずに、今は1と2を静かに繊細に思ってみましょう。



身体に変化が起きた人いますか?

気付いたら視界が高くなっていたり、体重が移動していたりしました?深い呼吸をしたくなった人、もうすでに深呼吸をしてる人もいるかもしれません。座っている人は立ちあがりたくなったりしましたか?

ジャンプしたい?天井に手が届くほどにジャンプできますか??

楽器を演奏したくなりましたか?
楽器が吹ける環境の人なら好きな曲でも吹いてみましょうか。



1と2を繰り返して、その変化を楽しめましたか?

すいません、話を逸らしている訳ではありません(笑)


ではもう一度。

1、「頭を動けるようにしてあげて」

2、「身体ぜ~~~~んぶがついてきて」


と思ってから

3、「この悩みは本当に解決しなくてはいけない?この場で?今すぐ?」


と思ってみましょう。



どうなるかなー