11月5日は今回で3度目になるぶりくらです。
今回もうちで生まれた元気な子達を連れていきます。

今日もちび達のお世話。
日々のお世話はこんな風にしています。

 

 

 

自分がブリードを始めたのは、雑に扱われてしまうかわいそうな爬虫類(特にトッケイ)が少しでも減るようにという思いからです。

トッケイに興味を持って我が家に問い合わせをくださる方の多くから「ハンドリングできますか?」という質問を受けます。

「仲良く暮らしたい」というお気持ちが感じられ、とても嬉しく思います。
その気持ちを大切にしていただきたいし、またそれにこたえられるトッケイを育てたいと思っています。

我が家では「性格」を重視した繁殖を心がけています。穏やかな子達を選んでペアリングしています。
性格の遺伝についてははっきりしたことが証明されているわけではありませんが、自分の経験から、穏やかな、人を恐れない、自信のある個体から生まれた子達は同じように穏やかで、人を恐れず、自信がある子に育っていく比率が高いのです。
(遺伝的要因だけで決まるわけではなく、その後の経験がその子の「性格」に大きな影響があります。この点はこの後に)

人と暮らすトッケイですから、子供たちには、穏やかで人も恐れずにいられる土台を作ってあげられたらと思うのです。

 



こうした基礎の上に、日々の良い学習を重ねていきたいと思っています。

それは、日々のお世話を通して行います。

動物は常に学習しています。
環境から学習していきますが、その環境の中には、日々のケアである掃除や給餌の時の人の様子、ハンドリング時の人の手の出し方や近づき方、同種の仲間との関係、ケージの装飾品、ケージから見える外の景色などが含まれます。

これらのすべてをできるだけポジティブな良い経験にする努力は惜しみません。

たとえば動画のようにプラケの中に手を入れていますが、必ずトッケイの様子をうかがいながら行います。体を固くするなど体が弓なりになるなどが見られたら、手を遠ざけたり、手を止めて、トッケイが落ち着くの待ってから作業を行います。

霧吹きも相手のボディサインを見ながら、声掛け(これからかけるよーという意味の)などもして、いきなり水が体にかかってギャッはできるだけ起こさないようにしています。声をかけた時や霧吹きが見えた時のトッケイの様子で身構えているようであれば、(直接かけられたくないと思うので)動画のように手で壁を作って直接体にかからないようにしたり。

プラケ内の排泄物掃除も、中を水拭きする時も、湿度調整のための水に浸した紙を置くと時も、すべてトッケイの体の動きを見て、落ち着いていること、拒否サインが出ていないことなどを確認しながら行っています。

これらに注意を払っていくと、お世話をするときに怒る子はいなくなります。自分の動きに注意を払ってくれているというのは、トッケイ達にも十分理解できます。

こうした関わり合い方をすると、手にネガティブな印象もつきにくいので、手にもなれていきます。手に乗ってほしい、ハンドリングをストレス少なく行いたいという時の基礎を作りになるのです。

相手の動きがあって、自分が動く、それをうけて相手が動き、自分が動くという双方向のコミュニケーションを大切にしています。

また、先住の子がいて、その子のお相手にと我が家からお迎えくださる方もいらっしゃいます。同種の仲間と良い関係を作れる(攻撃しない、フレンドリーでいられる)ようになるための環境設定も大切です。子供の頃から他のトッケイと一緒に暮らす経験もさせています。相手選びも慎重に行っており、片方が強すぎないように、同じ空間を平和に共有できるよう、子供たちの様子を見ながら同居個体を選んでいます。必要があれば適時に相手を変えたりも。

 



我が家でできることはここまでです。
もちろん機会があれば、私以外の人もハンドリングしてもらったりで般化の練習もするようにしています。

この後は新しいご家族のもとへ行って暮らすことになるわけですが、トッケイ達は環境から学習していくので、以前(我が家)と違う接し方が続くと、それまでは手を怖がっていなかったのに怖がるようになったりということは容易に起こります。

そのため、新しく飼い主さんになってくださる方には関わり方もお伝えするようにしています。距離の取り方、手の速度や出し方なども、良い関係づくりにはとても大切な要素です。

トッケイ達が新しいご家族のもとで良い形で新生活を迎えられ、末永く大切にしてもらえるよう、頑張りたいと思います。