「茫然も自失」はゲストボーカル参加曲の並ぶ椎名林檎の新譜、
「放生会」が初公表の、林檎ちゃんだけがボーカルの曲です。
ラテンなリズムに、ジャジーなピアノ。
アコーディオンの音色が切なさを添え、
スペイン語の歌がデカダンに響く一曲。※
古いポピュラーミュージックの雰囲気もあり、
シャンソンの雰囲気もありってところでしょうか。
その点、アルバム発売と同時に、
お酒のCMで使われていた様子の曲なので、
意図してそんな風情の曲を作ったってことなのかな。
もしくは、ゲストボーカルなしの曲ということで、
林檎ちゃんの趣味が全開の一曲ってこと?
ちょっとそんな気もします。
この曲に感じる情緒もまた、
椎名林檎を聴くに、デビューした頃からずっと継続するものに思いますし。
というか、年齢的には、
やっとこそんな風情の似合う頃合いになってきたって話なんですけどね。
むしろ、スタイルの変遷はあれど、
当初からそんな匂いが漂って感じられたことのほうが、
独特だったってことで。
「茫然も自失」(2024)
※
スペイン語がよくお似合いの林檎ちゃん。
(個人的には、キューバのYUSAというミュージシャンの
ファーストアルバムを思い出したり。)