加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba -6ページ目

<TOKIKO NOW>『 宮崎駿さんのアカデミー賞受賞、おめでとうございます。』

 朝から震災の番組を聴き、13年の月日はすごいものだけど、まだまだ思い出はとても近いところにあるんだなと感じて、胸いっぱいだったのでしたが、その時にニュースで宮崎駿さんの「君たちはどう生きるか」がアカデミー賞 長編アニメ映画賞受賞の一報がありました。 

 奇しくも昨日の夜、NHKBS2021年に放送された「新BS日本のうた~千葉県旭市」の再放送があり、私は千葉県で津波被災した旭市の防災資料館を紹介し、「今どこにいますか」を歌って、その後に「時には昔の話を」を歌っていました。 

 92年に初上映された「紅の豚」のラストテーマに宮崎さんがこの歌を選んでくださり、その時こう言って下さったのを思い出します。

 「『あの日のすべてが空しいものだと、それは誰にも言えない』という歌詞がいいんです。どんなにひどい時代だって、人は素晴らしく生きようとする!僕はこの作品でそれを伝えたいんですよ。」

 この映画の舞台は今から100年前の1920年代。第一次世界大戦でヨーロッパがズタズタになり、その混乱の中で、もう第二次世界大戦が始まろうとしている、二つの大戦の谷間の時代です。「人はどう生きればいいのか」、それは宮崎さんが全ての作品で追求されてきたテーマだと思います。


 2024年は、世界は同じように無残な戦争に振り回され、正月早々に能登地震が起こり、解決のつかないことだらけです。こんな時にいろんな厳しい状況を生き抜いた人の姿に出会うことで、すごく勇気づけられる気がします。 

 宮崎駿さんが7年の歳月をかけて仕上げた「君たちはどう生きるか」も、これまでに作品に込めた思いの総決算と言ってもいい作品。宮崎さん自身の自伝映画と言ってもいい内容に、戦争を生き抜いた世代の複雑な思い、早く他界されたお母様への心情、父との葛藤が一人の少年を通して描かれています。

 この受賞によって、世界中の人が、宮崎作品から届けられて来るメッセージを共有していることが伝わってきて、それが本当に嬉しいです。

 

 アカデミー賞の作品賞など多部門を受賞した「オッペンハイマー」は先日試写会で見ることができました。

 観終わった後は、一語も発することもできないほど、うちのめされた気分でしたが、なぜか家に帰ってフッと浮かんできたのは、母が昔言ってたこんな言葉でした。

 「戦争に行った男はみんな戦争の犠牲者よ。絶対に元のくらしに戻れない。」

 核兵器を作ろうとしたきっかけは、ヒトラーへの憎しみ。戦争の危機から人類を救出することだったはず。もちろん戦争を長引かせた日本の責任も大きいのですが、恐ろしいほどの大きな力を知った人類は、戦争が終わっても、後もどりはできなかったのです。

 先へ先へと研究を進め、より強力な力を求め続けるしかなかった。 

 二度の原爆被災国、そして福島第1原発での事故で、現在核燃料のデブリ880トンを取りだせないまま抱えている原発事故非常事態の中にある日本。

 責任の大きさに呆然とします。この映画のアカデミー受賞を機に、もう一度日本人として出来ることを考えたいと思いました。

   惜しくも受賞されませんでしたが、ノミネートされ注目されていたヴィム・ヴェンダース監督作品「PERFECT DAYS」へ出演されているダンサーで俳優の田中泯さんは、今夜8時配信の私のYouTube番組『登紀子の「土の日」ライブ』のゲストに登場して下さいます。夜8時、絶対にみてください。


 昨日の番組ではほかにも、2021年作ったばかりの歌「江の川挽歌」を歌っていました。

 「江の川挽歌」を作るために、2020年、まだコロナ感染の中でしたが、何度も島根を訪ねて出会った人のことを、いっぱい思い出し感無量です。この歌をもっともっと歌っていきたいな、と改めて思いました。

  この歌は、美しい自然の中で生きてきた日本人への深い望郷を描こうとしたので、ぜひいろんな方に歌い継いでいただけたらな、と思っています。

 「琵琶湖周航の歌」や「知床旅情」のように、その土地の風景が生きてる限り、生きつづける歌になってほしいな、と密かに願っています。

 さて313日(水)はビルボードライブ大阪でのライブです。

いろんな想いが溢れる中でのコンサート、精一杯歌いたいです。

 16日(土)にはNHKBSで夜9時から「歌えるJ-POP黄金のヒットパレード決定版」に出演します。これも観てください。

登紀子

<登紀子の「土の日」ライブ>Vol.43「名付けようのない踊り」ゲスト:田中泯さん

3月11日20時スタート!登紀子の「土の日」ライブVol.43「名付けようのない踊り」 ゲスト:田中 泯

 

今回のゲストは、ダンサーであり、俳優でもある田中泯さん。もう逢いたくて、逢いたくて、拝み倒して来てもらったの笑。

能登を舞台にしたNHK連続テレビ小説「まれ」の中で、塩作りをしていたおじいちゃんを演じていました。その見事な体の動きが目に焼き付いています。最近では、ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司さんの主演映画「PERFECT DAYS」の中でも、謎のホームレスとして登場、その存在感がズーンと残りました。
この3月28日から新国立劇場で「TIME」という、坂本龍一さんが全曲書き下ろし。高谷史郎さんと創作した最新にして最後の舞台作品を演じられます。龍一さんの命日が公演初日、ということに胸キュンです。


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田中泯
1945年生まれ。66年よりクラッシックバレエ、モダンダンスを学んだあと、74年から独自のダンス、身体表現を追求。本格的海外デビュー「パリ秋芸術祭『間―日本の時空間』展(ルーブル装飾美術館)78年」をきっかけに、ゆるやかで微細な動きで身体の潜在性を掘り起こすパフォーマンスは、ダンスを越えた新しい芸術表現として衝撃をもたらした。一方、85年より山村へ移り住み、農業を礎とした日常生活を送ることでより深い身体性を追求している。02年、映画『たそがれ清兵衛』(山田洋次監督)への出演以降、映像への出演も多く独自の演技力で異彩を放つ。22年には本格的な長編ドキュメンタリー映画『名付けようのない踊り』(犬童一心監督)が公開。近年の出演作に映画『PERFECT DAYS』(ヴィム・ヴェンダース 監督)などがある。

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RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI 「TIME」
2024年3月28日(木)~4月14日(日) 新国立劇場 中劇場
2024年4月27日(土)、28日(日) ロームシアター京都 メインホール
公式サイト:https://stage.parco.jp/web/play/time/

坂本龍一が全曲書き下ろし。
高谷史郎と創作した最新にして最後の舞台作品がついに日本初上演。

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世界的ダンサーにして名優・田中泯氏のエッセイ『ミニシミテ』
2024年3月7日、講談社より刊行!

10年にわたって綴られた喜怒哀楽、カラダで見つけた己の道、読む者の背中を押す言葉がここにはある。
書名:ミニシミテ
著者:田中 泯
発売日:2024年3月7日 
定価:1870円(税込)
発行:講談社

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加藤登紀子コンサート情報
2024年3月13日(水)
ビルボードライブ大阪
1st 開場14:30 開演15:30
2nd 開場17:30 開演18:30

加藤登紀子百万本のバラコンサート2024 コンサート2024 時をつなぐ歌
よこすか芸術劇場(神奈川)

2024年5月12日(日)
よこすか芸術劇場(神奈川)
15:15 開場 16:00 開演

2024年5月18日(土)
筑紫野市文化会館(福岡)
14:30 開場 15:00 開演

2024年5月19日(日)
唐津市肥前文化会館(佐賀)
14:30 開場 15:00 開演

2024年6月2日(日)
国際フォーラム ホールC(東京)
15:15 開場 16:00 開演

2024年6月5日(水)※追加公演
国際フォーラム ホールC(東京)
15:15 開場 16:00 開演

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#田中泯
#ダンサー
#PERFECTDAYS

<TOKIKO NOW>『明日8日、NHKBSで22時40分より89分の番組として放送!』

 ジョージア公演と旅の記録をまとめた番組(23日の朝に放送された)を収録する中で、同時に収録した貴重なコンサート映像です。テーマは「~歌は国を越えて心をつなぐ~」
 ウクライナへのロシア侵攻から1年が過ぎた昨年5月26日。
 私にとっては、ジョージアへ行くまでの大きな山でした。

 人類が恐ろしい力で激突してしまった第一次世界大戦の前と、なんだか似ていると思えた2023年。もう一度20世紀の始まりからの歴史を辿って見なくちゃ、と痛感したのです。それは、「紅の豚」のジーナの時代でもあり、私の歌って来た道でもあると。そんなことを感じながら作ったプログラムでした。

 この番組はBS4Kで2月17日に放送され、その後BSで2月23日の深夜の予定でしたが、なでしこJAPANの試合の放送で変更されています。やっと観ていただける、とワクワクな気持ちです。
 ぜひご覧になってください。
 


 そして311日は登紀子の「土の日」ライブです。
 今回のゲストは、ダンサーであり俳優でもある田中泯さん。


 

 

 能登を舞台にしたNHK連続テレビ小説「まれ」の中で、塩作りをしていたおじいちゃんを演じていました。その見事な体の動きが目に焼き付いています。
 最近では、ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司さんの主演映画「PERFECT DAYS」の中でも、謎のホームレスとして登場、その存在感がズーンと残りました。

この328日から新国立劇場で「TIME」という、坂本龍一さんが全曲書き下ろし。高谷史郎さんと創作した最新にして最後の舞台作品を演じられます。龍一さんの命日が公演初日、ということに胸キュンです。
 

不思議な人です。全く!
 そんな田中泯さんと私、あるドラマで夫婦だったことがあるのよ!それなのに、撮影でお会いすることはなかったので、やっと夫に会えたという訳です。笑


 311日の夜8時から登紀子のYouTubeでご覧ください。

 その後、13日はビルボードライブ大阪のコンサートです。
昨年の「ほろ酔いコンサート」以来なので、なんか久しぶりの感じ。2024年の新しいプログラムで歌うのが楽しみです。

 324日にYaeのコンサートが西宮の兵庫県立芸術文化センターであるので、私も客席にいたいと思っています。みなさんにもお会いできたら嬉しいです。


 

あっという間に2024年の6分の1が過ぎてしまいましたが、この3月が世界にとって大事な岐路に立っているような気がします。
 512日によこすか芸術劇場から始まる今年の「百万本のバラコンサート」、東京の国際フォーラムホールCのコンサートは62()に加えて65()が追加公演と決まりました。
 とっても嬉しいです。いいコンサートにしたいです!


登紀子