埼玉の土地鑑定評価コラムをご覧いただきありがとうございます。
以前月刊誌か週刊誌の記事で読んだのですが、「副業収入として賃貸アパート経営を始めました。」という内容の記事がありました。
その記事の中で賃貸アパート経営を始めたAさん(仮にAさんとします)は、「中古の木造アパートを購入したのですが、それは土地値以下で購入できました。」とありました。
その後Aさんは安定したアパート収入があると、その記事は続くのですが、ここで気になったのは、Aさんが言う「土地値以下」というのを、どのようにして知る方法があるか、ということです。
ここで相続税路線価が登場します!!!
今は不動産投資用サイト等がいくつもあり、物件の住所や地番を掲載している物件もあります。
その不動産投資物件サイトから、土地値以下で売りに出されているものはあるのか?
少し見てみたいと思います。
投資用物件サイトに下記のような条件の物件が以前掲載されていました。
・物件価格:2300万円
・所在:北関東の某所
・最寄り駅までの距離:20分程度
・建物構造:木造2階建て
・建物の築年数:約30年
・土地面積:400㎡
■上記の情報をネット上で確認し、相続税路線価を用いて検証します。
1.まずGOOGLE等の地図で所在を確認します。
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2.最寄り駅までの距離が、投資用物件サイトと同じ約20分程度の距離にあることを確認します。
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3.建物が存在し、土地が道路に接していることを確認します(実際に接しているかどうかは地図だけでは分からないのですが、、、)。
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4.その場所をネットの地図上で確認できたら、次は、相続税路線価図を見ます。
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5.相続税路線価図では、調べてる土地の前の路線に「35F」と記載があります。これは35,000円/㎡を意味しています。
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35,000円/㎡ ✕ 土地面積400㎡ ≒ 1,400万円
以上からこの売り出し物件(土地・建物合計額2,300万円)は、相続税路線価に基づく土地値(1,400万円)以下で売り出しているわけではないようです。
建物があるので、あと900万円の価値(1400万円 + 900万円=2300万円)は、建物の価値なのでは?と思われる方も多いと思います。
しかし木造の築30年ですと、法定耐用年数も超えていますし、修繕もかなり必要となってきますので、価値があるかというと難しいところです。
GOOGLEのストリートビュー等で見る限り、建物の外観もあまり綺麗とは言えません。
話がそれてしまいましたが、相続税路線価により売り出し物件が土地値以下なのかどうか、というのをざっくり試算することができるのです。
相続税路線価は、国税庁が発表しているものでも見れますが、検索が早くできるのは「全国地価マップ」というサイトです。
是非試してみてください。