<TOKIKO NOW>『 4月2日から京都のギャラリーヒルゲートで登紀子倶楽部ギャラリー展』
京都の寺町通、三条上る。古いアーケードの街、寺町のギャラリーで、私のファンクラブ会報誌、登紀子倶楽部通信の中で紹介して来たアーティストの皆さんと私の作品を合わせて展示即販する展覧会です。
私が去年80歳になったのを機に、何か楽しいイベントをと考えているうちに、この企画になりました。
それというのも、テレビ番組「プレバト」で絵を描く機会をいただいた時に、「才能なし最下位」を突きつけられてしまい、ちょっとメゲていたのだけど、それを観た方々からの応援の声に押され、再チャレンジ、3枚の絵画作品が出来上がりました。採点はいつも悪いけれど、評判は良くて(?)、その絵を広く見ていただこうというのがきっかけでした。とは言っても更なる作品を作る余裕もなくて、今回は、私の書の作品を合わせて展示します。絵はお売りできませんが、書は販売しますので、是非、お家に持って帰って飾っていただければ、と思っております。
出展してくださるのは、京都在住の大御所、小西煕画伯、田中直子さん、漆、着物作家の中島紫都さん、パリ在住の山崎修さん、兵庫県在住の兵丹一雄さん、ほかに、ロコ・サトシさん、中川妙子さん、鳥海太郎さん。そして七宝作家の長谷川淑子さん、万華鏡の川野香さんなど、私の敬愛するアーティストの作品が並びます!
とっても貴重なグループ展になると思いますので、是非お越し下さい。作家来店日は4月5日(金)と決めています。午後から5時まで。私は初日、と最終日7日もいる予定です。是非お越しください。
お会いできるのを楽しみにしています。
ところで、24日(日)は兵庫県立芸術文化センターでYaeのコンサートが開かれました。たくさんの方にいらしていただき、コンサートを成功させることができましたこと、本当にありがとうございました。
アンコールの最後の「土に帰る」に、私も参加させて頂いたのです。というのも、この曲は1976年、Yaeの誕生後に制作したアルバム「回帰船」の中で発表した曲。今、Yaeが「土の上に生きる」をテーマに歌うコンサートでこの曲をテーマにしている事に、何だか大きな感慨があります。
今年のコンサートでは新曲「80億の祈り」「FOR YOU」など、心に響く歌が生まれたことが心に残りました。
ゲスト出演してくださった三味線、笛の奏者、木村俊介さんに、大感謝です。本当に素晴らしかったです!
4月1日からNHKラジオ深夜便で流れるYae作詞作曲の歌「HOME」でも素晴らしい笛の演奏を聞かせてくださっています。是非楽しみにしていてください。
4月の訪れとともに、本格的な春がやって来そうです。京都の桜も見られそう!すごく楽しみにしています!
どうぞ皆様も、素晴らしい春を堪能してください!
登紀子
<TOKIKO NOW>『今週末24日、西宮の兵庫県⽴芸術⽂化センターでYaeコンサートです。』
今週末24日、西宮の兵庫県⽴芸術⽂化センターでYaeコンサートです。 いよいよ近づきました。
西宮は夫、藤本敏夫の故郷だけに、感慨深く、楽しみにしています。
去年も同じ時期にありましたが、私は見ることができませんでした。
今年は客席にいます。
コンサートのテーマは「土の上に生きる〜80億の祈り」。
2020年のアルバム「On The Border」、去年のアルバム「80億の祈り」を中心に、これまでの大事な曲を歌う予定です。大関さんのCMソング「酒は大関」も!
夫が遺した千葉県の農場を受け継ぎ、農的生活を続けながら歌手活動をしている彼女の根性に脱帽です。
奇しくも彼女のデビューは夫の他界した前年。それからもう23年。必死で乗り越えてきた歳月でした。
40代後半といえば、人生のピーク、十分楽しんでほしいです。
さて先週は、いくつも素敵なライブがありました。
13日のビルボードライブ大阪、本当に楽しかった!
ワクワクするような充実したコンサートになりました。今年のメインコンサートに向けての一歩が始まった感じです。
去年出版した「加藤登紀子詩集ー美しき20 歳」からの加藤登紀子オリジナルソング、久しぶりの歌の弾き語りに今とっても気合いを入れています。もう何だか、今こそ歌いたい歌がいっぱいです。
関東では5月12日のよこすか芸術劇場、東京の6月2日の東京国際フォーラムC、そして同じ国際フォーラムCで6月5日の追加公演が決まりました。
その間に九州でもコンサートがあり、そのキャンペーンに18、19日と福岡へ行きました。
19日の朝の生テレビTNCの「ももち浜ストア」に出演、ギターで「百万本のバラ」を歌わせていただきました。TNC「記者のチカラ」にも出演。午後には二日市温泉にある済生会病院の一角にある水子地蔵さんを訪ねました。戦後満州から引き揚げた女性たちの旅立ちを応援した保養所があったところです。新しい人生を始められるように、ここに身を寄せた女性の気持ちに寄り添う、大切な時間でした。いくつかのメデイアも報道してくれましたので見ていただけたと思います。
5月18日の筑紫野市文化会館のコンサートは、私にとって特別のコンサートになりそうです。ぜひ歌を聴きにきてください。
翌日5月19日には唐津市肥前文化会館でも歌います。とっても久しぶりなので楽しみです。
もう一つ、先週日曜日、横浜の関内ホールで「GOPPA」のコンサートを観に行きました。たくさんの人が踊ったり、歌ったり、コンサートでもありミュージカルでもある、不思議なスタイルでとっても新鮮でした。そのプロデューサーでもありデザイナーでもあり、パフォーマーでもあるGOPPAさん、その存在感は本当に感動的でした。心に残りました!ありがとう。
3月20日お彼岸の日は、中国大使館で国際女性デーの祝賀パーティーにお招きただき、在日中国大使ご夫妻にお目にかかり、たくさんの逞しい女性たちと語り合うことができ、とってもいい日でした。
3月は何かと忙しいですが、その中で、4月2日から7日まで京都のギャラリーヒルゲートで開かれる「登紀子倶楽部ギャラリー展」の準備を進めています。
<TOKIKO NOW>『 宮崎駿さんのアカデミー賞受賞、おめでとうございます。』
朝から震災の番組を聴き、13年の月日はすごいものだけど、まだまだ思い出はとても近いところにあるんだなと感じて、胸いっぱいだったのでしたが、その時にニュースで宮崎駿さんの「君たちはどう生きるか」がアカデミー賞 長編アニメ映画賞受賞の一報がありました。
奇しくも昨日の夜、NHKBSで2021年に放送された「新BS日本のうた~千葉県旭市」の再放送があり、私は千葉県で津波被災した旭市の防災資料館を紹介し、「今どこにいますか」を歌って、その後に「時には昔の話を」を歌っていました。
92年に初上映された「紅の豚」のラストテーマに宮崎さんがこの歌を選んでくださり、その時こう言って下さったのを思い出します。
「『あの日のすべてが空しいものだと、それは誰にも言えない』という歌詞がいいんです。どんなにひどい時代だって、人は素晴らしく生きようとする!僕はこの作品でそれを伝えたいんですよ。」
この映画の舞台は今から100年前の1920年代。第一次世界大戦でヨーロッパがズタズタになり、その混乱の中で、もう第二次世界大戦が始まろうとしている、二つの大戦の谷間の時代です。「人はどう生きればいいのか」、それは宮崎さんが全ての作品で追求されてきたテーマだと思います。
2024年は、世界は同じように無残な戦争に振り回され、正月早々に能登地震が起こり、解決のつかないことだらけです。こんな時にいろんな厳しい状況を生き抜いた人の姿に出会うことで、すごく勇気づけられる気がします。
宮崎駿さんが7年の歳月をかけて仕上げた「君たちはどう生きるか」も、これまでに作品に込めた思いの総決算と言ってもいい作品。宮崎さん自身の自伝映画と言ってもいい内容に、戦争を生き抜いた世代の複雑な思い、早く他界されたお母様への心情、父との葛藤が一人の少年を通して描かれています。
この受賞によって、世界中の人が、宮崎作品から届けられて来るメッセージを共有していることが伝わってきて、それが本当に嬉しいです。
アカデミー賞の作品賞など多部門を受賞した「オッペンハイマー」は先日試写会で見ることができました。
観終わった後は、一語も発することもできないほど、うちのめされた気分でしたが、なぜか家に帰ってフッと浮かんできたのは、母が昔言ってたこんな言葉でした。
「戦争に行った男はみんな戦争の犠牲者よ。絶対に元のくらしに戻れない。」
核兵器を作ろうとしたきっかけは、ヒトラーへの憎しみ。戦争の危機から人類を救出することだったはず。もちろん戦争を長引かせた日本の責任も大きいのですが、恐ろしいほどの大きな力を知った人類は、戦争が終わっても、後もどりはできなかったのです。
先へ先へと研究を進め、より強力な力を求め続けるしかなかった。
二度の原爆被災国、そして福島第1原発での事故で、現在核燃料のデブリ880トンを取りだせないまま抱えている原発事故非常事態の中にある日本。
責任の大きさに呆然とします。この映画のアカデミー受賞を機に、もう一度日本人として出来ることを考えたいと思いました。
惜しくも受賞されませんでしたが、ノミネートされ注目されていたヴィム・ヴェンダース監督作品「PERFECT DAYS」へ出演されているダンサーで俳優の田中泯さんは、今夜8時配信の私のYouTube番組『登紀子の「土の日」ライブ』のゲストに登場して下さいます。夜8時、絶対にみてください。
昨日の番組ではほかにも、2021年作ったばかりの歌「江の川挽歌」を歌っていました。
「江の川挽歌」を作るために、2020年、まだコロナ感染の中でしたが、何度も島根を訪ねて出会った人のことを、いっぱい思い出し感無量です。この歌をもっともっと歌っていきたいな、と改めて思いました。
この歌は、美しい自然の中で生きてきた日本人への深い望郷を描こうとしたので、ぜひいろんな方に歌い継いでいただけたらな、と思っています。
「琵琶湖周航の歌」や「知床旅情」のように、その土地の風景が生きてる限り、生きつづける歌になってほしいな、と密かに願っています。
さて3月13日(水)はビルボードライブ大阪でのライブです。
いろんな想いが溢れる中でのコンサート、精一杯歌いたいです。
16日(土)にはNHKBSで夜9時から「歌えるJ-POP黄金のヒットパレード決定版」に出演します。これも観てください。
登紀子