こちら埼玉県行田市
今津印刷所前から水城公園東側園地に移築、改修・復元された…
旧忍町信用組合店舗(元新町会館/新町自治会集会所)
行田市指定有形文化財、大正11年竣工
4/21(土)・22(日)に、内覧会が開かれたのでさっそく見てきました(・ω・)/
予想以上に多くの行田市民(たぶん)が訪れていましたよ。
画像では人が写り込まないように撮影したのでヒッソリして見えますが、けっこうにぎわってました。
正面入り口にはアーチ状に左右に延びるスロープが設置。
これは時代の流れ?によりバリアフリー化したもので、移築前には無かったものです。
代わって長らく失われていた入口上の庇(ひさし)が復元されています
ただ、支柱が無いシンプルな構造なので積雪が心配になりますね。
(大雪が降って熊谷ドームの屋根が崩落したことを記憶している方も多いかと)
関係者に尋ねたところ、十分な強度があるのでご心配なくとのこと (´▽`)ホッ!!
おそらく、オリジナルにはなかったH形鋼などを入れて補強しているのではないかと思います。
扉を開けてすぐに突き当たるのが復元された銀行時代のカウンター。
以前は撤去されていましたが、この度復活しました。
建物解体時に支柱の跡が発見されたそうで、位置関係に関しては正確だとか。
お客さんのスペースが異様に狭いのは現代の銀行のイメージで捉えるからでしょうか。
また、当時は窓口が何か所か開けられていたハズですが、それは敢えてオミットされています。
(その理由は後述)
カウンターに突き当たって左手の壁には保存修理工事に関して記した銘板が掲げられていました。
移築前の建物の概要も書かれているのでぜひ、ご一読を
さて。
スリッパに履き替えてオジャマします |ω・)ノ
フローリングに上がってすぐ目の前にあるのがエレベーター。
もちろん竣工当時にはないもので、後付けです。これもバリアフリー化の一環かと。
その左隣には簡単な調理室も新設。
建物の移築後の再活用案として、民間業者によるカフェ運営が予定されています。
有形文化財の建造物ということもあり「火気使用禁止」で、調理器具はIHヒーターやオーブンレンジの使用に限られるとのこと。
また、アルコールの提供も禁止なので、おそらくパンやケーキ、ドリンクの提供が主になるんじゃないかと思います。
いろいろある制約に関してはこちら、行田市が事業者を公募するにあたって示した「旧忍町信用組合店舗を活用した街なかにぎわい創出事業」のプロポーザル実施要領 と、質問事項および回答をご覧ください。
制約が多い上に、実際のキッチンが狭くて今から不安しかないのですが、事業者の方には頑張ってもらいたいと思います。
さて。カウンターの内側がそのカフェスペースとなる予定です。
そのため敢えて前面すりガラスにしたそうですが、せっかくの外の風景が見えないのはザンネン。
ここは透明なガラスを入れてカウンターテーブル席にしても良かった気もしますね。
大正11年の竣工当時の写真や移築前と移築後の比較写真も展示されていました。
とても貴重な記録なのでこの機会にご紹介。
移築前の姿と移築・復元後の姿を比較したパネルも用意されていました。
これは興味深いですね。
そして解体時に発見されたという天然スレートの屋根材も展示。
増築した部分の床下から出てきたそうです。
カフェスペース(旧営業室)の北側奥にはもう一つ部屋がありました。
以前、外から見て洗面所かと思っていた北側の突出部分ですが、まさかの小部屋だったとは。
当時はお得意様の接待室だったか、金庫が置かれていたのかも。妄想が広がります。
お洒落な間接照明は現代の創作かな?
小ぢんまりとした部屋ですが、エアコンも別になっているので貸し切り部屋として、誕生日会や女子会を開くプライベート空間にも良さそう。
今回は『行田市の日本遺産ストーリー構成資産』の写真が展示されていました。
当建物も構成資産のひとつになっているので今後も維持管理を行いながら後世まで伝えられることでしょう。
ではそろそろ2階にも上がってみようと思います。
階段も竣工当時の本来の位置に復元されていますよ。
移築前は建物東側の壁に沿って立ち上がっていたものが、西側に移動、90度方向を変えながら2階に続いています。
思ったよりも急こう配ではないので上りにくさはなかったです。
とはいえお年寄りは素直にエレベーターを使用した方が安心・安全かと思いますが。
では二階に移動します
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