こんにちは、東建ハウジング代表の久慈です。
 2016年4月14日 PM.2020:45分ごろ〝ズシン〟という音とともに鉄筋コンクリート4階建ての狛江市西河原公民館がグラッと揺らぎ、上野千鶴子氏と民主主義を語る市民の会に参加していた200人弱の人びとの間に、ザワーッとした空気が一瞬流れました。
 当日は受付のお手伝いをしており終了間際には出入口で待機していた私。まずは参加者の安全避難誘導をと考えていましたが、地震も小さな揺れで終わり何事もなくほっとした気持ちで21:40頃帰宅することになりました。
 しかし、帰宅早々に中学一年生の孫から「おじいちゃん大変だよ、緊急地震速報が出たよ」との一言。「あれ?先ほどの地震そんなに大きくはなかったのに」と不思議に思いつつ、テレビをみると「震源地・熊本県益城町 震度7」というニュースが飛び込んできました。
 活断層が起こした直下型、震源が非常に浅いこと、震度5~6の余震が続いていること、揺れ動いている街並み、倒壊した建物が画面一杯に報道されていました。多数の専門家たちによれば、震源地は様々な活断層が集まっている場所であり、大規模な地震の公算も考えられるとのこと。原発施設の状況についても不安視されていました。
 その時私は、あの3・11、東日本大震災、福島原発の大事故・大災害を思い出さざるを得ませんでした。「余震に気を付けてください」と避難者の皆さんの無事を祈りつつ目をつむるも、西河原公民館で受けた震度2程の揺れでさえ慌てていたのに、あの地震が東京で起きたらと思うと、布団に入っても目が冴えてくるばかりでした。
2016年4月16日 午前1時25分、震度6強(M7.3推定)の本震が起きたとの緊急報道。本当のことを言えば私には前ぶれ、前震と本震、余震の区別はついていませんでした。新聞やテレビの受け売りで、このような文章を書いていることにも気が咎めつつ本震とともに地震活動は熊本北東から大分県の方向へと展開し、三ケ所同時に地震が発生したとのこと。また、そのような状況下では地滑りなどの大災害に加え建造物の倒壊による被害も起きているとのこと。
 そして、14日の地震で避難した方々がその後我が家に戻り、16日の本震で住まいが倒壊し亡くなった方もいるというニュースもあり、建物への潜在的ダメージは想像以上に大きくなっているのではないかと心配しています。
 そのような被害を増やさないためにも今後は、地震によって倒壊および傾いた建物への対応だけでなく、少しの被害で収まったと思えるような一般住宅や公共施設等の点検作業が重要になってきます。決して甘く見ることなく点検してほしいと遠くから願うばかりです。
特に木住宅の構造部分には注意が必要です。柱、梁、屋根などのつなぎ部分や角柱や通し柱については、連結部分に金物補強があったとしてもかなりの負担が予想されます。
 今回の震災をうけて私たちは、建築・住まいづくりの専門家として過去事例の教訓と共に、木造2階、3階建て住宅の耐震壁の大切さ、〝通し柱〟の弱点への補強など安全な住まいづくりの大切さを改めて痛感しました。
 お亡くなりになった方々のご冥福と震災ご当地の皆様のご健勝を祈りつつ、私たち自身も普段の仕事の中で、非常時に会社としてなすべきことを定めながら、改めてお客様の安心・安全を第一に考え、住まいづくりに取り組んで参ります。