「練習でやってたように、いつも通りやろう!」演奏会前の舞台裏でよく聞く言葉です。
緊張を和らげるため、リラックスして望みましょう!という意味で使う方が多いと思いますが…いつも緊張してしまうという方、この言葉を聞いてどう思いますか?
「そうだね、いつも通りやろう!」と気持ちを切り替えられて演奏に望める人、素晴らしいですね、そのままでいきましょう!
さて、「分かってるけど出来ないんだよねー」と思った方。
思い返してみてください、いつも通りって何ですか?
楽器を手に取り、口に当てて、吹く。
でも上手く行かない。
なぜでしょう?
2つ注意する事があるのかな?と思います。
1つ目
質問ですが、今日のあなたはその「いつも通り」の自分ですか?一週間前の、3日前の、昨日のあなたと全く同じ人ですか?
本番前だけでなく普段の練習でもそうです。少し熱がある、嫌な事があった、寝違えた・・・何らかの変化が現れてるのではないでしょうか?ましてや本番直前、いつも通りのあなたでしょうか?
それなのに、あなたは普段とは違う自分に変なお願いをしてしまいその結果出来ない・・・脳は混乱してしまい、ますますパニック状態に陥ってしまいます。
さてどうしましょう?実際に演奏するのは一週間前の自分ですか?
今日の自分ですよね。
昔の自分がどれだけ調子が良くても今日ステージにきて代わりに吹いてはくれません。
であれば、今日の自分が出来る事をやってみましょう!
ここでアレクサンダーテクニークを使います。「頭を動けるようにしてあげて、身体全部が付いてきて、演奏する。」
こう思うだけで協調作用(身体の使い方と思ってください)が働き、あなたが練習して身につけてきた事が自然としやすくなります。いわゆる「いつも通り」をやって上手く行くのは、協調作用が働いている時ではないでしょうか。
合奏の部屋で皆と練習する時、パート練習でお友達と楽しく練習出来ている時、個人練習ならミスも気にせずのびのびと吹けている時。恐らく協調作用が働いていると思います。
2つ目
演奏家に限らず多くの人は「上手く演奏したい、ミスをしてはいけない、コンクールで良い賞を取りたい」と思う自分Aと「楽しく演奏したい、夢中になって音楽にのめり込みたい、皆と一体感を感じたい」と思う自分Bがいます。
大抵の人はこの自分Aがしゃしゃり出て来て「いつも通りの自分」を求めて止まないのです。
そしていつも通りの自分の中でも無意識に「演奏が上手く言っている時の自分」を選び、そしてその自分しか認めていないのです。
図星でしょうか?私は自分で書いていてギクリとしました。
思い出してみてください。練習中に音を外した事は?タテがずれた事は?
それだって「いつも通りの自分」ではないでしょうか?
練習で最初の音が上手く吹けなくても、ウォーミングアップをして基礎合奏をやっていけば自然に吹けちゃう事ありますよね。本番ではなぜかその一音目がダメだと全て上手くいかないような気になってしまいます。気にせず1、2曲吹いていたら楽しく演奏出来る事だってあるはずなのに。不思議ですね。
1、体調や機嫌、季節なり周りのメンバーによっても大分変わります。それでもいわゆる「いつも通りの自分」が気負わず演奏出来ているのは、その日その日で協調作用を働かせているからなのでは?
2、「いつも通りの自分」には思い通り吹ける自分もいればミスをする自分もいます。自分Aがあーだこーだ言いますが、ひとまずアレクサンダー・テクニークを使って協調作用を働かせて、自分Bに、今日の自分に任せてみましょう。
本当に体の使い方だけで!?と疑いますか?
だって、あなたは楽器の吹き方を普段一生懸命に練習してきているのですから。緊張や不調がそれを妨げているだけなのです。
「緊張しなければ/病み上がりでなければ最高の演奏が出来たのに・・・」
思った事ありますか?自分で分かってるんですよね。
身体は吹き方を知っています、練習は裏切りらないとはこういう事なのだと思います。「いつも通り」も良いですが今の自分をもっと信頼してあげてみてはどうでしょうか。
書いてて長くなり、変な所あるかもしれませんが・・・。
ツッコミ歓迎です。