トキ | 徳富 均のブログ

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自分が書いた小説(三部作)や様々に感じた事などを書いてゆきたいと思います。

 全長約70~80㎝で、羽毛は白く、淡紅色の翼を特徴とする「朱鷺(とき)」は、かつてはアジア大陸東部に広く生息していた。日本では、江戸時代前期には、おもに近江国(現・滋賀県)と、東日本に分布していた。その後、幕府や諸藩が鳥獣の捕獲を厳しく取り締まったことで、江戸時代後期には、日本全域で見られるようになった。湿地や水田に生息する小魚やカエルなどを餌にするトキにとって、湿地面積の多い日本は、暮らしやすい環境だった。

 そんなトキが明治以降、絶滅の危機に至ったのは、苗を踏みつける「害鳥」として迫害されたことや、トキの美しい羽が商品となって流通し、乱獲されたことによる。さらに、森林伐採や農薬による生活環境の悪化も原因となり、トキは絶滅の一途をたどった。しかし、昭和9年には国の天然記念物、昭和27年には特別天然記念物の指定を受けた。

 現在は人工繁殖などで、数十羽のトキが飼育されているとのこと。物事には、善悪の両面があることが多いと言えましょう。一方から見れば「善」であっても、別の面から見れば「悪」ということです。それは特に、生活環境や仕事上において特に顕著になります。自己の利益追求が、他者には大きな妨害であったり、自然破壊になるということは、身近に生じていることでしょう。では、何処で折り合うか、ということですが、両極端の追求になれば折り合いは無理になります。そうすると、いつかは争いに、ということでしょう。そう考えると、自由主義、民主主義の社会は、根底に争いを抱えている、ということになります。しかし、この争いは、全体主義国家における争いよりも、生命は保障されるという点から見れば、やはり、民主主義、自由主義の方が「よりましな社会」と言えましょう。