砂糖が再結晶化した理由~失敗したステムジンジャー作り~ | とこかしこのお菓子作りの日々 ~お菓子教室開業にむけて~

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砂糖が再結晶化した理由~失敗したステムジンジャー作り~

 

 

ジンジャーを使ったお菓子を作りたくて、ステムジンジャーを作りました。おいしくできました・・・と、言いたいところなのですが、今日は失敗のお話です。

 

 

 

 

ステムジンジャーは、生姜のシロップ漬けといったらいいのでしょうか、糖度の高いシロップでジンジャーをコトコト煮て作ります。

 

(イギリスでは市販のものを使うことが多いらしいです)

 

 

イギリスのお菓子は、生姜を使ったものがたくさんあります。知名度というところでは、愛らしいクッキー、ジンジャーブレッドマンでしょうか。今回はもっとモイストなジンジャーのお菓子。ジンジャーブレッドケーキを作りたいと思ったのです。

 

適当な大きさにカットした生姜を、シロップでコトコト弱火にかけて、煮詰めていきます。

 

 

 

 

できあがったステムジンジャーがこちらです。まあまあおいしそうでしょう。ぴりっとした辛味と、高い糖度のシロップで煮詰めた生姜。想像通りの味のステムジンジャーに仕上がりました。

 

 

 

 

砂糖が再結晶化したステムジンジャーのシロップ

 

 

ところがです。ステムジンジャーとコトコトと煮たシロップを、保存用の瓶に入れてしばらく置いておいたところ、瓶の下のほうのシロップが白く結晶化してしまいました。

 

シロップも使いたかったのに大ショックです。たぶんこの結晶化したところにつかっているステムジンジャーも、ジャリっとした感じになっているにちがいありません。

 

 

保存瓶の底に白っぽい結晶がみえます。

 

 

 

 

砂糖の再結晶化とは

 

 

砂糖はもちろん、もともと結晶したものです。シロップを作るときは、砂糖をいったん水に溶かして作りますよね。溶けた砂糖は結晶の形ではなくなります。

 

で、シロップに火にかけて、どんどん熱を加えると、水分が蒸発して、その分どんどん糖度が上がっていきます。そこになんらかの刺激が加わって、ふたたび砂糖が結晶化する現象が、「砂糖の再結晶化」です。ちょっと難しいですね。

 

さてさて、今回できあがったときは、透き通ったきれいなシロップに見えたのに、なぜ再結晶してしまったのか。

 

 

ステムジンジャー作りで、シロップの砂糖が再結晶化した理由

 

 

今回、どうしてシロップが再結晶したのか。考えられるのは3つです。

 

 

1.煮詰めすぎて水分が必要以上に蒸発してしまった。

 

これが一番の大きな理由だと考えています。

 

砂糖が水分に溶ける量は、温度によって変わります。シロップが熱いうちは溶けていた砂糖が、火からおろして温度が下がってきたとき、溶ける量の限界を超えてしまったことが考えられます。

 

 

追い打ちをかけるように、必要以上に煮詰めて、水分がたくさん蒸発して、砂糖を引き受けてくれる水分が少なくなってしまった可能性が大です。心当たりあります。溶ける量の限界を超えてしまった分の砂糖が再結晶化したと考えています。

 

だから高い温度のときはきれいだったシロップが、冷めてくると同時に白くなっていたのですね。

 

2.鍋肌にとびちったシロップが刺激になった。

 

鍋肌に飛び散ったシロップが蒸発すると、溶けきらない砂糖が出てきてしまいます。この溶けきらなかった砂糖がシロップに入ってしまうと、刺激になって砂糖の再結晶化が始まります。

 

溶けきらなかった砂糖の粒が、再結晶の種になって、大きな再結晶を育てていくイメージです。

 

 

3.作った量が少量だった

 

今回のステムジンジャー、けっこう少量で作ったのです。

 

少量ということは、ちょっと水分が蒸発しただけで、けっこう影響が大きいのですよね。量が少ないと温度変化も大きいのです。

 

火加減しだいですぐにシロップの温度が上がってブクブクします。水分がどんどん蒸発します。

当然糖度があがってきます。

 

ブクブクするので鍋肌にシロップがとびまくります。再結晶の種になる、溶けきらない砂糖がどんどん生まれてくるわけです。火からおろして冷めるのも早い。ちょっと反省点です。

 

ブクブクしている図

 

 

 

砂糖の再結晶化については、もっといろいろとあるのですが、細かく書き出すとたいへんなことになるので、また別の機会にでも、少しずつまとめられたらと考えています。

 

 

せっかく作ったステムジンジャー、なんとかレスキューできた分もあるので、作りたかったジンジャーケーキはなんとか作れるのではないかと思っています。

 

ステムジンジャーに限らず、レモンピールやオレンジピールなど、シロップでコトコトと煮詰めて作るものは注意しないと、砂糖が再結晶化することがあります。

 

こちらはきれいにできたオレンジピール

 

 

 

 

砂糖の再結晶化をさせないための反省まとめ

 

 

  • シロップを煮詰めすぎない
  • 鍋肌に散ったシロップはていねいに刷毛などでぬぐう
  • シロップを作るときは温度変化の影響をうけないように適量で作る

 

失敗は成功のもと!

 

皆さまも、もしステムジンジャーやオレンジピールなどを作るようなことがあれば、ちょっと気をつけてみてくださいね。

 

 

 

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!!