奇祭「当人(頭人)祭」 | 徳富 均のブログ

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 岡山県勝田町に「梶並(かじなみ)神社」では、毎年10月第一週の土曜日に奇祭「当人(とうじん・頭人)祭」が行われる。これは、町の各地区から選ばれた「当人」が、衣冠束帯に身を包み、神社に参拝する祭りである。「当人」に選ばれた成年男子は、参拝の7~10日前から身を清め、しきたりに従って生活する。家族も葬儀などには参加せず、あらゆる不浄を避けて生活し、祭事に備える。

 当人に選ばれた家の子供たちは当日、笛や太鼓に囲まれて供え物を神社に届け、その数時間後に当人が「宮上(みやあ)がり」する。この時、当人に跨いでもらうと「無病息災」が約束されると信じられている。従って、参道や神社の境内で、地面にしゃがみ込む人々を、袴姿の当人が無言のままに跨いでいく。

 この祭の発祥や由来については定かではないということであるが、「頭人」とは、そもそも村落における神事の実務を行う者の職名を指している。歴史的には、「梶神神社」は、平安時代末期から続くといい、この奇祭も400以上続いているという。

 「鰯の頭も信心から」と言いますが、人間、「信じるもの」があると、精神的にも救われるのではないでしょうか